分析哲学講義 の商品レビュー
分析哲学の基礎が考え方から上手くまとめて進んでいく作風は著者の高い力量を感じます。但し最後の時間についての今があるのかの議論は不毛な印象を受けました。物理学のエントロピーもでてきて物理学ではもう少し深いです。分析哲学で扱う範囲を中心に詳しく展開してもらいたかったです。発展的になら...
分析哲学の基礎が考え方から上手くまとめて進んでいく作風は著者の高い力量を感じます。但し最後の時間についての今があるのかの議論は不毛な印象を受けました。物理学のエントロピーもでてきて物理学ではもう少し深いです。分析哲学で扱う範囲を中心に詳しく展開してもらいたかったです。発展的にならないと一般の読者はついていけないです。
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山口大学の准教授である著者による「分析哲学の専門書。 講義の形式をとっており、順番に話が進んでいくためついていきやすい。しかし、そもそものテーマが哲学で抽象度が高いため非常に難解。目が滑る箇所が多かった。 理解できた内容は半分程度だったが、それでも面白い本だと思う。 分析哲学...
山口大学の准教授である著者による「分析哲学の専門書。 講義の形式をとっており、順番に話が進んでいくためついていきやすい。しかし、そもそものテーマが哲学で抽象度が高いため非常に難解。目が滑る箇所が多かった。 理解できた内容は半分程度だったが、それでも面白い本だと思う。 分析哲学とは、言語の働きの解明を通じてさまざまな問題に答えるものである。 私たちは、何を論じるにも観察するにも、言語に依存している。分析哲学はこの言語を徹底的に掘り下げる。その意味であらゆる哲学やあらゆる思考と、科学や倫理や芸術と、連続的なものである。 分析哲学は開かれた学問であり、本書が取り扱うテーマだけでも、「言語の構造の分析」「言語の使用に関する分析」「形而上学的「心の哲学」「哲学的時間論」と非常に広範。 分析哲学はすなわち「考えること」そのものに関わる活動なのだ。 個人的には、新しい範囲の専門知識でありながら、それが色々な考え方や概念と根底で繋がっているという感想を受けた。 難解ではあるが、トライする価値はある本だと思う。
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2年越しくらいの再読。初めて読んだときに、何が何だかわからなかったところが、今回でちょっとは明らかになったように思う。 個人的な関心が影響しているのだろうが、4〜6章の部分が退屈だった。しかし、その退屈さを乗り越えると、7章のクリプキの様相論理学の話から視界がひらけてくる。それ以...
2年越しくらいの再読。初めて読んだときに、何が何だかわからなかったところが、今回でちょっとは明らかになったように思う。 個人的な関心が影響しているのだろうが、4〜6章の部分が退屈だった。しかし、その退屈さを乗り越えると、7章のクリプキの様相論理学の話から視界がひらけてくる。それ以降も、とっつきやすい議論が続く(心の哲学や時間、自由など)。 またいろいろ読んだ後に、その理解度を確かめるために、戻ってきてもいいかもしれない。
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初めて、まとまって分析哲学について学ぶ。 それぞれの哲学者の言説に触れたことはあったが、それらがどのような背景に位置付けられるか、本書で理解が可能である。
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言語や概念の分析を通じて世界を捉える「分析哲学」の講義形式の入門書。本書は、単なる哲学史の解説ではなく、「意味はどこにあるのか」「心と身体はどうやって作用し合うのか」「「今」は本当に存在するのか」といった哲学的問題をベースとしたまさに「哲学」の入門書となっている。 ただ、著者は「...
言語や概念の分析を通じて世界を捉える「分析哲学」の講義形式の入門書。本書は、単なる哲学史の解説ではなく、「意味はどこにあるのか」「心と身体はどうやって作用し合うのか」「「今」は本当に存在するのか」といった哲学的問題をベースとしたまさに「哲学」の入門書となっている。 ただ、著者は「本書を読むにあたって、予備知識はとくに必要ありません」と言っているものの、自分の理解力が乏しいためか、本書の内容は半分も咀嚼できたとは言い難い。最後の方で取り上げられている「分岐問題」など、何が問題なのかさえよくわからなかった。
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以前にも読んだことがあるのだが、どうも内容は忘れてしまった。しかし、この今、爽快感が残っている。明日にも忘れてしまいそうだが。 巻末に文献を詳細に載せてあるので、その意味でも利用価値があるかもしれない。 参考までに、「意味」と「同一性」がキーワードらしい。
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単語、文章、テキスト全体は、何を指し示すことができるのか?論理とは何か?言語と論理の関係は?意味とはどのような場に発生するのか?。等々、じっくり読めばいろいろとおもしろく勉強できる本。でも読後半年の今、内容はほとんど忘れてしまった。また機会があれば再読したい。
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時間論の分岐の問題が特に面白かった。 自明と思っていることも分析されていくと、日頃いかにあいまいなままなんとなく受け入れているんだなと感じた。 アキレスと亀のパラドックスとかに近いのかもとも思ってしまったけれど。
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分析哲学も、一般の読書人向けの入門書が乏しい分野だという印象があります。大庭健の『はじめての分析哲学』(産業図書)や、冨田恭彦の小説形式の本はたしかに読みやすいのですが、とりあげられているテーマに偏りがあって、分析哲学全般の入門書とは言いがたいところがあります。とくに可能世界意味...
分析哲学も、一般の読書人向けの入門書が乏しい分野だという印象があります。大庭健の『はじめての分析哲学』(産業図書)や、冨田恭彦の小説形式の本はたしかに読みやすいのですが、とりあげられているテーマに偏りがあって、分析哲学全般の入門書とは言いがたいところがあります。とくに可能世界意味論の登場以降の動向も踏まえた入門書というと、本当にかぎられてくるように思いますが、本書はその貴重な一冊です。八木沢敬の『分析哲学入門』三部作(講談社選書メチエ)に比べるとかなり読みやすいのですが、それでもクリプキの「本質」理解の検討をおこなっている第7講の議論は相当に難しく感じました。 第6講では、言語ゲームの実践における人々の行動の無根拠な一致がわれわれの生活の底板を形成していることに着目して、それを「原初的自然」と呼び、この「自然」とクワインの認識論の自然化がめざす自然科学的な「自然」との関係について考察がおこなわれています。著者は、ウィトゲンシュタインの私的言語批判の議論を参照しつつ、言語が私的な心の領域から公共的な領域へと移行することで問題が解決したのではなく、公共的な領域でこそ規則のパラドクスが考慮されなければならないと指摘します。これによって、ベタな行動主義との違いが定められることになるのですが、さらに著者は、人びとの行動の無根拠な「一致」がまさに「一致」として記述されるのは、その記述自体がベタな行動主義と同様の「非原初的な自然」の次元に属していることに依拠していると指摘し、「原初的自然に訴える議論は、非原初的な記述のもとでしか、理解可能な説得力をもちません」と主張します。 一方第9講は、著者の専門である時間論で、とくに時間対称的な物理的な世界観の中に「時間の矢」を見いだそうとする議論が、ひそかに日常的な時間の非対称性を密輸入してしまっていることを指摘する議論などは、興味深く読みました。
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