裏返しの男 の商品レビュー
事件そのものの真相自体は読んでればおおかた答えに辿り着けるので、あっと驚くような真相を期待しているとやや肩透かしですが、登場人物のキャラ立ちが優れていて良かったです。決しておかしいわけではないのに会話が軽妙でクスッときてしまう感じ、 特に美女と黒人青年と老羊飼いの珍道中(作中では...
事件そのものの真相自体は読んでればおおかた答えに辿り着けるので、あっと驚くような真相を期待しているとやや肩透かしですが、登場人物のキャラ立ちが優れていて良かったです。決しておかしいわけではないのに会話が軽妙でクスッときてしまう感じ、 特に美女と黒人青年と老羊飼いの珍道中(作中ではロード・ムーヴィーと称しているがどう考えてもそんな洒落たものではないのもまた粋)が楽しくてミステリー小説を読んでいるというのを忘れてしまっていました。
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待ち時間があったので図書館でぶらぶら。変な題名の背表紙をみつけた。 何が裏返っているのかな。男がうらがえって??どうなる? いつものように、まず解説を読むと、これはアダムスベルグ警視が主人公のシリーズもので、前作からこの作品が出るまで首を長くして待っていたとか。 そうなのか。...
待ち時間があったので図書館でぶらぶら。変な題名の背表紙をみつけた。 何が裏返っているのかな。男がうらがえって??どうなる? いつものように、まず解説を読むと、これはアダムスベルグ警視が主人公のシリーズもので、前作からこの作品が出るまで首を長くして待っていたとか。 そうなのか。CWA賞を三回、その第二弾、何もかも初めてお目にかかるのだけれど面白いかも。 やはり初見ではまだ友達とはいえない見ず知らずの警視より、気になるのは表題の裏返っている男だ。これは現実か比喩か、それとも両方か。 書名で選び、受賞歴で選び、最優先で読んだ。 まず、フランスの出来事。勿論殺人事件が起きるのだが、次々に牧場の羊が襲われるところから、イタリアからアルプスを超えてきた、野生の狼の仕業ではないだろうか。 ところが傷跡から並みの大きさの狼ではないらしい。 そこで、狼男の話になる、体に毛の無い男、人付き合いを嫌って山にすんでいる白くて毛の無いマサールだ。 そう決め付けた牧場主のシュザンヌが殺された。姿を消したマサールが怪しい。 彼の皮膚には裏がえすと狼の毛が生えているに違いない。 狼男の話はこうして始まる。 テレビでこのニュースを見たアダムスベルグ警部は、映っている木陰の後姿はかっての恋人カミーユではないだろうか。テレビににじり寄って確かめるがはっきりしない。 カミーユはそこにいた。カナダ人でグリズリー研究家、今は狼について調べている恋人と一緒に。 彼女は作曲家で、修理工。工具をバッグに詰めてめて出かけていく。死んだ友達のシュザンヌに頼まれトイレの配管を直したりする。最後のボルトを閉めるまでそこを動かない、読んでいてちょっとウフフとなる。 羊は次々に殺され、マサールは依然見つからない。 マサールの小屋から見つかった地図に羊が襲われた地点にしるしがあった。家畜運搬車を改造して後を追う。先回りして羊殺しを未然に防ぐこと。 運転はカミーユ、同乗は殺されたシュザンヌの養子と老羊飼い。 しかし敵もさるものなかなか尻尾が掴めず、ついに警部の登場となる。特異な感覚と推理で活躍する警部が到着して事件が解決に向かう。 羊が殺されたり殺人もあったり、残虐なシーンも多いが、作風としては落ち着いた描写で読みやすい。会話は機智に富んで面白い。 良質な作品だ。 初めて読んでみると、警部の登場まで、そしてカミーユたちの車が走り出すまでは、あまり変化を感じない。 だが三人の追跡行が始まると実に興味深く面白い、これが本領か。 まだ馴染みがないだけに、話に没頭して一気に読むというところまで行かなかった。 裏返しの男には曰くがあり、巧い具合に納得できる。 警部が命を狙われていたり、恋しいカミーユが思い切れなかったり、スパイスもちょっと効いていて、これならファンもいるだろうと思った。 シュザンヌが黒人の赤ちゃんを見つけて抱き上げ息子にすると宣言するところ、女性作家ならではの情感があふれ、赤子の様子もとてもかわいい。 ちょっと時間はかかったが、風邪で休養中にはこのくらいの刺激がちょうどいいかもしれない。 機会があれば一作目も読んでみたいと思う。
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アダムスベルグ警視の新刊が出たが、第2弾の本書をまだ読んでいなかった。 フランスの山村で歯形の残る羊の死骸が次々に発見され、ついには同じ歯形のついた人間の遺体も。被害者はある男を狼男だと主張していたらしいが… 前半は被害者の仇討ちをしようと狼男の後を追う男たちと、それに巻き込まれ...
アダムスベルグ警視の新刊が出たが、第2弾の本書をまだ読んでいなかった。 フランスの山村で歯形の残る羊の死骸が次々に発見され、ついには同じ歯形のついた人間の遺体も。被害者はある男を狼男だと主張していたらしいが… 前半は被害者の仇討ちをしようと狼男の後を追う男たちと、それに巻き込まれたアダムスベルクの元恋人がロードムービーを繰り広げる。アダムスベルクは後半から事件に合流するが、主要人物みんな個性的で面白く、禅問答のような会話がいい。
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フランスの山で羊が殺される事件が多発。どうも、狼にしては歯形でかすぎ、狼男の仕業らしいわよ。 アダムスベルグ警視の冠が付いた作品だが、なかなか物語に参加してこない。ところがやっぱり、元恋人が事件にかかわっているのを知り、水面下で超動いていた。別の事件で命を狙われているのに。命より...
フランスの山で羊が殺される事件が多発。どうも、狼にしては歯形でかすぎ、狼男の仕業らしいわよ。 アダムスベルグ警視の冠が付いた作品だが、なかなか物語に参加してこない。ところがやっぱり、元恋人が事件にかかわっているのを知り、水面下で超動いていた。別の事件で命を狙われているのに。命より元恋人。前作では雲のような存在だったカミーユ(元恋人)が主軸の一人として話は動く。カミーユは普通だ。自分よりはるかに年上の男が自分に何も知らせず、水面下で動き回ってたら気持ち悪くてしょうがない。しかしその捜査事態は尊敬している。
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決してハデじゃない佳作、このシリーズいい味だしてるわー。 前作『青チョークの男』では名前だけだった主人公アダムスベルグの元カノ、カミーユが登場、本作ではほぼ主人公の座に座る。 またしても田舎が舞台、カミーユ他2名は動物運搬トラックで犯人を追う。 獣臭いロードミステリー。 ミ...
決してハデじゃない佳作、このシリーズいい味だしてるわー。 前作『青チョークの男』では名前だけだった主人公アダムスベルグの元カノ、カミーユが登場、本作ではほぼ主人公の座に座る。 またしても田舎が舞台、カミーユ他2名は動物運搬トラックで犯人を追う。 獣臭いロードミステリー。 ミクロな作り込みがすばらしい。 臭いを想像させたり口癖を繰り返したりすることによって、光景を感じ、人となりが見える。 アダムスベルグに親近感覚える……。アダムスベルグの直感についてもうちょっと何か書いてくれると。 変人を排除しないですべて包み込む暖かさは、フランスらしさかな。
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探偵役の警視のキャラが良い。 都市と山村部の生活格差は、いずこも同じなのだなと思った。 日本だと、仏は、文化観光の国のイメージが強いけれど、実はベースは農業の国であるらしい。
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自分では体験できない物語を仮想体験できる!っと喜んで選別したんです。 なんでしょう?登場人物の個々の性格によるものでしょうか。たんたんと。たんたんと、たんたんと物語が進行してゆく感じ。 『こんな展開待ってました〜!』といった展開はありませんでした。 活字好きとしておもしろ...
自分では体験できない物語を仮想体験できる!っと喜んで選別したんです。 なんでしょう?登場人物の個々の性格によるものでしょうか。たんたんと。たんたんと、たんたんと物語が進行してゆく感じ。 『こんな展開待ってました〜!』といった展開はありませんでした。 活字好きとしておもしろかったのは、日本人作家さんでしたら使わないだろう日本語が見られること♪
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フランスの人気女性作家フレッド・ヴァルガスのユニークなミステリ。 「青チョークの男」に続くアダムスベルグ警視シリーズ。 どこか文学の香りがする、そしてロードムービーの要素もあります。 フランス南部の山間の村で、羊が狼に襲われる事件が続いた。 カナダから来ている研究者ローレンスは...
フランスの人気女性作家フレッド・ヴァルガスのユニークなミステリ。 「青チョークの男」に続くアダムスベルグ警視シリーズ。 どこか文学の香りがする、そしてロードムービーの要素もあります。 フランス南部の山間の村で、羊が狼に襲われる事件が続いた。 カナダから来ている研究者ローレンスは噛み痕から、その巨大さに驚く。 このローレンス、音楽家のカミーユと村で同棲中。 カミーユは、美しく聡明で自由な、実はアダムスベルグ警視の運命の女。 カミーユの友人の牧場主スザンヌまでが、狼に襲われる。 狼男のしわざだという噂が立ち、噂された男は遁走。 本当に狼男なのか?あるいは本人がそう思い込んでいるのか‥妙な形跡を残していく。 スザンヌが育てていた捨て子の若者ソリマンと、老羊飼いのハリバンは、男の行方を突き止めようとし、カミーユにトラックの運転を頼む。 異国の長い名前をもつ黒人青年と、一徹な老人と、小柄な美女が大型トラックを運転して山道を走る珍道中が始まった。 アダムスベルグは管轄が違うのだが、勘が働いて近くまでやって来る。 警察組織の捜査物ではなく、運命の出会いと天才的な勘で展開する物語。 推理の根拠になるようなことは、ちゃんと出ているんですけどね。 アダムスベルグは何しろ捜査方法を自分でも説明できない、ただすべてを宙に浮かべていると、ある日、真相に到達するという。 結果を出すのでパリに赴任していたが、元は山育ちの自然児だった。 カミーユとの関係などは、前作を先に読むことをオススメします。 豊かなイメージと奔流のような文章、捻った面白さを堪能しました!
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全体を通していえるのは、面白くなかったっていうことかもしれない。。。 でも肝心の謎も結構練られているし、筋としては面白いはずなんだけれど、どうしてなんだろう・・・。 翻訳のせいかなあ、とかいろいろ考えてみたのですが、多分、登場人物に全く愛着がわけなかったせいかもしれません。。特に...
全体を通していえるのは、面白くなかったっていうことかもしれない。。。 でも肝心の謎も結構練られているし、筋としては面白いはずなんだけれど、どうしてなんだろう・・・。 翻訳のせいかなあ、とかいろいろ考えてみたのですが、多分、登場人物に全く愛着がわけなかったせいかもしれません。。特に主役の方々・・・。もしくはメイン登場人物が多すぎて、意識が散漫になってしまったから? うーん、よく分からないけど、私は途中で全部飛ばし読みして、ほとんど最初と最後しかちゃんと読みませんでした。。
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フランス南部の山村各地で羊殺しの被害が発生。事件が展開するに連れ、単なる家畜被害では済まなくなり、人間にも被害者が。歯形からはとてつもなく大きな狼と見てとれるが、狼男による仕業ではという妙な噂が流れる。はたして真相は、という物語。 登場人物の特徴は際立っているのだが、絡みが不自...
フランス南部の山村各地で羊殺しの被害が発生。事件が展開するに連れ、単なる家畜被害では済まなくなり、人間にも被害者が。歯形からはとてつもなく大きな狼と見てとれるが、狼男による仕業ではという妙な噂が流れる。はたして真相は、という物語。 登場人物の特徴は際立っているのだが、絡みが不自然でぎこちなく感じた。物語の進行も直線的すぎて自分としては星二つ。 調査を進める素人集団の拠り所も盲目的で、なんだがしっくりこず物語に入りこめなかった。
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