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効率と公平を問う の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2013/06/15

効率性と公平性について経済学の観点から論じている。豊富なデータに裏付けられた手堅い議論をしており、日本の所得再分配政策を考えるうえではずせない良書。特に、効率性と公平性の観点から教育を論じた第4章が興味深かった。

Posted byブクログ

2012/10/21
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素人でも興味深く読めました。 特に税金や社会保障だけでなく、教育などの公共サービスも資産の再配分の一つとして効率性と公平性の観点で紐解いていくのがおもしろく感じました。 税金や社会保障の話もたくさん取り上げられていますが、よく言われる先の世代に先送りという話も、様々な客観的根拠をもって説明されると、非常に納得すると同時に危機感を禁じえないですね。

Posted byブクログ

2012/07/14

初心者にもわかりやすい内容であり非常にわかりやすい。 経済学を効率性と公平性をいう観点からひも解いており、教育、格差、社会保障、年金など様々な視点から切り取っている。

Posted byブクログ

2012/03/14
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※このレビューにはネタバレを含みます

 基本的な経済学の考え方に立脚して、効率性と公平性をどう両立させていくかということを、所得再分配・教育・世代間格差といった社会問題について考えた本。一般向けに書いたと著者が言うように、数式はほとんど出てこないし、分かりやすい内容になっている。  基本的な構成としては、第1章はイントロダクション的な内容で、経済学では効率性と公平性がどのように扱われているかを解説ている。  第2章では伝統的経済学の枠組み以外の視点も取り入れて、効率性・公平性の問題を扱っている。特に個人的に興味深かったのは、脳科学の分野の研究まで紹介されていたことだ。  第3章ではジニ係数の検証を中心として、日本の格差問題の本質を説明している。それによると、再分配によって格差が解消されているのは高齢化による影響で、年齢階層内での格差是正はほとんど行われておらず、高齢者層で集中して起こっている。また、高齢者層の所得格差是正は、現役世代からの所得移転による「底上げ」によるものがほとんどで、高齢者層内での格差是正は限定的であるという。  第4章では教育における格差を論じており、結論としては学校教育の影響よりも、家庭の貧困が、貧困の再生産につながってしまうとしている。  第5章では社会保障の問題、特に年金の公平性が論じられている。  全体を通して、「効率と公平」の問題を考えるために必要な枠組みを読者に与えてくれる内容になっている。近いうちに再読したいという読後感を持った良書であった。  (ただ78ページの図中の中の「純受益」は「純負担」の間違いではないかな。このままだと社会保障給付が大きくなればなるほど「純受益」がマイナスになってしまうので)

Posted byブクログ

2012/01/31

 本書は、一般にトレードオフと言われている効率性と公平性についての経済学的知見を提示したものである。  第一章では経済学から見た効率性と公平性についての考察について書かれており、第二章以降ではそれらに関連した最近の研究(例えば幸福について)や、効率性と公平性を伴う最近の話題(例...

 本書は、一般にトレードオフと言われている効率性と公平性についての経済学的知見を提示したものである。  第一章では経済学から見た効率性と公平性についての考察について書かれており、第二章以降ではそれらに関連した最近の研究(例えば幸福について)や、効率性と公平性を伴う最近の話題(例えば再分配の問題や教育に関することについて)の解釈を提示している。  本書は以下の点で有用である。  まず、効率性と公平性という昔から重要な論点であるこの分野について真っ向から説明を試みた点である。今までこの分野に関してダイレクトに説明を試みた本は(私の知る限り)ほとんどない。同時に、この分野は(特に現代において)関心を集めている分野であり、そのような点でも価値あるものである。それだけではなく、この本はそのチャレンジングな説明を試みているが、明快且つ説得力を伴う説明を行っており、内容としても評価できる。  次に、最新の研究の紹介や、筆者自身の(本書の分野に関わる)研究が多く紹介されている点である。一般向けに書かれている本でありながら、経済学を学ぶ者にとっても有益な情報が多くつまっているように思われる。  一方で、以下の点に留意が必要である。  はじめに、筆者自身の研究を至る所で紹介しているが、筆者である小塩氏の研究は、一般の研究に比べてやや極端な仮定を儲けた上で理論値を推定しているものが多く、そのようにして出た結果に関しての解釈は、幾分慎重になる必要がある。具体的には、①仮定が現実とどれくらいマッチしているか(あるいはかけ離れているか)を見定める必要が本来あり、②導きだされた理論値は設けた仮定によるものであるから、その仮定が現実から離れていれば定量的な解釈は意味をなさず、定性的な側面を知る事しか出来ない。本文ではそのようなリスクに関して(若干の言及はあるものの)あまり注視されておらず、特に定量的解釈に関しては果たして本当にそれでいいのかを見極める必要がある。少なくとも、鵜呑みは危険である。  次に、第一章の内容と、第二章以降の内容の結びつきが些か不明確である点である。おそらく筆者の頭の中ではしっかり結びつきがある上で議論をしているため、内容としては整合的ではあると思われるが、明確な結びつきを表現できていない。従ってこの結びつきに関しても読者にゆだねられるものかと思われる。  それから、本書はあくまで経済学的視点からの効率と公平の議論であって、効率と公平の総合的な議論ではない点は留意すべきである。  以上のような留意点もさることながら、私の全体的な評価としては、とても面白く、且つ有益な一冊であったように思われた。ここ半年で一番面白い本だった。社会科学を勉強・研究されている様々な人に是非読んでいただきたい。

Posted byブクログ