塔とは何か の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
いよいよ明日、東京スカイツリーが開業する。付属の商業施設のソラマチもオープンする話題ですでに注目を集めている。それにしても、どうして人間は、高いものに惹かれるのか。「馬鹿と煙は高いところが好き」なんて言うが、天才バカボンのパパや林家木久扇師匠を見ているとそんなに簡単になれるわけでもない。 以前、NHKの「プロジェクトX」で東京タワー特集を放送していた。当時、日本にはなかった高さのタワーを建設するだけに苦労が耐えなかったと建設に携わった人が証言している。強風に耐えられるかどうかという懸念もタワー建設反対の一因であったが、1957年の伊勢湾台風で、東京タワーの強さが証明された。 いつの時代もそうだが、景観が悪くなるという理由で反対する人もいる。あのパリのエッフル塔は、当時の著名人から目の敵にされていたが、今ではパリの風景になくてはならないものの1つになっている。慣れがそうさせるのか。 著者は、第3章に「塔の国、日本」として、日本も昔から塔を建てていた国として塔の歴史をたどっている。青森の三内丸山遺跡で巨木痕が出土され、高層建築物が立てられていた可能性があると考えている。島根の出雲大社の本殿についても、昔は今の24メートルよりも高かったと考えられると述べている。 とはいっても、塔といえば、やはり京都や奈良にある塔が浮かんでくる。紆余曲折を経て今に残る塔。当時の人たちにとってはスカイツリー以上の話題になったに違いない。あれほどの高さの木造建築で、機械を使わないで建てるのだから。 世界を見渡すと、経済発展著しい新興国で高層ビル建築競争が続いている。人間の無限にある欲がそうさせるのか、見栄っ張りが多いのがよく分かる。一体どこまで高い高層建築物が建てられるのか見ものだ。1000メートル級、2000メートル級の高層建築物も技術力と資金力の強力なタッグを組めば、実現できる日もそう遠くない。 せっかくできた東京スカイツリー。外国からたくさん観光客を呼んで、お金をたくさん落としてもらい。日本の観光力強化の起爆剤になればいいなあ。
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