放射線医が語る被ばくと発がんの真実 の商品レビュー
冷静になることを勧めてくれる貴重な本。データに基づいており、放射線自体だめとうい原理主義にならないよう心がけたい。
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被ばくに恐れおののいている人は、まずは、この本を読み、冷静になるのが良いと思う。マスコミの煽り報道に惑わされることのないよう頭を働かせ、どうしていくかを考えていきたいと思う。
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なるほど、放射線の健康影響という観点で信頼できる一冊であると感じた。チェルノブイリなどを含めて、専門家の立場でしっかり答えてくれていた。規制値などの設け方など、知っておくべき事柄も多く、参考になった。
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放送大学のテキストで、参考資料と挙げられていたのをきっかけに読了。 まず、被ばく(ところでどうしてばく、はひらがななんだろう)は発ガンの問題である、という前提にそうなんだ~ほお~、と思う。 でも不妊とか奇形とかにもちょろっと触れている。 (今回の事故による)被ばくでこれらが起こる...
放送大学のテキストで、参考資料と挙げられていたのをきっかけに読了。 まず、被ばく(ところでどうしてばく、はひらがななんだろう)は発ガンの問題である、という前提にそうなんだ~ほお~、と思う。 でも不妊とか奇形とかにもちょろっと触れている。 (今回の事故による)被ばくでこれらが起こることはない、と断言されている。 すべては科学的な実証を根拠としている。 でもあれだよね、世の中って科学ですべてが解明されているわけではないし、数字だとかでは説明できないことって多いでしょ? やっぱり不安感は残る、どうしても。 被ばくよりも避難によるストレスのほうが体に悪いと。 チェルノブイリで実証済みらしい。 批判的に読むことは必要でしょうが、とりあえずなるほどと思っておきます。 少なくとも悪い印象は持たない。 ネットで悪魔のようにたたかれているのがかわいそうになる(笑)。 なぜ御用学者と呼ばれているのか、ヒントを求めて児玉さんの本を、次は読もうと思いますよ。
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被ばくによる発ガンリスクに関して、臨床医としてわかりやすく教えてくれる。必要以上に怖がり過剰反応することの愚かさを詳らかにしてくれている。 驚きなのは、発ガンリスクを比べると運動不足は200〜500ミリシーベルトを浴びるのと同じ程度の発ガンリスクがあるということ!喫煙と毎日3合以...
被ばくによる発ガンリスクに関して、臨床医としてわかりやすく教えてくれる。必要以上に怖がり過剰反応することの愚かさを詳らかにしてくれている。 驚きなのは、発ガンリスクを比べると運動不足は200〜500ミリシーベルトを浴びるのと同じ程度の発ガンリスクがあるということ!喫煙と毎日3合以上のお酒は2000ミリシーベルト以上と同じ! また面白いのは原爆が投下された広島は女性では世界一長寿の都市であり、一方原発事故のチェルノブイリは平均準用が下がっていること。チェルノブイリは年間の被ばく線量が5ミリシーベルト以上となる地域の住民に強制移住がなされた。移住による精神的なストレスが大きく影響したものと考えられている。結局は伸び伸びとストレス無く普段の暮らしを送る事が一番良いということ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
チェック項目12箇所。放射性物質は水銀のような重金属とは異なり、体内に取り込んでも代謝や排泄によって体の外に排出されます、これは重金属との決定的な違いです。カリウム40によって、年間0.2ミリシーベルト程度の内部被ばくが起こります、100年生きると、20ミリシーベルトにも達します、野菜を食べるほど、内部被ばくが増えるわけですが、野菜はがんのリスクを大きく減らすことが知られています。チェルノブイリでは、食品の摂取制限が行われていませんでしたから、セシウムによる内部被ばくも起きてしかりです、しかし、何らかの病変があったかというと、セシウムが原因と考えられる発がんは確認されていません、ヨウ素による小児甲状腺がんがわかったのみで、セシウムによる影響は認められていないのです。そもそも、がんの原因はなんでしょうか、おおざっぱにいいますと、3分の1がタバコ、3分の1がお酒や食事といった「タバコ以外の生活習慣」です、残りの3分の1は「運」といってもいいでしょう、どんなに理想的な生活を送っても、がんを完全に防ぐことはできません、いまの福島での放射線量は、健康に影響のない低いレベルに落ち着いています、今の放射線量のもとで暮らしても、がんは増えないと申しあげます。アルコールそのものに発がん性はありません、しかし、アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドに発がん性があります。原爆で100ミリ~200ミリシーベルトの放射線を浴びた集団は、浴びていない集団に比べてがんになるリスクが1.08倍でした、生活習慣によるリスクと比較すると、1日1箱タバコを吸うご主人を持つ奥さんの受動喫煙による発がんリスクや野菜嫌いな人の発がんリスク(野菜を食べる人と比較して1.06倍)より、わずかに高いレベルです(喫煙は1.6倍、毎日3合以上の飲酒も1.6倍)。科学的には100ミリシーベルトより低い被ばくで発がんの増加は確認されていません、たとえリスクがあったとしても、検出できないくらいわずかなものだということです。広島の女性の平均寿命はなぜ日本一か(平成17年)……無料で医療を受けられる効果は絶大です、特に、被ばく量の少ない”入市被爆者”(原爆投下の後に市内に入った被爆者)の場合、充実した医療が効果を生んだ結果、円国平均より長生きになりました。当時、放射線に関する知識は一部の専門家以外は持っていませんでしたから、原爆投下後も、広島・長崎の人たちは放射線が「危ない」「怖い」ものとは考えていませんでした、放射線に怯えながら、不自由な避難先で暮らす、ということがなかったのです。細胞分裂の盛んな子どもでは、遺伝子が放射線の影響を受けやすく、がんができやすいこともあり、小児の甲状腺がんがふえてしまったわけです。セシウムは、カリウムに近い「アルカリ金属」で、体内に取り込まれると、カリウムと同様、全身の細胞にほぼ均等に分布します、外部被ばくとほぼ同様の「全身均等被ばく」になります、1ミリシーベルトの被ばくといったら、人体への影響は一緒です。
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地震による原発事故以来、生活にいろいろな影響を及ぼしている放射能。いくぶん落ち着いてきたかにもみえるが、いまだ故郷に帰れない人もたくさんいるし、ものすごく敏感な反応を示す人とそうでもない人がいて、本当のところはどうなのか?と思っていたが、書店でこの本をみつけ読んでみた。放射能に関...
地震による原発事故以来、生活にいろいろな影響を及ぼしている放射能。いくぶん落ち着いてきたかにもみえるが、いまだ故郷に帰れない人もたくさんいるし、ものすごく敏感な反応を示す人とそうでもない人がいて、本当のところはどうなのか?と思っていたが、書店でこの本をみつけ読んでみた。放射能に関したくさんの本が出ていたが初めて手に取る気になった本だ。それは題名から、事故での放射能の身体的影響はどれくらいあるのか?という疑問に答えてくれそうな気がしたからだ。言いかえればさほど気にすることではない、というのを言ってほしい、それを活字で確認できるのでは?という期待からだ。 放射能を気にして故郷を離れ西に移住したとか、そういう行動をとるのは「正確な情報の欠如」からだという著者。身体的影響はむしろ、環境の変化などのストレスなどの方が大きいとも言う。ヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどの特性、半減期などをわかりやすく解説し、広島・長崎・チェルノブイリの例も交え、身体的への影響はどうなのか?を解説している。放射能問題とは「がんになるかどうか」だと言う。身体に影響のある基準値に対して、いろいろな考えがあるようだが、そして残土処理の問題は解決していないが、基準値に対して著者は現在の状況は安全だと言っている、と受け止めた。 もちろんリスクがゼロではなく、除染は必要だし含有率の高くなりがちな山菜やきのこは避けるなどの方策は必要だが、リスクと折り合いをつけつつ生活を平常に戻す必要性がある、と言っている。放射能の流れの図上でまさに風にながれた辺縁に住んでいるのだが、ほとんど無頓着に生活していて、まあいいではないの、というのを確認した状態。しかし同じこの本を読んでも、安全を確認したいと思って読む人と、いや危険だろうと思って読む人とでは読後感はちがうだろう
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発癌に主眼を置き、被曝によるリスク上昇を中心観点として論が進む。一度に大量の被曝を受けた際に問題となるが、重金属と異なり、蓄積しにくい性質を持つ点。放射性元素の種類により異なる発癌のリスク。チェルノブイリでは“隠蔽”による被害拡大が大きかったという点。などなど、風評に惑わされない...
発癌に主眼を置き、被曝によるリスク上昇を中心観点として論が進む。一度に大量の被曝を受けた際に問題となるが、重金属と異なり、蓄積しにくい性質を持つ点。放射性元素の種類により異なる発癌のリスク。チェルノブイリでは“隠蔽”による被害拡大が大きかったという点。などなど、風評に惑わされないための示唆に富む内容でした。
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放射線防護の立場から、念のため、100ミリシーベルト以下のわずかな被曝でもがんが増えると仮定する「放射線閾値なし仮説」を国際放射線防護委員会は提唱している。被爆量が少なければ少ないほど良い、というポリシーだ。 さらにICRPは「10ミリシーベルトではがんは増えない」報告書の中で明...
放射線防護の立場から、念のため、100ミリシーベルト以下のわずかな被曝でもがんが増えると仮定する「放射線閾値なし仮説」を国際放射線防護委員会は提唱している。被爆量が少なければ少ないほど良い、というポリシーだ。 さらにICRPは「10ミリシーベルトではがんは増えない」報告書の中で明言している。 100ミリシーベルト以下では発がんのリスクは極めて低い。私は福島ではがんは増えないと申し上げる。 こうした著者の指摘には批判がある所だが、長年にわたり放射線医としてがん患者の治療に携わってきた専門家の見解は重要だと思う。
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