福島第一原発 の商品レビュー

アーニーガンダーセン【著】,岡崎玲子【訳】

2012/02/29

あの時、福島第一原発で何が起きていたのか、その真実が平易な解説でよくわかる。政府や東電の説明とは逆に、今でも危機的状況は続いているし、根本的な解決には何十年もかかるだろう。
この本を読んで思うのは、重大な欠陥があるGEのマークⅠ型はすぐにでも全機運転停止して廃炉処理に着手すべきだし、マークⅡ型やⅢ型は最新の安全に合致するような改良作業を行うべきである。
４０年前の安全基準に合致しているからといって、現在の安全基準に合格していないと４０年前の車は乗れないのと同様、４０年前につくられた原発は現在の安全基準に適合するよう改良するか、それができないのなら廃炉にするべきであろう。

2012/02/26

嫌な本を読んでしまった。
原発事故と現在の状況について、この米専門家の見立てが外れていてほしいと思っているが、推測があるとはいえ、説得力を感じる。まさしく警告の書。
一号機から四号機までの想像しうる現状や廃棄物処理の難しさなど、避難の遅れ、原発の歴史などコンパクトにまとめられている。
健康被害も著者のいうとおり、数年後に一挙に問題化されるときが来るのではないか。著者は汚染の拡大を防ぐ国や東電の対策も拙速だと指摘しているし、放射能の放出という観点からはまだ事故は「続いている」。
仙台あたりはともかく福島ではまだ復興どころじゃないし、まだ事故の最中なのだと再認識させられた。

2012/02/18

帯の「4号機のプールで火災が起きたら日本を脱出せよ！」の文言に、思わず手に取りました。訳文も非常に読みやすく、福島第一原発でいまも進行しつつある現実が大変よくわかる。特に、７０～７８頁に書かれている内容には愕然となった。マスコミが、ほとんど原発についての報道をしなくなった今、本書を読むことを薦めます。