印象派という革命 の商品レビュー
前回までの記事では「日本ではなぜゾラはマイナーで、ドストエフスキーは人気なのか」を様々な面から考えてみましたが、今回はちょっと視点を変えてゾラとフランス印象派絵画についてお話ししていきます。 私はゾラに興味を持ったことで印象派絵画に興味を持つことになりました。 それとは逆に、印象...
前回までの記事では「日本ではなぜゾラはマイナーで、ドストエフスキーは人気なのか」を様々な面から考えてみましたが、今回はちょっと視点を変えてゾラとフランス印象派絵画についてお話ししていきます。 私はゾラに興味を持ったことで印象派絵画に興味を持つことになりました。 それとは逆に、印象派絵画に興味を持っている方がゾラの小説につながっていくということもあるかもしれません。ぜひともおすすめしたい記事です
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現代の私たちに最も知名度があり受け入れられている印象派のアウトプットが、宮廷画家から美術アカデミー・サロンとくる保守本流の流れのなかで、いかに異端であったか、よくわかった。書名の通りまさに革命。 また、この時代の画家達の、例えば現実をそのまま描くこと、社会の闇を描くこと、約束ご...
現代の私たちに最も知名度があり受け入れられている印象派のアウトプットが、宮廷画家から美術アカデミー・サロンとくる保守本流の流れのなかで、いかに異端であったか、よくわかった。書名の通りまさに革命。 また、この時代の画家達の、例えば現実をそのまま描くこと、社会の闇を描くこと、約束ごとを破って描くことは、既存の絵画解説でもよく指摘されることではあるが、当書では、フランスの歴史の流れの中で、もしくは当時の社会の中でそれらのムーブメントを語っているため、より理解が深まる。なぜ歴史に残ったのかも理解できた。 もちろんヨーロッパ社会も変わりつつあったため新しいうねりが定着したわけだが、アメリカ社会の新たな隆盛も印象派にとって追い風だったことは、なるほど、と。新興勢力にとって新興芸術はとても相性が良いようだ。 加えて ・印象派の面々が極めて濃厚な関係性にあったこと。しかも、少なくとも当書での紹介では、それが良性で上品な関係性であったこと ・自分が勉強不足で寡聞にして知らなかった重要な女流画家 を知ったことが、当書の収穫。
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タイトルからも分かるように印象派の歴史と当時の画家の特徴がとてもよくまとめられている。 巻頭に111枚もの作品の写真が掲載されており、本文を読みながら該当の作品を見ることが出来るのがありがたい。 印象派についての概要を知るのにとても適した本だと思う。 歴史だけでなく、著者の作品に...
タイトルからも分かるように印象派の歴史と当時の画家の特徴がとてもよくまとめられている。 巻頭に111枚もの作品の写真が掲載されており、本文を読みながら該当の作品を見ることが出来るのがありがたい。 印象派についての概要を知るのにとても適した本だと思う。 歴史だけでなく、著者の作品に対する考察も勉強になった。
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なかなかよかったと思います。 私も印象派の絵画は大好きな部類の絵ですが。 なぜ日本人は印象派が好きなのかという解説の序章から フランス近代絵画に至るまでの歴史と流れ、 特にアカデミーとサロンの成り立ち、またその特性 の解説を簡潔に整理してあり、ここまでがベースとして の内容があり...
なかなかよかったと思います。 私も印象派の絵画は大好きな部類の絵ですが。 なぜ日本人は印象派が好きなのかという解説の序章から フランス近代絵画に至るまでの歴史と流れ、 特にアカデミーとサロンの成り立ち、またその特性 の解説を簡潔に整理してあり、ここまでがベースとして の内容があり。そのあと各画家についての解説という 流れと配分がなかなかいいと思います。この本1冊で 大枠の流れがよくわかる本の構成になっていると 思います。 エドワードマネから クロードモネ。ルノワール。エドガードガ。 ベルトモリゾ。メアリーカサット と印象派の主たる、みんな繋がっている仲間の画家 の解説(作品・歴史・考え方・関係性など)と、 巻頭にそこでの作品のカラー口絵があって非常に 分かりやすいと思います。 ここにセザンヌがあればなあと思ったりしますが。。
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序章【なぜ日本人は「印象派」が好きなのか】に納得する。それまでの西洋の絵は、感性で「観る」ものでなく、知性で「読む」もの。日本のようにそのままの自然を描くのではなく、神話や宗教のシーンを使って理想を描くもの。西洋の歴史や文化を知らずには、ピンとこないのも仕方ない。が、せめてそういうものだということは知っておきたい。 第一章はフランスの美術史、第二章以下は、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、ベルト・モリゾと、著名な画家の人生が書かれている。印象派とひとくくりにされている中でも、それぞれの目指すことが違っていたこと、各人が家族ぐるみの付き合いをしていたこと、フランスの階級社会の様相など、興味深かった。 「恋愛美術館」西岡文彦著と同じ人物の紹介も多いのだけれど、こちらの本のほうが淡々とした文。絵が、小さいながらも、ぜんぶカラーなのも良かった。
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第一章で印象派が登場するまでのフランスの美術史を手際よく解説し、貴族からブルジョワジーに社会の主権が移っていくにつれて、印象派が広まっていったことがよくわかる。二章以降は、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、モリゾとカサットと、代表的な画家の生涯と作品の変遷についての解説が続く。口絵に...
第一章で印象派が登場するまでのフランスの美術史を手際よく解説し、貴族からブルジョワジーに社会の主権が移っていくにつれて、印象派が広まっていったことがよくわかる。二章以降は、マネ、モネ、ルノワール、ドガ、モリゾとカサットと、代表的な画家の生涯と作品の変遷についての解説が続く。口絵に、たくさんのカラー図版が掲載されており、文中に引用がある都度、眺めるのが楽しいが、出来れば、もっと大きなサイズの図版にして欲しかった。モリゾとカサットのところが一番面白かった。
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以前、パリに行ったときオルセー美術館に行きました。 素晴らしいな~と漠然と思ってみたものの、この本を知り、読み、たまたま開催中のオルセー美術館展を観に行ったところ、絵が語りかけてくる気がしました。 歴史を知ることで観かたが全然違うんだなと。 この木村氏の本は、絵に対して非常に興味...
以前、パリに行ったときオルセー美術館に行きました。 素晴らしいな~と漠然と思ってみたものの、この本を知り、読み、たまたま開催中のオルセー美術館展を観に行ったところ、絵が語りかけてくる気がしました。 歴史を知ることで観かたが全然違うんだなと。 この木村氏の本は、絵に対して非常に興味が沸く本です。 また絶対オルセーに行ってみようっと。
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オルセー展ガイドにあたって何冊か印象派関連の書籍にあたったけれど、一番ためになった。印象派が誕生するまでの美術界の流れと、印象派の作家が個別に語られている構成がわかりやすかった。 古典だと思って半ば軽視していた印象派が新鮮で、ガイドでもこの喜びが伝わるように話したいな☆
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印象派と呼ばれている画家 マネ、モネ、ルノワール、ドガはある程度知っていたが、女性のモリゾとカサットの話は非常に興味ある内容だった.112枚の口絵を絡めた本文の展開は、著者の広範な知識がほとばしるもので、楽しく読めた.口絵では既知のものがかなりあったが、歴史的な背景や作家の家庭環...
印象派と呼ばれている画家 マネ、モネ、ルノワール、ドガはある程度知っていたが、女性のモリゾとカサットの話は非常に興味ある内容だった.112枚の口絵を絡めた本文の展開は、著者の広範な知識がほとばしるもので、楽しく読めた.口絵では既知のものがかなりあったが、歴史的な背景や作家の家庭環境などを含めた解説で更に深い理解ができたと思っている.
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この人の本は色々読んだしもういいかな、と思っていたが、印象派というカテゴリーに絞っているので手に取ってみた。話の使い回しを予想していたのだが、時代背景に詳しく、全く新しい本だった。 なぜ日本では印象派だけあんなに流行っていたのだろうか、とずっと思っていた。宗教性が(一見)ない、というのが大きな理由かと考えていたが、睡蓮など、花鳥風月に親しんできた日本人が好む絵の題材にも理由があるのだと知った。 また、成金が増えたバブルの時代、お金はあるけど家柄がない人たちは、自分たちが文化教養に富んでいる人であることを示すため、絵を買いあさったという。人類の遺産であるゴッホの絵を棺桶に一緒に入れて燃やそうとしたことで、日本人の文化教養の乏しさが露呈することになるのだが。 「印象派は絵の謎解きがないし綺麗だから、純粋に美術として楽しむことができる」という話を聞いたことがあるが、印象派にも強烈なメッセージがあり謎解きが隠されている。そしてその背景があるからこそ、美術としての地位が確立されたのだと思った。「モネって見てるだけで心が癒される~、きれい~」という人に読んでもらいたい一冊。
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