検事失格 の商品レビュー
佐賀市農協背任事件の主任検事を務めた筆者が事件の実態を明かす。 自分のことを「良心を捨てた検事」と表現されているが、現代の多忙な社会の中で、「良心」を失っていることを気づかない人が多い中で、検事を辞めることで、「良心」を取り戻せたと思うと、良かったと思う。
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ただの内部告発本ではない。自らの過ちと真剣に向き合い、人生をかけて、よりよい検察組織、検事のあり方を追求する。 九州大学 ニックネーム:すず
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大推薦です!検察の問題点を指摘した本は多々ありますが、類書に無い特徴をいくつか挙げます。①検察官が書いているということ。例えば村木厚子さんや佐藤優さんの著作は被告人の立場から書かれています(勿論それはそれで価値があるのですが)。この本は検察官がどのような論理と感情で捜査を行ったの...
大推薦です!検察の問題点を指摘した本は多々ありますが、類書に無い特徴をいくつか挙げます。①検察官が書いているということ。例えば村木厚子さんや佐藤優さんの著作は被告人の立場から書かれています(勿論それはそれで価値があるのですが)。この本は検察官がどのような論理と感情で捜査を行ったのかが手に取るように分かるように書かれており、冤罪の起こった理由がよく分かります。②冤罪事件以外の事件の捜査についても詳しく書かれていること。これは前半ですね。冤罪事件が起こるとニュースになりますし、起きた理由もよく論じられるのですが、特殊な事例ばかり注目されている感が否めません。この本は市川さんが担当した他の事件についても書かれており、検察という組織の実態を鮮明に捉えることができます。③市川さんは自分を含めて検察官を厳しく糾弾していますが、検察官に対する希望を捨ててはいません。私は冤罪事件以外の箇所では「検察官ってすごいな」と何度も感じましたし、あとがきでは市川さんはこれからの検察官への期待も書かれていました。そんな著者の姿勢にも好印象です。
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著者は勇気を持って本書を執筆しただろうと推測できるが、検察庁にたたきつける挑戦状…とまでは読めなかった。それだけ、組織が怖いのだろうが、あの事件はこういう訳だったんです…という同僚や世間への1冊分の言い訳ともとれる本だった。 構成が「夢を持って職に臨んだが夢が破れ離職、新たな夢...
著者は勇気を持って本書を執筆しただろうと推測できるが、検察庁にたたきつける挑戦状…とまでは読めなかった。それだけ、組織が怖いのだろうが、あの事件はこういう訳だったんです…という同僚や世間への1冊分の言い訳ともとれる本だった。 構成が「夢を持って職に臨んだが夢が破れ離職、新たな夢を見つけて頑張る」というのも違和感。期待していた内容とは少し違った物でした。
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学生時代、検察官に憧れて、司法試験の勉強をしていました。正義の為に犯罪と闘う検事の姿を想像していたのですが、無実の人を犯罪者にしかねない恐ろしい可能性を秘めた怖い仕事だと実感しました。本来あるべき検察制度の確立を望みます。
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すべて国民は、冤罪事件の被害者となる可能性を有する。元暴言検事と呼ばれた筆者(現弁護士)が、正義を信じてなりたいと願った検事という仕事就き、そして、検察という組織の中でどのようにその正義が歪められ、事件を創作し、被疑者の自白調書という名の作文に署名させるようになったか、その経緯を...
すべて国民は、冤罪事件の被害者となる可能性を有する。元暴言検事と呼ばれた筆者(現弁護士)が、正義を信じてなりたいと願った検事という仕事就き、そして、検察という組織の中でどのようにその正義が歪められ、事件を創作し、被疑者の自白調書という名の作文に署名させるようになったか、その経緯を告白している。 本書で書かれていることが、真実かどうかの判断は、それぞれの読者に任せるが、昨今報道されている冤罪事件をみると、真実が書かれているのだと私は思った。 一度冤罪事件に巻き込まれてしまったら、個人にとってはその影響はものすごく大きいと思う。それは、筆者もいまになって十分認識しており、そして冤罪事件と闘う弁護士となったようだ。もし、まだ検察・警察に本書にかかれているような内容の事実があるのであれば、それを正そうとする検察官、警察官を多くの国民は応援すると思う。 私は、終身刑がない日本の法体系で、死刑を廃止すべきとは思わないが、死刑を言い渡される被疑者のなかに冤罪事件の被害者がいるかもしれないと思われる限り、少なくとも死刑の執行はすべきではないと思う。
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著者のやったことはもちろんよくないことだが、検事も人間なんだな、ということを感じた。不祥事に限らず、検事の世界の内幕が垣間見れて興味深く読めた。
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ごく普通の人が、集団に飲み込まれて良心に背くことをしてしまうのって、本当に怖い。明らかに悪い人が悪いことをするのより怖い。これを防げれば、世の中の悪いことの四分の三ぐらいはなくなるんじゃなかろうか? どんなときでも良心を保つ教育って、できないのかな?
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真面目な、真面目な男で、それゆえ不器用にすぎる生き方をしているように思う。 検察に求められる巨悪に鉄槌を受けさせる役割は、しかしながらこのようなまじめな人物こそそれを委ねるに相応しい。 とまれ、その真面目さに弁護士としての今後に一抹の不安を禁じ得ない。 やはり検察庁の中から組織を...
真面目な、真面目な男で、それゆえ不器用にすぎる生き方をしているように思う。 検察に求められる巨悪に鉄槌を受けさせる役割は、しかしながらこのようなまじめな人物こそそれを委ねるに相応しい。 とまれ、その真面目さに弁護士としての今後に一抹の不安を禁じ得ない。 やはり検察庁の中から組織を変えてほしかったところであるし、本書でも言及されている検察不祥事による批判的な世論も、それを後押しし得たとも思う。 それゆえ、一回ないし複数回、被疑者に暴言を吐き、その責任をとらざるを得ず検察庁を去ったことは、やはり残念に過ぎる。
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一気に読んじゃった。良い所も沢山見せてもらったし、いろんな検事が当然いるんだから、これを読んで一括りにはできないけど、組織に一定の性質の方向性はあるのかもしれない。でもそんな組織は検察だけじゃない。 とにかく、自分の良心に反することは、しちゃだめだな。 扱ってる内容が人権に関わる...
一気に読んじゃった。良い所も沢山見せてもらったし、いろんな検事が当然いるんだから、これを読んで一括りにはできないけど、組織に一定の性質の方向性はあるのかもしれない。でもそんな組織は検察だけじゃない。 とにかく、自分の良心に反することは、しちゃだめだな。 扱ってる内容が人権に関わることなら、もう間違いなく。 この人個人を通した丹念な描写というか訴えかけとしては、とても面白かった。
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