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蝋人形館の殺人 の商品レビュー

3.6

19件のお客様レビュー

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2024/06/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

蝋人形館の殺人。 怪奇趣味のカーはさぞ楽しんで描いたのだろうなあ。きっと江戸川乱歩も好きだったのでは。 おどろおどろしい舞台、怪しげな美女たちの暗躍、冒険活劇の一幕など、わくわくする要素を詰め込みました!という印象で、現代の一般人もドキドキ楽しめました。 最後の犯人との駆け引きは、どういうこと、、と困惑しましたが、幕の引き方はキッパリとしたもので、印象に残りました。

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2024/04/12

ミステリ。アンリ・バンコラン・シリーズ。 バンコランのシリーズを読むのは、『絞首台の謎』を読んで以来2冊目。 覚えていなかったが、ジェフ・マールというワトソン役が語り手を務める。 蝋人形館という舞台が、カーの怪奇趣味に良く合っているように思う。 ミステリで人形が出てきたら、だいた...

ミステリ。アンリ・バンコラン・シリーズ。 バンコランのシリーズを読むのは、『絞首台の謎』を読んで以来2冊目。 覚えていなかったが、ジェフ・マールというワトソン役が語り手を務める。 蝋人形館という舞台が、カーの怪奇趣味に良く合っているように思う。 ミステリで人形が出てきたら、だいたい怖いイメージ。 ジェフも身体を張った活躍をしていてスリリング。 ミステリ的には、フーダニット。トリックには拘りがなさそうに見え、作者へのイメージとは少し違った感じ。 カーの作品の中ではエンターテインメント要素が強めの作品か。

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2023/02/11

アメリカの作家ジョン・ディクスン・カーの長篇ミステリ作品『蝋人形館の殺人(原題:The Corpse in the Waxworks 、英題:The Waxwork Murders)』を読みました。 アンソロジー作品『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』に収録されていた『妖魔の...

アメリカの作家ジョン・ディクスン・カーの長篇ミステリ作品『蝋人形館の殺人(原題:The Corpse in the Waxworks 、英題:The Waxwork Murders)』を読みました。 アンソロジー作品『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』に収録されていた『妖魔の森の家』を読んで、ジョン・ディクスン・カーの長篇作品を読みたくなったんですよね。 -----story------------- *第10位『IN★POCKET』2012年文庫翻訳ミステリー・ベスト10/作家部門 行方不明の元閣僚令嬢が、他殺死体となってセーヌ河で発見された。 予審判事バンコランは、彼女が最後に目撃された蝋人形館の館主を尋問したのち、その館へ赴き展示を見て回るが、そこで半人半獣の怪物像に抱かれた女の死体を発見する。 頽廃の都を震撼させる異様な殺人事件の真相とは。 優雅な装いの下に悪魔(メフィストフェレス)の冷徹さと知性を秘めたバンコランの名推理。 新訳にして初の文庫版。 解説=鳥飼否宇 ----------------------- 1932年(昭和7年)に刊行されたアンリ・バンコラン・シリーズの第4作にあたる作品です。 オーギュスト陳列館には数々の蝋人形たちが並び、薄暗い照明の中で異様な雰囲気をかもし出していた… ギロチンの下でのけぞるルイ16世、臨終のナポレオン、、、 中でも傑作中の傑作『人殺しのルシャール夫人』の出来栄えは見事だった… その蝋人形がある娘の後を追って暗い階段を降りてゆき、そのあと、その娘が、屍体となってセーヌ河に浮かぶという事件がおきる! 予審判事にして名探偵バンコランは、彼女が最後に目撃された蝋人形館の館主を尋問したのち、その館へ赴き展示を見て回るが、そこで半人半獣の怪物像に抱かれた女の死体を発見する… 被害者は上流階級の娘たち、、、 果たして秘密クラブとは? パリの都を震撼させる異様な殺人事件の真相は? 瀟洒な装いにメフィストフェレスの冷徹さと知性を隠すバンコランの名推理… カーならではの怪奇趣味の横溢した初期の代表作。 久しぶりに本格モノの長篇ミステリーを読みたくなって選んだ作品… 不気味な印象のする蝋人形を舞台にすることで怪奇色で物語を彩りながら、本格ミステリとして愉しめるエピソードが随所に散りばめられていて期待通り愉しめました、、、 助手役であるジェフ・マールが秘密社交クラブに潜入して重大な証言を盗み聞きして逃走する展開や、兇器のナイフを持っていた腕と腕時計をはめている腕が同じ腕だったことから意外な犯人を推理する展開、真犯人を電話で追い詰めたバンコランが裁きを犯人に委ねる際の緊迫感… 等々、見所が満載で飽きずに一気に読めました。 次もジョン・ディクスン・カーの作品を読んでみようと思います。

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2022/08/21

蠟人形館というおどろおどろしい舞台で、殺人が起こる。何と心揺さぶる設定だろう。ワトソン役のジェフ・マールの活躍も見どころ。犯人は意外すぎる人物。予想できなかった。

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2022/08/21

アンリ・バンコランの第四作です。舞台は頽廃した爛熟期のパリに戻りました。良家の令嬢が死体となってセーヌ川に浮かんだ、最後に目撃されたのは「蠟人形の館」その〈恐怖回廊〉で魔王様一行は第二の死体を発見する。語り手ジェフ・マールが主役張りに暴れ回り、艶やかな展開でラブロマンスが身を救い...

アンリ・バンコランの第四作です。舞台は頽廃した爛熟期のパリに戻りました。良家の令嬢が死体となってセーヌ川に浮かんだ、最後に目撃されたのは「蠟人形の館」その〈恐怖回廊〉で魔王様一行は第二の死体を発見する。語り手ジェフ・マールが主役張りに暴れ回り、艶やかな展開でラブロマンスが身を救います。魔王様は今回あまり揮わないのですが、ラストであっと驚く解決をします、予審判事の職は金で買ったらしいですが、趣味なのがよくよく察せられます。闇夜や土砂降りのパリを描写する新訳は素晴らしい。プロット良しの作品です。(1932年)

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2021/06/30

蝋人形館に仮面クラブ。この妖しい雰囲気に、江戸川乱歩などが相当影響を受けたんだろうな。 最後の犯人の追い詰め方にびっくり。

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2017/02/11

バンコランシリーズ。蝋人形館という道具立てだけでも充分すぎるほど魅力的なのですが。仮面クラブもまた怪しい雰囲気満載で、とんでもなく魅力に溢れた舞台に引きつけられました。そしてそこで起こる殺人事件も猟奇的な絵面が印象的です。さらにもちろん、ミステリとしての謎解きも。たしかに分かって...

バンコランシリーズ。蝋人形館という道具立てだけでも充分すぎるほど魅力的なのですが。仮面クラブもまた怪しい雰囲気満載で、とんでもなく魅力に溢れた舞台に引きつけられました。そしてそこで起こる殺人事件も猟奇的な絵面が印象的です。さらにもちろん、ミステリとしての謎解きも。たしかに分かってから読み直すと、ひどくわざとらしい描写なのだけれど。気づかなかったなあ。 ラストのバンコランが犯人に突きつける選択には絶句。なるほど、これをもって「メフィストフェレス」と評されていたのか……!

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2014/08/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

行方不明の令嬢が他殺体となってセーヌ川で発見される。令嬢が最後に目撃された蝋人形館を訪れたバンコランはそこで新たな死体を発見する。 ミステリ、雰囲気共にカーの世界を堪能。 怖いけど先を読んでしまう。そして絶妙に張られていた伏線に気がついて愕然。下手なトリックがないので読後の脱力感もないしw 最初から最後の犯人とのやりとりまでギャンブルでまとめてるのもいい。 そこに挑むバンコランも、対峙する犯人も怖かっこいい。

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2014/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一度読んだだけでは、多分良さはわからない。 雰囲気は好きだし、犯人の意外性も十分あったと思う。 だが、カーの割りに取り立てて傑作というわけでも…と読了して思ってしまった。 ただ、言いようのない違和感を覚えていたので、とある解説サイトを訪れることにした。 読んで腑に落ちた。 さりげない、さりげなすぎるよ、カー御大! そう、ココロの中で叫んでしまった。 腕時計の謎だけで見ても感心してしまう。芸が細かい。 文句なく、傑作だと思う。 あとは見取り図か…。

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2013/02/17

ディクスン・カーの予審判事アンリ・バンコラン物です。カー特有の怪奇趣味と古き良き探偵小説が絶妙にミックスされていて面白かったです。1章1章の最後に驚くべき内容が記述されているのと、後半にはドキドキの冒険譚も組み込まれていて、飽きさせずに劇的な最終章まで辿りつきことができました。こ...

ディクスン・カーの予審判事アンリ・バンコラン物です。カー特有の怪奇趣味と古き良き探偵小説が絶妙にミックスされていて面白かったです。1章1章の最後に驚くべき内容が記述されているのと、後半にはドキドキの冒険譚も組み込まれていて、飽きさせずに劇的な最終章まで辿りつきことができました。こうした構成は何か連続ドラマ物をみているような感覚ですね。 出だしのサロン(?)での会話から明らかになる殺人事件、そして、その直後に蠟人形館のサティロス像に抱えられたもう1つの死体を発見する、というぞくぞくするような雰囲気がなかなか良いですね~。パリの歓楽街や名所をこと細かく描写しているのもこうした雰囲気を盛り上げるのに、大きな役割を果たしていたと思います。 探偵役のバンコランは、メフィストフェレスの知性と冷酷さを持つという触れ込みですが、相手をねちねちとドSさながら小突きまわすように尋問する様子がまた面白かったです。(笑)そして、相棒ジェフの活躍にも、そこまで放置するかな~。(笑) まあ犯人は率直にいって、それはないだろうという思いもあるのですが、経緯の描写が良かったせいかそこまでの不満はありませんでした。(笑)ただ、最後の事件の時間経緯が変に思うことや、あそこの2階のレイアウトがいまひとつわからないことなど、細部の整合性に疑問があり、とりあえずこの点数です。 ラストはメフィストフェレスさながらの勧誘ですが(笑)、これはこれで面白かったのではないかな。

Posted byブクログ