フェミニズムの政治学 の商品レビュー
大学入試問題として出された書籍として朝日新聞で紹介されていた。早稲田大学に提出された博士論文であるだけあって、結構難解であるので、学部生が読むには難しいのかもしれない。また、バトラーやアーレントの論をもとにして論述している所もあるので、バトラーやアーレントの著書をすでに読んでいる...
大学入試問題として出された書籍として朝日新聞で紹介されていた。早稲田大学に提出された博士論文であるだけあって、結構難解であるので、学部生が読むには難しいのかもしれない。また、バトラーやアーレントの論をもとにして論述している所もあるので、バトラーやアーレントの著書をすでに読んでいることが前提となるかもしれない。 したがって、大学院の修士あるいは博士課程での基本書として読むのが適切に思われる。
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烏兎の庭 第五部 書評 1.31.16 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/bunsho/okano.html
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すべての人は生まれるとき、病んだ時、亡くなる時、必ずケアを必要とする。その声に時に葛藤しながら、母たちは応えることしか、他に選択肢はない。 著者は、自律した個人を想定し、自らの意思で選ぶことができる、という近代国民国家の前提に、公私二元論自体に隠蔽されたものを、明らかにしてい...
すべての人は生まれるとき、病んだ時、亡くなる時、必ずケアを必要とする。その声に時に葛藤しながら、母たちは応えることしか、他に選択肢はない。 著者は、自律した個人を想定し、自らの意思で選ぶことができる、という近代国民国家の前提に、公私二元論自体に隠蔽されたものを、明らかにしていく。重厚な論。 前半の政治思想史、リベラリズムの解釈については読み込みすぎかなという気がしないでもないし、読むのに予備知識がないと難解。 でも心を奪われるのは、第二部と第三部。ここだけでも十分伝わる。 「人類の歴史のなかで、わたしたちがまったく想像も及ばない多くの人たちから奪われてきたものこそが人権」で本質的には実定法において規定される権利は、厳格にいえばもはや人権ではない、と。嘆くこと、そこに危険性も同時にはらみながらも、証言の政治を実現する新たな地平が非暴力の中に切り開かれるのではと。
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