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法と経済で読みとく雇用の世界 の商品レビュー

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14件のお客様レビュー

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2012/06/04

労働問題は「ある問題の解決を図ることができても、それが他の問題を引き起こすという副作用がでるケースがある。」経済学のアプローチは「ややもすれば部分的な公正さに目を奪われがちな法学の議論に、より広い視点を与えてくれるものである。」(p.310) 良書。 上記引用は企業管理部門で働...

労働問題は「ある問題の解決を図ることができても、それが他の問題を引き起こすという副作用がでるケースがある。」経済学のアプローチは「ややもすれば部分的な公正さに目を奪われがちな法学の議論に、より広い視点を与えてくれるものである。」(p.310) 良書。 上記引用は企業管理部門で働く評者の問題意識そのものであり、今後、会社をとりまく制度において法と経済学、研究と実務の対話が進み新たな成果を生み出すことを期待します。 各章の導入に使われるストーリーは意表をついて俗っぽく、そんな狭い世界で全部つながらなくても、、、とも思いましたが、確かに実際の労働問題は俗っぽいものですね。

Posted byブクログ

2012/05/11

法学がどのような立場で雇用を見ているか、そして経済環境が厳しくなっている中で、経済学的なアプローチをいれなくてはならなくなっていることが理解できた。 ただ、現在の問題を整理しただけで、どのように解決して行ったら良いのかの見通しは得られなかったのは残念。それほど困難な課題だという...

法学がどのような立場で雇用を見ているか、そして経済環境が厳しくなっている中で、経済学的なアプローチをいれなくてはならなくなっていることが理解できた。 ただ、現在の問題を整理しただけで、どのように解決して行ったら良いのかの見通しは得られなかったのは残念。それほど困難な課題だということだろうが…。 また、経済学的な労働市場分析のアプローチは、どうも自分の考え方と馴染まなかった。人間は合理的に、効率的に動くものだ、という想定は、文化的社会的縛りの強い日本の労働市場ではかなり当てはまらないと感じる。 ただ、事例を出しての文章のまとめ方は、非常に興味深く読めた。

Posted byブクログ

2012/04/20

我が国の雇用体系と諸問題を法学と経済学の両側面から斬り込む良書。内定取り消し、最低賃金、非正規雇用から(賃金体系における)男女差別、障碍者雇用に至るまで、判例を交えつつ解説する。「法と経済」を名乗っているが、やや法学寄りか。

Posted byブクログ

2013/02/28

川口先生の授業で、労働経済学に興味を持ったし法と経済学の分野にも興味がでてきたところだったので読んでみました。 まず労働法学と経済学の視点の違いを理解することができる。 法学では雇用をこんな風に捉えているのだと実際の法律や判例を例に出し説明したのちに、その法律は経済学的にはこんな...

川口先生の授業で、労働経済学に興味を持ったし法と経済学の分野にも興味がでてきたところだったので読んでみました。 まず労働法学と経済学の視点の違いを理解することができる。 法学では雇用をこんな風に捉えているのだと実際の法律や判例を例に出し説明したのちに、その法律は経済学的にはこんな影響があってこんな点で経済学的な有用性があるorない…といったような構成で現実に即していて非常にわかりやすい。 また随所に経済学はそれだけでは実効性が薄く、立法や法学と協働することで実世界に対し政策的な影響を与えることができるのだという主張を垣間見ることができる。 法を学ぶ人にとっても経済学を学ぶ人にとっても、またどちらでもない人にとっても労働というのは自分の人生に大きく影響するものなのだから、読んでみる価値がある本だと思うし、一度立ち止まって考えてみる価値のあるテーマなのではないだろうか。 また各章の冒頭に出てくるショートストーリーが非常にいいアクセントになっているという点にも言及しておく。

Posted byブクログ