猫弁 の商品レビュー

大山淳子【著】

2012/07/23

もともとカスヤナガトさんのイラストが好きなので、最初に私の気を引いたのはジャケットでした。ジャケ買いしようかどうしようかお財布と相談しているうちに２時間枠のスペシャルドラマが放送され、先にドラマの方を見てしまいました。ドラマの温かい雰囲気が気に入り、原作の方を購入。読んでみるとドラマが原作の雰囲気そのまま表現していたことがわかりました。

推理小説、ミステリーというにはほのぼのとした雰囲気で、ヒューマンというにはシリアス具合が足りないような。だけど人情小説というと堅苦しい。ゆるい空気で肩肘を張らずに読めて、だけど人間の持つ魅力に気づかせてくれる一冊だと思います。この本を読むと優しくなれる、そんな登場人物たちがこの本の中に生きていました。

弁護士という肩書を持っているのにお見合い連敗続きのさえない中年な主人公は作中、靴磨きのおばあさんが言っていた通り、優秀な頭を使うには心が優しすぎます。バランスが悪いです。もっと効率のいい生き方がいくらだってあって、その生き方を選ぶ頭も、選んだ道を活かせる能力もあるのに、どうしたって生きづらい生き方を自然体で選んでしまう。こんな弁護士さんにあたったら、その人はすごくラッキーな人だと思います。実際にこんな弁護士さんがいたらいいな、と想像して読了後は顔がほころぶようなお話でした。

2012/07/14

複雑な人間関係に最初は入りこめなかった。中盤からは一気に読み切りました。ちょっとミステリーでホームドラマ、ほっこり優しい気持ちになれます。パズルを組み立て終わった満足感、こんがらがった糸が解けたときのスッキリ感ですね。
大好きな作家さんが、一人増えました。

2012/08/12

さくさく読める作品だった。ストーリーもなかなかの満足感！ただ大福さんがどうしてももっさいおばさんのイメージになってしまう・・・。

2012/07/03

タイトルが胡散臭くて、正直どうかなと思いながら読み始めたのですが
予想を裏切り、なかなか面白かったです。
独特のテンポが小気味よく、最後まで飽きさせません。

他の方が書かれているように中盤から展開が読めてきてしまうのですが、
大団円が保障されているということで、安心して読み進めることができました。

ただ、節の途中で視点がコロコロ変わるので
読みにくい…とまではいきませんが、非常にむずむずした気持ちになりました。

2012/06/28

最初はばらばらだった事象が、話が進むにつれてどんどんと関連していくという趣向。

最終的には、「そうくるか」という終わり方だったけど、
その最後の最後を、もう少し書き込んであってもよかったかなと言う気がした。
さすがにちょっと、唐突感がね。。。

2012/06/28

『猫弁』というタイトルと、カスヤナガトさんの表紙につられて手に取りました。

笑いあり涙ありのハートフル・ミステリー、という謳い文句がまさにぴったりで、ほっこりしました。

作中で何度か、謎解きのキーをパズルのピースに例えてありますが、最初は全然無関係だと思っていた人たちや出来事が、ジグソーパズルのようにカチカチハマっていくのが壮快でした。
もしかして…って思ったことが、ハマッてほしいところに絶妙にハマっていき、でも最後まで予想外な伏線が張られていて、先が気になって、一気に読んでしまいました。

いちばんやられた!!のは最後の七重さんでした。そうなるだろうな、って思っていた予想の上をいかれました。

ドラマも機会をみつけて、観てみたいです。

2012/06/23

もうどんどん繋がっていって、あぁ！そういう事ね〜。の繰り返しでした。ほっこりして楽しめました。テレビドラマを見逃したのが残念。

2012/09/05

ある動物関連の事件を解決したことが切っ掛けで猫弁と揶揄されるようになった百瀬は、頭はキレるけど容貌や性格がパッとしない弁護士。そんな彼のもとに訪れる一風変わった依頼人達と30連敗中の婚活生活を描くハートフル・ミステリー。

一言で言うと期待以上にとても面白かったです。
軽快なタッチで様々な事件が絡み合って最後にはスッポリ収まる。そして大大団円。
読後感うんぬんを語ればこれ以上ないくらいの気持ちよさでした。
ミステリーとしての奥深さはなく途中で結末が見えてしまうのですが、先をにおわせているのは明らかに映像脚本を意識した作者の意図したものであり、「先を読み取れる面白さ、心地よさ」みたいなものがこの作品にはありました。

表紙の百瀬さんはちょっとイケメンすぎるので、読書中はもう少し冴えない男のイメージで。(笑)

2012/09/05

よい意味でのほほんとした作品。ただ，展開が途中くらいで全部読めてしまった。ミステリーとしては不満足。

2012/06/17

言葉の選び方がすき。個々のエピソードが交差するストーリー展開も絶妙。ハッピーエンドですっきり、爽やかな読後感。