親不孝通りラプソディー の商品レビュー
博多を舞台にした「親不孝通りディテクティブ」の主人公、テッキとキュータの高校時代を描いた話です。「親不孝通りディテクティブ」の会話にでてきた『美人局に嵌められたキュータが計画、実行した強盗事件』とその顛末について描かれています。強盗事件に地元のヤクザ、一年前に山口県で起きた現金強...
博多を舞台にした「親不孝通りディテクティブ」の主人公、テッキとキュータの高校時代を描いた話です。「親不孝通りディテクティブ」の会話にでてきた『美人局に嵌められたキュータが計画、実行した強盗事件』とその顛末について描かれています。強盗事件に地元のヤクザ、一年前に山口県で起きた現金強奪事件等が絡み、追われる身となってしまったキュータとそれに巻き込まれるはめになったテッキ、そして彼等に関わる人間達の思惑(地元の裏社会だけでなく北のあの国が関わる話も出てくる。)が交差しながら解決に向かう様子が面白かったです。しかし関係者が多くなりすぎて、若干ややこしくなってきた面とスケールが大きくなりすぎてしまった印象は否めませんでした。
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「鴨ネギコンビ」のキュータとテッキの高校時代。 羽目を外したキュータは美人局に嵌められ金に窮し〈狂犬〉キョウジと共に信用金庫の裏金を強奪する。 警察の射撃訓練場で拾った弾丸を現場に残し、捜査を撹乱させるが、彼らの計画はいつしか歯車が狂い始めた。 高校生たちのいたずらはヤクザ・警察...
「鴨ネギコンビ」のキュータとテッキの高校時代。 羽目を外したキュータは美人局に嵌められ金に窮し〈狂犬〉キョウジと共に信用金庫の裏金を強奪する。 警察の射撃訓練場で拾った弾丸を現場に残し、捜査を撹乱させるが、彼らの計画はいつしか歯車が狂い始めた。 高校生たちのいたずらはヤクザ・警察・脱北者グループをも巻き込んだ大事件へと発展し・・・。 「親不孝ディテクティブ」の続編でありながら、前日譚となっています。 キュータは若いころからお調子者で女好き、テッキのクールな佇まいも変わらず。 二人とも、暴力団と戦ったり、銀行強盗したり、女とすぐに懇ろになったり…こんな高校生いるかよ!と思いつつ、博多弁の軽快なリズムと、緊迫した中でもとぼけたユーモアに縁どられたスピーディーな展開にのめりこむように一気読みでした。 キュータとテッキだけでなく、元警察官の麻生やキュータの面倒を観てきた仙ジイ、テッキの同棲相手など、登場人物が各々の思惑で縦横無尽に動き回って状況が目まぐるしく変わり、展開についていくのが大変でした。 着地点の見えないコンゲームとしては出色の出来で、作者の筆致に思いっきりブン回されるのが快感になってきます。 よく考えるとトンデモ展開が多いんだけども、二人の若いパワーに触れているうちに前向きな気持ちが心に満ちていくような、元気をもらえるお話でした。
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そぎゃんこつなかと⁉️ と言いたくなるようなストーリー、面白かった。 この本を読んでいると不思議と博多弁が出てくる。というかキュータくんの言葉が知らないうちに移るみたい。
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福岡の言葉が沢山飛び交う青春ドタバタハードボイルド? っていえばいいのかな(笑) とにかく面白かった。残念なのは作者の人が亡くなっていて続編がないことかなぁ。かも・ねぎコンビの話は前作と併せてとても面白かった。
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これだけゴテゴテと色々なネタを突っ込んでるのに、あっさりと読めて、混乱しないのはさすが。最後もきっちり落ちてるし。 かも・ねぎコンビ、まだまだ読みたかった。早いよ、北森さん。
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生命の危機、お金、恋心、欲望、裏切りを目の前にした登場人物それぞれの反応が妙に人間らしく立体的に描かれていて、次の展開にドキドキしながら読み進んでしまいます。 ただし、北森さんの表現力がいつも通りあまりに豊かで、本作品はハードなシーンまで具体的に想像を余儀なくされるのが個人的には...
生命の危機、お金、恋心、欲望、裏切りを目の前にした登場人物それぞれの反応が妙に人間らしく立体的に描かれていて、次の展開にドキドキしながら読み進んでしまいます。 ただし、北森さんの表現力がいつも通りあまりに豊かで、本作品はハードなシーンまで具体的に想像を余儀なくされるのが個人的には辛いところ。
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このシリーズは自分には合わなかったな、と感じてしまった。荒唐無稽でハチャメチャなストーリーそのものは悪くないと思うのだけれど、文体のハードボイルド調とミスマッチで面白さが伝わらなかった。敢えてミスマッチを狙うという手法もあると思うけれど、本作ではそれがうまくいっているとはかんじら...
このシリーズは自分には合わなかったな、と感じてしまった。荒唐無稽でハチャメチャなストーリーそのものは悪くないと思うのだけれど、文体のハードボイルド調とミスマッチで面白さが伝わらなかった。敢えてミスマッチを狙うという手法もあると思うけれど、本作ではそれがうまくいっているとはかんじられなかった。
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北森鴻さんの作品には魅力的な主人公が多い。民俗学者の蓮丈那智、旗師.宇佐美陶子、私は香菜里屋のマスターが好き!この鴨ネギコンビのはちゃめちゃさ、弾けっぷりはなかなかのものでした!
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今日のハードな夢の原因の一端は、この小説にあると思う。 すっげ~面白かった。 前作の終りが、どう続編につながるのかと思っていたら、彼らの高校時代へと話が飛ぶのである。 本当の現在は、前作から何年もたっていて、キュータの屋台のおやじっぷりも板につき、高校生を見る目もすっかり大人...
今日のハードな夢の原因の一端は、この小説にあると思う。 すっげ~面白かった。 前作の終りが、どう続編につながるのかと思っていたら、彼らの高校時代へと話が飛ぶのである。 本当の現在は、前作から何年もたっていて、キュータの屋台のおやじっぷりも板につき、高校生を見る目もすっかり大人に…と思ったら、人間の本質なんてものは、ちょっとやそっとでは変わらないのである。 キュータとテッキは高校生の頃からぶっ飛んでたんだ。 軽い気持ちで始めた銀行強盗が、どんどん大きな謎を抱えてキュータを窮地に陥れていく。 巻き込まれたテッキもそれは同様。 最初は暴力団から追われ、次に警察も加わり、最後は北朝鮮に拉致されそうになるところまで追いつめられる。 いくらスーパー高校生とはいえ、心身ともに全く余裕なし。 でも、あきらめない。(いや、キュータは裏切ってひとりだけ逃げたが) 頭はいいのに、生きるのに不器用なんだな。 本当に大切に思っているものほど、自分から遠ざけようとしてしまうんだね。 そしてエピローグ。 そうですか。そうきましたか。 「喧嘩上等」キュータが言う。 「お楽しみはこれからだ」と、私は思った。 けれど、そのお楽しみが語られることは永遠にない。 早すぎる作者の死。
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前作がほろ苦い短篇集だったのに対して、本作はエンターテイメント長編。細かい仕掛けがあるから、シリーズ化すればススキノ探偵に対抗するものになったんじやないかなぁ。それが残念。
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