けむたい後輩 の商品レビュー

柚木麻子【著】

2014/02/11

気取ってかっこつけて自分に酔いしれている栞子はすごく嫌いなタイプ。かっこ悪い。その女を崇拝する真美子もこの上なくうっとうしい。栞子に群がる男たちも見ているだけで不愉快。
非常に残念ながらこの作品は受け入れられなかった。どの登場人物にも全然共感出来ない。
ただ、最後にようやく真美子が栞子にしっぺ返しする場面は胸がすっとした。
多分作者は、最後のセリフのために長い長い嫌な場面を重ねてきたんだろうなあ。

2014/02/08

途中までゆるやか、それまでの話はこの、最後の5ページにあったといっていいのでは。一気に展開して、読んだあとは爽快感

2014/01/31

出てくる女達が誇張はされているけどリアル。
特にラストは鳥肌がたった。皆どこか歪んでて嫌な部分を持っているのだけど、反面弱くて感情移入してしまう。情けない男の描き方が上手い。いい男は一人も出てこないのも笑える。

2014/01/15

お嬢様学校に通う少女たちの認められたいという気持ち――。
過去の栄光が忘れられずに、苦しむ栞子。そして無邪気に崇拝する真実子。彼女たちは時に誰よりも近づき、けれども少しずつ心の中に澱のように溜まっていく嫉妬、憎悪などが絶妙に描かれている。
タイトルの「けむたい後輩」――煙を消した後の彼女は次はどこへ向かうのだろうか、少し気になる終わり方である。

2014/01/13

柚木麻子さんの作品。なんとも複雑な女性の心や、女性同士の関わり方を描くのがうまい。本作は「あまからカルテット」とはまた違う友情がすごくいいトーンで描かれていた。横浜の景色を想像できたのもよかった。

2014/01/06

いやぁな話。どの女にもなりたくないけど突き抜けることなくどの女にも当てはまってしまうような気がするのが嫌だなぁと思う。

2013/12/27

若い女の子の心情がわかりやすい。自分が同年代の時に読んでいたら影響を受けてもっと素直になれてたかな。

2013/12/09

面白かった！
柚木さんの書く女たち、好きだなぁ。関わりたくはないけど、傍から見る分には最高に楽しめる。

2013/12/03

真実子、とりこになる（一年生編）
真実子、とりのこされる（二年生編）
真実子、トリコロール（三年生編）
真実子、鳥になる（四年生編）

それぞれの章題に思わず噴出した。これは面白そうと思って一気読み。
舞台は中学から付属校があるお嬢様女子大。

14歳で親のコネにより詩集を出版、30代の大学教授と付き合い始め、タバコを覚えた栞子。当時は学校中の注目を浴びてチヤホヤされたものの、その後は全く執筆できない。
大学生になっても「自分は人とは違う。女子って皆同じ格好してクローンみたい」とプライド高く、教授との付き合いも続けながら一人でいた。そんな中、一学年後輩の真実子と出会い、彼女に心酔される。
真実子の親友・美里は、彼女の栞子へののめり込み具合に嫉妬しながらも心配をする。

美人の美里が「真実子がそれだけ入れあげる栞子ってどれほどのもんよ」と初対面する場面は、読んでる自分も美里と一緒に驚き。美人じゃないのかよ…。
「自分は少女だった頃に大人の男に選ばれるほどの容姿だったんだから」と妙なプライドもあって美人でもないのに化粧もしないし着飾ることも嫌う。何かイタイ。
プライド高くて、唯一慕ってくる真実子を邪険に扱い、男が相手してくれなくて自分がつまらないときには相手の都合を構わず呼び出す。
うわぁ、嫌な女！ほんとやだ～！でも栞子が心を寄せる男がどいつもこいつも美里に見惚れる場面に出くわすのは、ちょっと可哀想とも思ったり。

在学中ずっと栞子に尽くしてきた真実子がいつまでも報われず、美里の忠告も全く受け入れない姿にイライラしながらも、「この子最終的にどうなるんだろう」とページを捲る手が止まらなかった。
最後、有名脚本家になった真実子の元に、相変わらず男にだらしなく甘え頼られるだけの栞子が、男のために仕事のおこぼれをもらおうと訪ねてくる。真実子を傷付けといてどの面下げて、と思ったけどラストの真実子の台詞がよかったなぁ。スカッとした。

柚木さんも綿矢さんも“女が嫌う女”を書くのが上手い。やっぱり面白いなぁ。

2013/11/19

先輩後輩。友達。憧れ。女子大。大学生。横浜。パリ。女同士の機微、どうしようもなさ。すごい。映像化するとしたら栞子さんは安藤サクラさんがいいなぁとか思ってしまった。