死の扉 の商品レビュー
歴史教師が殺人事件の犯人捜しに乗り出して見事な推理を見せるという、いかにも英国ミステリらしい作品。終盤にはハードボイルド風味も取り入れてるが、キャラクターの存在感とサスペンスに物足りなさを感じる。それでも半世紀以上前の本格ミステリが新訳で読めるのは嬉しい。
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誰からも嫌われていた婆さんが殺され、第一発見者の警官も殺される。誰もが動機と機会はあった。古き良きミステリ。でもトリックは面白く、まんまと騙された。会話のテンポが良く読みやすかったので、星4。
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古き良きミステリ。そしてジャケ買い。 敵が多すぎる被害者のばあさんと、動機がありすぎる容疑者たち。 事件解明に乗り出す教師キャロラインと悪がきルーパート。 あらゆる可能性を検証し、そこまでやるかというくらい小さなことまで潰していく。そして最後に残ったものは。 『フェアプレイで...
古き良きミステリ。そしてジャケ買い。 敵が多すぎる被害者のばあさんと、動機がありすぎる容疑者たち。 事件解明に乗り出す教師キャロラインと悪がきルーパート。 あらゆる可能性を検証し、そこまでやるかというくらい小さなことまで潰していく。そして最後に残ったものは。 『フェアプレイで謎解きを』とは帯の文言ですが、それに違わず丁寧すぎるくらいやってます。ラストに一同を集めて探偵が謎解きなんて、もう醍醐味、様式美ですよね。そこでもきっちり伏線を回収しています、ホント丁寧に。いや、いいんですよ、伝統芸能です。 個人的には、学校で生徒達がいかに教師を誘導して授業を脱線させようとするかのくだりが面白かったです。 あ、誤解なきように。もちろん本編は良質のミステリでした。このシリーズ、他も読みたいなと思っています。
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このレオ・ブルース、126冊も著作がある、という割には、マイナーなんじゃなかろうか。少なくとも私は、レオ・ブルースと聞いて、あれ?「三人の名探偵のための事件」の人だよね?と、それしか思いつかなかった。 人が、”英国ミステリ”に期待するものは、ちゃんと含まれ、収められている。 素...
このレオ・ブルース、126冊も著作がある、という割には、マイナーなんじゃなかろうか。少なくとも私は、レオ・ブルースと聞いて、あれ?「三人の名探偵のための事件」の人だよね?と、それしか思いつかなかった。 人が、”英国ミステリ”に期待するものは、ちゃんと含まれ、収められている。 素人探偵キャロラスとルーパート、というコンビは、探偵小説の伝統を継承しているように思えるし、他の登場人物たちのキャラクターも個性的で生き生きとしている。 ユーモア、ウィットにも不足はない。 捜査自体に派手さや目新しさはないし、「関係者全員集合」しての説明もお約束通りだけれど、英国ミステリのツボは押さえられている。 なるほど、長年入手困難で高値が付いていただけのことはある。 これを機にもっと訳されてもいい気がするがなあ。
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最近のミステリは装丁買いさせるわ~^^というわけで、可愛い名探偵と助手コンビの絵と、「死の扉」っていうタイトルのギャップに惹かれて購入^^ 今回の容疑者達は被害者を殺す動機がばっちりある上に、 動機以外にも自分に都合の悪いことを素人探偵にちょいと突かれる ↓ 呆気なく白状 ↓...
最近のミステリは装丁買いさせるわ~^^というわけで、可愛い名探偵と助手コンビの絵と、「死の扉」っていうタイトルのギャップに惹かれて購入^^ 今回の容疑者達は被害者を殺す動機がばっちりある上に、 動機以外にも自分に都合の悪いことを素人探偵にちょいと突かれる ↓ 呆気なく白状 ↓ こいつは犯人ではあり得ない! この図式が牧師から不良少年まで、幅広いキャラ設定の容疑者全員に延々繰り返されます^^これは若干冗長だったかな~ 途中で現れるミステリスキーのミステリ薀蓄や、凶器の持ち主の長広舌、やたら「耳」を多用する校長など脇枠のキャラがさらに面白いです。主役のキャロラスが影薄くなるようなキャラの濃さ。改めて考えたら、主人公…地味だな…。 キャラも地味なら探偵活動も地味に進めて、容疑者に話を聞けば聞くほど犯人候補が消えていくという状況に追い詰められたキャロラスの真相解明の糸口は、何ということでしょう。「閃き」です。これは…論理的じゃないじゃないの…とざわめいた私の気持ちは置いておいて、その閃きをもとに犯人を推理していく過程は非常にロジカルです^^ 証拠がないためにキャロラスが考えた捨て身の犯人あぶり出し手法も、二時間ドラマみたいでなかなか読み応えがあります(笑)。 地味な探偵活動、捜査過程で見えてきた新しい人物関係、犯人に命を狙われる探偵。そして最後はもちろん、「名探偵 皆を集めて さてと言い」。うーん、王道中の王道。これぞTHE・探偵小説。 キャロラスが示す真相の中身にゾッとしつつ、容疑者達が語った犯行当夜の各々の行動が綺麗に組み立てられていく作業は、読んでいて非常に心地良かったです。 小さな町で深夜発生した二重殺人。恐喝で有名な老婆が殺され、その死体を発見した巡回中の巡査が直後に殺されるというセンセーショナルな事件に立ち上がったのは、地元の学校の有名変人教師だった⁈ キャロラスは警察より早く犯人を指摘できるのか? そして、授業中に事件の話をせがむ生徒達の誘惑を断って、授業を進めることはできるのか?
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キャロラスはパブリックスクールの教師ですが、 親の残した財産があるので本来働く必要がなく、 純粋に好奇心から推理する正統派(?)探偵です。 これまでいろいろな探偵役の登場する小説を読んできましたし、 まだ私の知らない探偵像も沢山あると思いますが、 昔読書の中で出会った最初の探偵た...
キャロラスはパブリックスクールの教師ですが、 親の残した財産があるので本来働く必要がなく、 純粋に好奇心から推理する正統派(?)探偵です。 これまでいろいろな探偵役の登場する小説を読んできましたし、 まだ私の知らない探偵像も沢山あると思いますが、 昔読書の中で出会った最初の探偵たちはこんな感じだった気がします。 歴史と犯罪に強い興味を示し、 少し前に執筆した本がベストセラーになり、 友人の巡査部長が意見を求めに訪れる。 「相当額の不労所得があることが同僚達のやっかみの種」 という行がありますがこれも「粋な服装」と合わせてポイント高いです。 何でこんなに懐かしい感じがするんだろうと思っていましたが、 解説によると原書は1955年のイギリスで出版されたとのことでした。 納得。 容疑者が沢山いて、 皆何か隠すかうそをついている。 キャロラスはそういう長閑な町の隣人達を一人一人訪ねていって、 聞き出した事実をつなぎ合せて推理します。 トリック物のような犯行が可能だったのは誰かという推理ではなく、 言葉のパズルを楽しむ感じでした。 発想の転換で事件の様相ががらりと変わるところが醍醐味でしょうか。 いろいろ持ってて鼻持ちならない設定のキャロラスですが。 パブリックスクールの生徒達は彼の好奇心をよく知っていて、 歴史の退屈な授業を避けて事件の話に脱線させるべく、 一丸となってキャロラスに質問する場面が何回かあります。 キャロラスはまんまと乗せられる訳ですが、 そういう抜けた(お茶目?)なところが憎めない人物像になってます。
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ディーン・シリーズ 深夜の小間物屋で起きた殺人事件。町の人々に金を貸し、強請り恨みを買っていたエミリー。同じ現場で発見された巡回警官スラッパー。町の教師キャロラス・ディーンとプリグリーの捜査。事件直前にエミリーを訪ねた5人の容疑者。キャロラスの捜査の中であらわれる事実。死体を動かした犯人。容疑者たちのアリバイ。夫であるスラッパーの死を予言した妻コニーの秘密。エミリーと警官の関係。事件当日凶器になったかもしれない大工道具をエミリーの家に忘れたベイカー。警官であるベイカーの息子ジェフリーの謎。
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派手な展開よりもじっくり事件と捜査が進む物語です。 しかし、終盤になりある事実から全く違う風景が現れます。 面白かったです。
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殺人事件が起きる、素人探偵が聞き込みをする、一同を集めて推理する、という展開が王道の推理小説で気持ちいいです。 このミステリーの王道の展開を作中で登場人物たちが自分たちで揶揄しているのもニヤリとさせられます。 怪しい容疑者ばかりで行き詰ったところから、発想の転換でがらりと事件が様相を変えるのがおもしろい。 ユーモアある会話も楽しく、英国本格推理小説という雰囲気がとてもよかったです。 生意気な生徒のプリグリー、耳の大きな校長先生、ミステリマニアと登場人物たちも魅力的。 校長先生の説教を受けるキャロラスの場面には笑いました。 ぜひともシリーズを追いかけたい作品。
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魅力的な登場人物たちのウィットに富んだ会話が愉しい。これぞ英国ミステリ。特にミステリマニアな某キャラクターには思わずニヤリとさせられる。伏線やミスリードの使い方も上手く謎解きとしてもなかなか見事。これを期に、もっとレオ・ブルース作品の翻訳を!!
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