評伝 今西錦司 の商品レビュー
今西錦司の、北部大興安嶺横断、戦前戦中の最中なんという贅沢かつ危険な、と不思議に思っていた。西北研究所なるものも怪しくどの様な経緯と不思議に思っていたので、本書でその辺りの経緯、ご本人の悪びれなく善悪判断以前というか無関係にスタンスに戸惑いながらもあの時代を夢と希望を持って夢の実...
今西錦司の、北部大興安嶺横断、戦前戦中の最中なんという贅沢かつ危険な、と不思議に思っていた。西北研究所なるものも怪しくどの様な経緯と不思議に思っていたので、本書でその辺りの経緯、ご本人の悪びれなく善悪判断以前というか無関係にスタンスに戸惑いながらもあの時代を夢と希望を持って夢の実現に近い生き方をされていたのは大変に稀有なこと。 川喜田氏や中尾佐助氏など今西錦司グループの方々との付き合いもしっかり書かれて豊富な、側近たちの生の声インタビュー。楽しい。224ページあたりの中尾佐助氏とネパールヒマラヤ旅するくだりが微笑ましく痛快に楽しい。知のレベル、探求のレベル、が、今風にいえば、現在とはレベチな面々で、この一派の書物は研究分野に親しくなくとも、むしろ全くの門外漢で疎くても面白くあっという間によんでしまう。
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「山と渓谷社」で連載されたものですから、今西錦司氏の学者としてのお話ではなく、90%は「山」の話です。 でも、今西氏の「山」を語らないでは、氏の「学問」への理解度が減少するかもしれないなとは思わせてくれる。 自然科学から自然哲学へ、それが西田哲学にも繋がっているということも、氏の...
「山と渓谷社」で連載されたものですから、今西錦司氏の学者としてのお話ではなく、90%は「山」の話です。 でも、今西氏の「山」を語らないでは、氏の「学問」への理解度が減少するかもしれないなとは思わせてくれる。 自然科学から自然哲学へ、それが西田哲学にも繋がっているということも、氏の「山」にかける人生から当然のように出てくるのかもしれない。 とてもよくできた評伝だと思う。
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