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仏独共同通史 第一次世界大戦(上) の商品レビュー

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2023/10/24

 原著は2008年。第一次大戦の軸を仏独の対立とみなし、その通史を一国史的枠組みの打破を掲げる仏独双方の歴史家が協力して綴る。分担ではなく共同執筆。  二国それぞれの状況や立場、研究成果を対照しながらその共通点と相違点を洗い出すかたちで考察が進む。ただし比較史の実践としてみると、...

 原著は2008年。第一次大戦の軸を仏独の対立とみなし、その通史を一国史的枠組みの打破を掲げる仏独双方の歴史家が協力して綴る。分担ではなく共同執筆。  二国それぞれの状況や立場、研究成果を対照しながらその共通点と相違点を洗い出すかたちで考察が進む。ただし比較史の実践としてみると、共通のトピックを単に並列して示すにとどまり比較とは呼び難いと思える部分も含まれる。  政治経済から軍事、社会文化まで幅広く扱いながらも基本的に時系列に沿った記述で一貫されていて、各内容も充実している。意外なことにというか、本書の掲げるテーマから真っ先に想起されるような、大戦をめぐる二国間の集合的記憶の擦り合わせといった観点はほぼ扱われていない。  

Posted byブクログ

2013/02/24

単純に第一次世界大戦本は結構あると思うが、それは大戦の経過だけを取り上げたとしても、 本質として歴史の中における第一次世界大戦の意味まではなかなかわかりにくい。 もちろんよく言われる直接の原因となったサラエボ事件なども所詮は単なるきっかけでしかなく、当時の欧州でのもはや直接対決は...

単純に第一次世界大戦本は結構あると思うが、それは大戦の経過だけを取り上げたとしても、 本質として歴史の中における第一次世界大戦の意味まではなかなかわかりにくい。 もちろんよく言われる直接の原因となったサラエボ事件なども所詮は単なるきっかけでしかなく、当時の欧州でのもはや直接対決はもはや避けられない状態でそれがいつ起こるのかを待っている状態であったという。 原因、結果を含めてその部分がうまく描かれているので第一次世界大戦という歴史的事実の本質を見出すのには悪くはない。普仏戦争という結果とそれ以来の独仏の感情的な対立から、「その時」まで当時の欧州の空気感が出ていて読みごたえはあると思う。もちろんここで推されているフランスとドイツの感情的な対立だけが大きな要因ではないのは言うまでもないが。 この空気感は今の東アジアにも通じるのではないのかな?

Posted byブクログ