快感回路 の商品レビュー
(立ち読みした程度での印象です) 私が依存症を克服する過程で得た感覚が、 理論的に説明されている感じを受けました。 もう依存症は克服しましたが、 依存的な精神構造が完璧に改善された訳ではありません。 今後のためにも、機会を作って読みます。
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なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのかと副題にあるが別にエッチな内容の本ではない。中身はほぼ脳科学、神経科学で入門書レベルなのだろうが理解するのはなかなかハードだ。 快楽というと何を想像する?しかし本書で取り上げられている快感回路の対象は多様である。各章の題名を紹介すると以下...
なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのかと副題にあるが別にエッチな内容の本ではない。中身はほぼ脳科学、神経科学で入門書レベルなのだろうが理解するのはなかなかハードだ。 快楽というと何を想像する?しかし本書で取り上げられている快感回路の対象は多様である。各章の題名を紹介すると以下の通り。 第1章 快感ボタンを押し続けるネズミ 第2章 やめられない薬 第3章 もっと食べたい 第4章 性的な脳 第5章 ギャンブル依存症 第6章 悪徳ばかりが快感ではない 第7章 快感の未来 脳に電極を埋め込んだネズミの実験がスタートだ。脳の部位ごとの機能を調べるための実験なのだが脳内の快感回路を刺激するレバーをつけたところそのネズミは他のことを全て無視してレバーを押し続けた。ある部位に電気信号が流れると神経軸を通じて信号が伝わりドーパミンが放出される。 ある経験がこの回路を作動させると快感と認識されこの回路は記録により強化される。犬のしつけを想像しよう。おすわりしたら餌を与える、この繰り返しにより犬はおすわりを覚えるのだがここには食事が快感回路を作動させるしくみが働いている。おすわりすることでドーパミンが放出することに期待しているのだ。快感回路は別名報酬回路という。 薬物などの依存症はいろいろな形でこの回路と関わっている。(正確には快感回路だけでは説明はできないらしい)直接ドーパミンと似た様な働きをするものや、ドーパミンの抑制を止めるものなど多岐にわたる。薬物に限らず依存症が進むとどうなるか、快感を求めて期待値は高まるが実は得られる報酬は減ってしまう。例えばニコチン中毒はタバコを吸うと15秒ほどで快感回路が回るが長続きしないという特性がある。またやめられないのも理由がある。習慣化することで快感回路を強化してしまっているのだ。禁煙しても強化された回路は比較的長く残るので何かのきっかけで依存症が再発してしまう。Wiredで紹介されていた対ニコチンウイルスはタバコを吸ってもニコチンが脳に届かず、報酬が得られないというものらしい。いくら喫っても満足しないようになるということのようだ。 ダイエットがむつかしいのも訳がある。脂肪から作られるタンパク質がこの快感回路を作動させできるだけ体重を一定に保とうと働いている。食事そのものも快感なのでこの誘惑に打ち勝つのは大変だ。 快感回路は恋愛、瞑想、ランニング、ゲームを1面クリヤーといったものや褒められたり達成感だったりとも結びついている。快感の反対は苦痛ではなく倦怠であり興味と感覚の欠如である。原始的な本能に近く生命活動の維持に必要なものなのだろうと思う。ただし依存がすぎなければだが。 原題は「 THE COMPASS OF PLEASURE 」だが内容からしてもうまい邦題だと思う。
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快感についての研究を分かりやすく紹介した本。 ・快感はどのように生じるのか。 ・耐性、渇望、離脱症状が起こり依存症になる過程はどのようなものか。 ・薬、食欲、性、ギャンブルの快感について。 ・スポーツや慈善活動、社会的評価、瞑想で得られる快感について が描かれている。 感想 ど...
快感についての研究を分かりやすく紹介した本。 ・快感はどのように生じるのか。 ・耐性、渇望、離脱症状が起こり依存症になる過程はどのようなものか。 ・薬、食欲、性、ギャンブルの快感について。 ・スポーツや慈善活動、社会的評価、瞑想で得られる快感について が描かれている。 感想 どの程度快楽を求めるか、どのような種類の快楽を求めるかは 本当に自分の判断で選べているのだろうか。 依存になりやすい素因、本書ででてくるような脳内ドパミン受容体の異常をもつものが、 薬物依存やギャンブル狂い、あるいは過食による肥満となった場合、 自己責任と断罪されることがほとんどだ。本当に自己責任なのだろうか。 幸いなことに、快楽は大脳皮質との連携させることができるようなので、 他者に害を与えない方法で快楽追求できるというのは魅力的だ。 (本書では薬物依存患者が、ランニング依存になる例が示されていた) ただしどのような快楽でも依存のリスクはあるようだが。
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【編集中】 近年、池谷裕二氏などの活躍もあり脳についての科学的知見がブームになっている。本書はその中でもとくに人が快感を覚えるメカニズムと、それと切っても切り離せない「依存」という現象のメカニズムを解説した興味深い一冊。 脳の働きの中でも快感にフォーカスしているだけにその内容は類...
【編集中】 近年、池谷裕二氏などの活躍もあり脳についての科学的知見がブームになっている。本書はその中でもとくに人が快感を覚えるメカニズムと、それと切っても切り離せない「依存」という現象のメカニズムを解説した興味深い一冊。 脳の働きの中でも快感にフォーカスしているだけにその内容は類書に比べて深く詳しい。ちょっと素人向けではないなあと思わせるところもあるので、できれば脳についての一般的な本を一冊は読んでおくといいだろう。(「進化しすぎた脳」などお薦め。) 前半では、人が快感を覚える際に脳内に起きる生化学的な現象を解説し、さらに「長期増強」という現象によって同じ刺激でも効果が弱まりやがて依存となることを解説する。好きな人にはこれだけでも十分に面白い。さらに後半では、より一般的に興味をそそる疑問───「性的興奮と恋愛時の興奮の違いは?」「ギャンブル依存は薬物依存と同じ?」「食欲(食べ過ぎ)も同じメカニズムで説明できるの?」───といった、もう読みたくて読みたくて仕方がないテーマがこれでもかと並ぶ。 そして、これら一つ一つについて著者の見解を交えつつ現代の脳科学、神経科学の知見を紹介している。それほど驚くべき事実が明らかになるわけではないが、すべて 現時点でまだ明らかでないことについてはしっかりと「まだ分かっていない」と述べており、著者としての誠実さが感じられる。 ところで「アゴニスト」「アンタゴニスト」という用語が本文中に頻繁に出てくるが、その説明が巻末の注釈にしか無い。これは書籍としてのミスだろう。
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ドラッグやギャンブルや食べ物や性欲などなどの快感に、なぜ人は快感を感じ、時に依存してしまうのか。そのメカニズムを脳神経科学の分野から解説した本。 脳の中でどんな物質がどのように働くのか、といったことも事細かに書いてあるのですが、「シナプス?何それおいしいの??」レベルの私でも何と...
ドラッグやギャンブルや食べ物や性欲などなどの快感に、なぜ人は快感を感じ、時に依存してしまうのか。そのメカニズムを脳神経科学の分野から解説した本。 脳の中でどんな物質がどのように働くのか、といったことも事細かに書いてあるのですが、「シナプス?何それおいしいの??」レベルの私でも何となく理解できたので、かなりわかりやすく解説されていると思います。 何より、快感に関する興味深い事例がてんこもりなのが面白かった。 ギャンブルは結果云々よりも結果が出るまでに感じる快感が大きいとか、絶対評価より他人との比較でより大きな快感を感じるとか、「言われてみれば…」ということが科学的に立証されていく過程が興味深いです。 人間の脳は、本能にかかわらない理念的なことまで快感と認識できる機能を持っており、それゆえ発展をしてこれた。しかしそのことが依存症を生み出すという諸刃の剣になっている── 欲望に忠実に生きている人間としては、いろいろ考えさせられる本でした。
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生物は、快感を基準に行動しているということを、様々な実験結果を交えつつ解説されていて面白かった。 食べることに対する欲求など、基本的な快感回路は線虫のような原生生物でも持っているというようなものもあれば、人間は、ギャンブルなど直接的な生命維持活動に関係の無いところにも快感を感じる...
生物は、快感を基準に行動しているということを、様々な実験結果を交えつつ解説されていて面白かった。 食べることに対する欲求など、基本的な快感回路は線虫のような原生生物でも持っているというようなものもあれば、人間は、ギャンブルなど直接的な生命維持活動に関係の無いところにも快感を感じる。 そして、面白かったのは、人間は周囲の人と比べて自分が優位だと快感を感じるらしい...
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最新科学によって分かってきた、快感と依存の仕組み。 タイトルに惹かれて買ったわけですが、きわめてマジメな内容でした。 お酒やタバコ、ドラッグ、セックス、ギャンブル…などなど、人を気持ちよくさせるものは数あれど、それを何とかコントロールしてきた人類。 中毒・依存症になるのは本人の...
最新科学によって分かってきた、快感と依存の仕組み。 タイトルに惹かれて買ったわけですが、きわめてマジメな内容でした。 お酒やタバコ、ドラッグ、セックス、ギャンブル…などなど、人を気持ちよくさせるものは数あれど、それを何とかコントロールしてきた人類。 中毒・依存症になるのは本人のせいではない、とは言うけれど。 快感回路を上手に使うのはホント大変なんだなぁ。
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ドラッグやアルコール、セックス、ギャンブル。 これらの刺激がもたらす快感について考察しています。 面白い本でした。 内側前脳快感回路が、われわれの快感の源泉。 ただ、それだけでは無味乾燥な快感でしかない、ということ。 バソプレシンやホルモンも、親近感などの形成に関わっている...
ドラッグやアルコール、セックス、ギャンブル。 これらの刺激がもたらす快感について考察しています。 面白い本でした。 内側前脳快感回路が、われわれの快感の源泉。 ただ、それだけでは無味乾燥な快感でしかない、ということ。 バソプレシンやホルモンも、親近感などの形成に関わっているのですね。 おもしろい本です。
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脳科学者の池谷先生推薦!という帯でつい購入。報酬系といわれる脳のはたらきについて書いてある本。 麻薬やキノコから始まりアルコールやお酒、はたまた食事やギャンブルにまで、人間の脳みそは快感を感じるようにできているらしい。 人を信頼し続ける物質があるとか、ニアミス率を30%にするとギ...
脳科学者の池谷先生推薦!という帯でつい購入。報酬系といわれる脳のはたらきについて書いてある本。 麻薬やキノコから始まりアルコールやお酒、はたまた食事やギャンブルにまで、人間の脳みそは快感を感じるようにできているらしい。 人を信頼し続ける物質があるとか、ニアミス率を30%にするとギャンブルをし続けちゃうとか、タバコを吸う人の実に8割が依存症になるとか、ゲームとギャンブルは似てるとか。 人間は思ってるよりも単純で、脳の機械的作用に依ってるのね。
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ネズミに砂糖水を与えると、快感回路が反応する。次にあるボタンを押さないと砂糖水が出ないことを学習させると、ネズミはボタンを押した瞬間に快感回路が反応して、そのあとの砂糖水では快感回路は反応しなくなるそうだ。これはネズミだけでなく人間も含むいろいろな動物で共通らしい。ちょっとショッ...
ネズミに砂糖水を与えると、快感回路が反応する。次にあるボタンを押さないと砂糖水が出ないことを学習させると、ネズミはボタンを押した瞬間に快感回路が反応して、そのあとの砂糖水では快感回路は反応しなくなるそうだ。これはネズミだけでなく人間も含むいろいろな動物で共通らしい。ちょっとショックだった。やはり砂糖水で一番快感を感じたいと思う。それから中毒症状になっている人は快感回路がにぶくなっているのだそうだ。だから例えばアル中の人はお酒を飲まないと苦痛なのだが、お酒を飲んでも、テレビのビールのコマーシャルのようにプファー!って感じで美味しく感じることはないらしい。そういえば、「バーフライ」というアル中のカップル(ミッキーロークとフェイ・ダナウェイ)の映画をずっと前に観たけど、ほんとうにおいしくなさそうにお酒を飲んでいたっけ。
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