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あんじゅう の商品レビュー

4.3

33件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

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2024/07/19

オーディブルで聴きました。 安定の面白さ。安心して読めるエンタメ小説。普通に2時間ドラマを観たような読後感です。科捜研の女の良くできた回的な。 三島屋の人たちが、ひとり残らず良い人なのが普通ではないが、良い水の中にいると悪い人は淘汰されていくのかもしれない。 怖い場面も出て...

オーディブルで聴きました。 安定の面白さ。安心して読めるエンタメ小説。普通に2時間ドラマを観たような読後感です。科捜研の女の良くできた回的な。 三島屋の人たちが、ひとり残らず良い人なのが普通ではないが、良い水の中にいると悪い人は淘汰されていくのかもしれない。 怖い場面も出てくるけど、怖すぎることはないので安心して読めます。

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2024/01/12

変調百物語の第2弾。 このシリーズは江戸時代の市井の暮らしぶりを生き生きと描きながら、併せて当時の物の考え方や宗教観なども分かり易く表現している。 古来より日本には万物に神が宿るというアミニズムにも似た神道がある。アニミズムと異なるのは神が宿る対象が自然だけではなく、日常生活のあ...

変調百物語の第2弾。 このシリーズは江戸時代の市井の暮らしぶりを生き生きと描きながら、併せて当時の物の考え方や宗教観なども分かり易く表現している。 古来より日本には万物に神が宿るというアミニズムにも似た神道がある。アニミズムと異なるのは神が宿る対象が自然だけではなく、日常生活のあらゆる物が対象である点だ。従って当然家屋のような建物にもそれは存在していて不思議はなく、本作の「くろすけ」の話などもその一つだ。現代なら「馬鹿馬鹿しい」と一笑に付されるだろうが、当時の宗教観であれば「そういう事があるかも」と納得するのだ。江戸時代ともなれば科学的な思考も一般庶民に少しずつ芽生えている中で、原初的な思想と科学が微妙なバランスでないまぜになっている時ではないだろうか。 そういう時代を舞台に百物語を聞くというこのシリーズは、ほど良い不気味さと謎と日常が上手くブレンドされている作品だと思う。 この第2弾で登場人物も更に増えておちかの周辺が賑やかになってきた。次作もまたこの独特な雰囲気を楽しみたい。

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2023/06/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

三島屋変調百物語の第二弾。シリーズ物は同じ作家さんの本を続けて読まないのモットーに反してしまうため、なるべくあけて読むようにしているんだけど、ましてや宮部みゆきである、面白そうな本とみるとつい遭遇してしまうから困る。 宮部さんの本はだいぶんと読んだが、時代物が得意で特に怪談めいたものは実に上手い。 今回の話でもおどろおどろしたものからほっこりしたもの、人情話も織り交ぜてあるから飽きなく読めてしまう。シリーズ全編を通して徐々に主人公なるおちかの心境も変わってくるようになり、それに伴って仲間が増える。単なる100物語が多くの人を巻き込んでいく流れになっており、また近々第三弾も読みたくなる。今回のタイトルもなぜこの名前に?って思っていたが、ああ、なるほど”あんじゅう”だ。しんみりした話の様でよくよく考えるとぞっとする。そういう読ませ方がまた上手い。特別面白いってわけでもないから安定の星3。

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2017/01/30

三島屋百物語シリーズ第二弾。4つの短編からなる一冊。 主人公のおちか自身は過去を乗り越えて一区切りがついた状態で始まっているが、まだ心の靄を飼ったままではある。 私のおすすめは「暗獣」。くろすけが可愛い。けれどくろすけと共存することはできない。なんてなんというジレンマ。 くろすけ...

三島屋百物語シリーズ第二弾。4つの短編からなる一冊。 主人公のおちか自身は過去を乗り越えて一区切りがついた状態で始まっているが、まだ心の靄を飼ったままではある。 私のおすすめは「暗獣」。くろすけが可愛い。けれどくろすけと共存することはできない。なんてなんというジレンマ。 くろすけの可愛さだけでも堪能してください。

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2016/11/05

11月-1。3.5点。 三島屋おちかの百物語、第二巻。 館に住む妖怪、あんじゅうが切なくて哀しい。 相変わらずの面白さ。安定している。 ニューキャラも増え、今後も楽しみ。

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2016/08/17

なぁ、くろすけよ。おまえは再び孤独になる。だが、もう独りぼっちではない。私と初音は、お前がここにいることを知っているのだから。 こんな優しい別れの言葉があるんだ。 母が「昔ウチで飼っていた犬を思い出すよ」と言っていたので読んでみた。確かにくろすけが犬っぽい。 毎度引き込まれ...

なぁ、くろすけよ。おまえは再び孤独になる。だが、もう独りぼっちではない。私と初音は、お前がここにいることを知っているのだから。 こんな優しい別れの言葉があるんだ。 母が「昔ウチで飼っていた犬を思い出すよ」と言っていたので読んでみた。確かにくろすけが犬っぽい。 毎度引き込まれる宮部ワールド。

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2016/07/26

読売新聞の連載で読んでいたが、まとめてよむとより深く、楽しめた。そもそも連載中は前の話を知らなかったので、主人公の背景とかあいまいなまま読んでいたし。

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2016/02/16

「おそろし」の続編。 「おそろし」は、かなり前に読んでいるので、どんな展開だったから?と、考えてしまう。 「おそろし」よりも、ほのぼのとした怪奇譚。 全編に通じて思うのは、人間の悪。 怪奇な者たちは、人間がいて、人間の悪があるからこそ、生まれ、濡れ衣を着せられる布ではないかと。...

「おそろし」の続編。 「おそろし」は、かなり前に読んでいるので、どんな展開だったから?と、考えてしまう。 「おそろし」よりも、ほのぼのとした怪奇譚。 全編に通じて思うのは、人間の悪。 怪奇な者たちは、人間がいて、人間の悪があるからこそ、生まれ、濡れ衣を着せられる布ではないかと。 「逃げ水」のお旱りさんも、「藪から千本」のお花ちゃんも、「暗獣」のクロスケも、「吠える仏」の豊一も、気の毒になる面が多い。 結局、人間が一番怖いのだ。 『おまえは孤独だが、独りぼっちではない。おまえがここにいることを、おまえを想うものは知っている。離れてはいても、仰ぐ月は同じだ。眺める花は同じだ。離ればなれになっても、それを支えと慰めに、生きていこう』 『人は変わる。いくつになっても変わることができる。』 『人の幸せは、他人の妬みを引き寄せる』 『心の暈は、闇から生まれ、闇を招く。』 クロスケに会ってみたくなった。 かわいいクロスケ。 でも、自分は、怖がらずに接することはできないと思うけど。。。(笑) クロスケが安らかでありますように。

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2015/05/25

一度にひとりずつ、一話語りの百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。彼女のもとに不思議話を携えて様々な人がやってくる。ある日、おちかは本所亀沢町の手習所“深考塾”の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」と呼ばれる空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。それは、“深考塾”の大先...

一度にひとりずつ、一話語りの百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。彼女のもとに不思議話を携えて様々な人がやってくる。ある日、おちかは本所亀沢町の手習所“深考塾”の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」と呼ばれる空き屋敷にまつわる不思議な話を聞く。それは、“深考塾”の大先生である加登新左衛門・初音夫婦と、草鞋に似た真っ黒な固まりである暗獣“くろすけ”との交わりであった。人を恋いながら、人のそばでは生きられない“くろすけ”とは…。表題作をはじめ4話収録。

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2014/03/08

「おそろし」の続編。 相変わらず三島屋の黒白の間で面妖な話を聞いているおちか。 ただ、少しだけ外への世界が広がったようです。 タイトルの「あんじゅう」は黒くてすべすべしていてあまり賢くないけど悪さなどはしない生き物。 このお話はずっと読んでいたかったなぁ。 ほっこりやさしくなれる...

「おそろし」の続編。 相変わらず三島屋の黒白の間で面妖な話を聞いているおちか。 ただ、少しだけ外への世界が広がったようです。 タイトルの「あんじゅう」は黒くてすべすべしていてあまり賢くないけど悪さなどはしない生き物。 このお話はずっと読んでいたかったなぁ。 ほっこりやさしくなれるお話でした。

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