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円高の正体 の商品レビュー

3.6

48件のお客様レビュー

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2021/03/30
  • ネタバレ

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 円高克服とデフレ脱却には、日銀の適切な金融政策とそれによる予想インフレ率の上昇が必要であるというのが本書のポイント。10年前の民主党時代の本なので、当時の経済状況がいかに酷かったかが読んでて伝わってくる笑  他にも円安性悪説や97年のバーツ暴落の原因、イギリスがユーロを導入しなかった(出来なかった?)理由なども知れたので面白かった。

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2019/04/26

円高は悪で、円安は善ということが知れた(日本経済にとって)。 後半は難解で流し読みをしてしまった。 オイオイ経済学部なのに苦笑

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2018/11/12

エコノミストによる円高論。日銀が量的緩和(28.8兆円)すれば円高は止まりデフレを脱却できると主張しているが、本書を読んだだけでは本当にそのような展開が可能なのかどうかは疑問。量的緩和をしても金融機関は、それを積極的に投資するとも思えないのだが。前半の基本的説明が冗長すぎる。 ...

エコノミストによる円高論。日銀が量的緩和(28.8兆円)すれば円高は止まりデフレを脱却できると主張しているが、本書を読んだだけでは本当にそのような展開が可能なのかどうかは疑問。量的緩和をしても金融機関は、それを積極的に投資するとも思えないのだが。前半の基本的説明が冗長すぎる。 「(外為市場では)実需は1~2割りにすぎず、残りの8~9割が投機」p28 「神の見えざる手。アダムスミス」p29 「1992年9月 ポンド危機」 「(「デフレの正体」について)デフレは、生産年齢人口の減少によって引き起こされている、という説は誤り(他にも生産年齢人口が減少している国があるが、デフレになっていないデータを挙げて(グルジア、モルドバ、ブルガリア))」p180 「マネタリーベースを150兆円まで拡大すれば円高は止まり、1ドル95円までの円高局面が訪れ、日本経済はデフレから脱却し、2%の名目経済成長が可能になる」p199

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2018/10/13

2012年1月に初版発行の本です。 円高は悪で、日銀はマネタリーベースを150兆円程度まで拡大すれば円安になりデフレから脱却でき、200兆円まで拡大すれば日本経済は完全に復活する。との主張です。 今、マネタリーベースは幾らくらいか分かりませんが、日本経済復活のためには日銀が頑張る...

2012年1月に初版発行の本です。 円高は悪で、日銀はマネタリーベースを150兆円程度まで拡大すれば円安になりデフレから脱却でき、200兆円まで拡大すれば日本経済は完全に復活する。との主張です。 今、マネタリーベースは幾らくらいか分かりませんが、日本経済復活のためには日銀が頑張ることが重要であると言うことです。2014年3月現在、結構日銀頑張ってくれたと言えるのではないでしょうか。 (このくらいやってもらわないと困るという話もありますが。) でも2011年の時点でこのストーリーを書いていたということはこの人の論は真を突いてたということでしょうね。

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2017/01/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2012年刊行。著者はドイツ証券会社経済調査部シニアエコノミスト。金融緩和策派による円高の問題点を理論的・実践的に解説。ただし、国債価格の下落による影響が定性的にも、定量的にも不明瞭。著者に限ったことではなく、金融緩和策論者共通の悪癖だが…。

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2015/02/18

「金融緩和をして、インフレ方向に持っていくことにより、円安誘導すべきだとの説です。 2月14日に日銀が1%の物価上昇率をめざして金融緩和を続ける事実上の「インフレ目標」を導入した後、円安方向に動いています。安達氏の推論通りに“今のところ”進んでいます。」

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2013/04/21

著者にとっては「どうだ見たか」と、まさに痛快だろうと思う。 新生日銀の施策とこれまでの結果が、本書での指摘に合致していて、純粋に凄いし説得力があり、自分はまさに「見せつけられた」読者となった。そして何よりも分かりやすい。 物価と通貨価値から長期的な為替レートの変動を見る購買力平価...

著者にとっては「どうだ見たか」と、まさに痛快だろうと思う。 新生日銀の施策とこれまでの結果が、本書での指摘に合致していて、純粋に凄いし説得力があり、自分はまさに「見せつけられた」読者となった。そして何よりも分かりやすい。 物価と通貨価値から長期的な為替レートの変動を見る購買力平価や中央銀行が供給するマネタリーベースの比率から、短期中期的なそれを見るソロスチャートなどに関して、事前に丁寧に解説しくれているため、本書の要である修正ソロスチャートの有効性と、そこから導かれる「為替市場の肝は予想インフレ率であり、レートは二国における将来の物価についての予想の格差の変動によって動く」点がとても理解しやすかった。さらに、それをもとに考えると「これまでの量的緩和が円高やデフレに効かなかったわけではなく、単純にその規模が足りなかっただけ」という指摘は非常に納得できる。 また、銀行が貸出を拡大する帰結としてデフレが脱却できるというルートしか頭になかったが、予想インフレ率の上昇過程で株価上昇や円安によりバランスシートが回復した企業が、設備投資や稼働率を引き上げ、裾野に波及していき景況感が回復するというルートは参考になった。不良債権化を恐れる銀行と、景気回復に疑心暗鬼の企業の両方の立場から考えて、貸出の増加はデフレから脱却した後の本格的な景気回復局面でこそ起こるとの指摘はなるほど納得。「量的緩和策は、銀行の当座預金を増やすばかりで、デフレ脱却には無効」との日銀の見解を暗黙的に信じていた自分に明確な答えを提供してくれた。 ただ、インフレ目標達成後の戦略をどうするかも求めたいところ。 ここまでは遠足の目的地も見えていない状況が見えたということに過ぎない。異次元緩和という米国同様、ヘリコプターで目的地まで行こうとしている分、帰り道の難易度は高くなっていると言わざるを得ないのではないか。「無事に帰ってきて始めて遠足は終わる」のであり、目的地で絶景を見てから帰り道に事故にあっては何もならない。出口戦略をいかに上手く取りまとめていくのか。その明示を、著者にも日銀にも是非期待したいところ。

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2013/02/20

プレイヤーを動かす「神の見えざる手」の正体とは「予想インフレ率」であり、円高は日米の予想インフレ率の差によってもたらされる。 現在の円高とデフレは、日銀のマネタリーベースの供給量が不足していることから起こっている。 日米の予想インフレ率の差を縮小するためには、日銀が大規模な量...

プレイヤーを動かす「神の見えざる手」の正体とは「予想インフレ率」であり、円高は日米の予想インフレ率の差によってもたらされる。 現在の円高とデフレは、日銀のマネタリーベースの供給量が不足していることから起こっている。 日米の予想インフレ率の差を縮小するためには、日銀が大規模な量的緩和政策を行うことが必要。 円高は日本経済にとって悪。 ・・・・・・・・・・ 読みやすい本ですが、クリアカットに説明しすぎている嫌いがあると思われました。

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2013/01/19

日本経済が円の価格・マネタリーベースで説明できるという基本的な内容がデータをもとによくまとめられています。 ヘッジファンドによる円安による攻撃はかえって日本の景気を良くするという主張ですが、国の負債・国債ショックには触れられていないように思います。 あと円は何で説明されるかの項で...

日本経済が円の価格・マネタリーベースで説明できるという基本的な内容がデータをもとによくまとめられています。 ヘッジファンドによる円安による攻撃はかえって日本の景気を良くするという主張ですが、国の負債・国債ショックには触れられていないように思います。 あと円は何で説明されるかの項で長期には物価を第一にしていますが、理論的にはやはり金利差かと思います。 金利差にについてはコラムで簡単に触れられている程度でしたので、もう少し突っ込んでほしかったかも。

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2013/01/17

「20年以上に渡る日本の不況は円高が原因であり、それを解消するためには日銀による金融緩和が必要だ」これが本書のメッセージである。 円高は日本の貿易収支の赤字を引き起こす。円高は輸出産業の海外競争力を減少させ、輸出産業が経済の基幹である日本では、この影響が即ち不況となって現れる。...

「20年以上に渡る日本の不況は円高が原因であり、それを解消するためには日銀による金融緩和が必要だ」これが本書のメッセージである。 円高は日本の貿易収支の赤字を引き起こす。円高は輸出産業の海外競争力を減少させ、輸出産業が経済の基幹である日本では、この影響が即ち不況となって現れる。しばしば円高は輸入製品の価格減少を引き起こすために消費者にはプラスであるという「良い円高」が叫ばれるが、筆者によればこれは真ではない。なぜなら、消費者の収入という面を考慮すると、円高不況によってそれが減少するため、結果として需要は低下するからである。加えて、円高不況は税収の低下も引き起こす。総じて、円高は日本経済に悪影響を及ぼしているのである。 この不況の原因である円高を解消するためには、日銀による積極的な緩和政策が必要であるというのが筆者の主張だ。ゼロ金利政策によって金利がゼロに張り付いている今日では、これ以上の緩和政策は実体経済になんらの影響を及ぼさないというのが緩和政策に反対する意見としての常套句だ。しかし筆者によればそれに加えて、日銀による大量の量的緩和が必要である。「景気は気から」とはよく言ったものだが、景気上昇の局面は投資家による上昇局面の判断が必要となる。筆者によればこれは「予想インフレ率」という形で数値化できるが、これは中央銀行による「積極的な」緩和政策によって上向きとなる。つまり、円高を是正し、不況から脱出するためには日銀が緩和に対する積極的な姿勢を見せることが大切である。

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