『帝都復興史』を読む の商品レビュー
大正12年で有名な出来事というと「関東大震災」が挙げられる。マグニチュードこそは先の東日本大震災より小さかったものの地震による火災により、約10万人が死亡した。本書は東日本大震災の復興への一助として、かつて「関東大震災」から復興した歴史である「帝都復興史」を解き明かしている。
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そもそも『帝都復興史』に誤解があった。 タイトルから何か公共機関のまとめた本かと思いきや、高橋重治と称する人がまとめた私本。写真もついていて、3巻にわたる大著のものだが、あまり、信用性はおけない。 松葉さんはなんでこの本の解説本を書こうとしたのか、いま一つ理解できず。 ...
そもそも『帝都復興史』に誤解があった。 タイトルから何か公共機関のまとめた本かと思いきや、高橋重治と称する人がまとめた私本。写真もついていて、3巻にわたる大著のものだが、あまり、信用性はおけない。 松葉さんはなんでこの本の解説本を書こうとしたのか、いま一つ理解できず。 まあ、おもしろいと思った情報。 (1)復興院にひっぱられた十河信二氏は、その時点では鉄道省会計課長、ついでに友人の大田圓三氏を土木局長にひっぱろうとして、断られたら雲隠れをした。(p247) (2)ビアードが優先すべき事業として「第一にとりあげるべきは罹災地区の経済的、家庭的生活を回復すること。」(p43) 誰が考えてもそうなるはず。今も被災者の生活と生業を再生することを第一に仕事をしているか、常にわれわれも反省すべき。 (3)昭和5年3月26日、関東大震災から、6年6ヶ月で、帝都復興祭を実施。(p161) 今回の震災では6年で復興祭をひらけるか疑問。 あと、宮城前広場におおきな張りぼての宮殿をつくっているが、こういうものをその都度つくって、またこわしてしまう発想があまり理解できない。隅田川公園にきちんとした施設をつくるとかどうしてそういう発想にならないのだろうか。 もともと戦前は、日清、日露の凱旋門のようにはりぼてが好きだったのかな。以前その手の本も読んだ記憶あり。
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毎日新聞書評より。◆◆如何に今の民主党の復興にビジョンがなく、国民に希望を与えていない事実を痛感させられる。◆関東大震災当時の後藤新平らが、常日頃から将来の帝都像を描いていたからこそ、さっと数日で復興案を提示できたのだろう。あと、復旧でなく復興ということをよく言われるが、遷都しな...
毎日新聞書評より。◆◆如何に今の民主党の復興にビジョンがなく、国民に希望を与えていない事実を痛感させられる。◆関東大震災当時の後藤新平らが、常日頃から将来の帝都像を描いていたからこそ、さっと数日で復興案を提示できたのだろう。あと、復旧でなく復興ということをよく言われるが、遷都しなかったことも頭の隅にいれておく必要もある。◆◆巻末p229-に紹介された椎名龍徳の寄稿「大震災当時を追想して」が秀逸である。◆ここを読むだけでも、現代に通じる。
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