祝福されない王国 の商品レビュー

嶽本野ばら【著】

2022/12/28

嶽本野ばらによる、作者曰く「"温度のない"小説」。
日本ではないどこか異国のお話が9つ収められている。

温度のない、ということだが、私は救いがなく教訓もない、というように感じた。または不毛な、と言ってもいいかもしれない。

現代アートの作品にインスパイアされて書く、という形を取ったらしいが、その辺りがこの不毛さにどう関係しているのかはよくわからない。

読後感はあまり良くない、とだけ言っておこう。

2020/07/13

寓話にしてはあまりにも殺伐としていて、タイトルがぴったりです。
どの王国も、黒く、狂っている。
大抵は滅んでしまうのだけれど、滅ぶのもわかる気がします。狂っているというのは、外側のものに対してあまりにも無防備な状態なのかもしれない。
以前読んだときよりも、少し近付けた気がします。
藤本由紀夫さんの、どこか不安になるオブジェも素敵でした。

2020/01/13

この本には
ハッピーエンドも無ければ
最上級のバッドエンドも無い。
優しい世界も 辛すぎる世界もない。

じゃぁどんな世界なのか。

それは…結局、読んでもわからなかった

だから…
上手な感想を 私は答えることが出来ない

2014/10/01

なかなか面白いというか、感情の見えない文章を書けるのはすごいなと思う。温度がある文章、のような気がする。

2014/05/06

合わなかったです。

考え方とか、構成とかそういうのは好きなんですけど。
読んだ時期も悪かったのかもしれないです。

10年とまではいかないですけど、それに近いくらい今よりも前に読んでたならしっくりきたかもしれません。

少なくとも、期待したほどではなかったです。

この本が好きな方はスルーされてください。

2014/04/20

感情やモラルや考え方が、通じてない、通じない、共有できない。という感覚が、如何に不気味で不愉快か。
ということを突き付けられるような話でした。
嫌いじゃない。
10代で読んでたらもっと影響うけたかも。

2013/05/28

この人の作品、基、寓話というのを初めて読んだ。読み進める中で、作品の意図が明確に理解できないものが多かったが筆者が最後に「心の無い」「温度の無い」と表現していて、すべてわかったような気がした。しかし、何も無い訳でなく、すべての話が別の短編小説となっておらず、続いているのは興味深いと感じた。私が読み進める中で感じた、この本の意図とは、「どうしようもない、されど現実」である。

2013/03/01

アンタが処刑されたなら、
天国にいけるよう、
せいぜい神に願ってやるさ。

（exchange/cage/eat me/receptacle/lie cylinder/et.te/effect.cause/east of the moon or west of the sun/spin.mediums-ex.change）

2012/12/18

自分には難解すぎた。
一つ共感できたのは、頭の中を覗かれるのは死ぬほど恥ずかしいということだけだった。

2012/10/31

現代アートの鬼才 藤本由紀夫の写真をもとにイメージを膨らませて出来上がった作品集

キノの旅に似てるかとも思ったがメッセージ性はない

交換≒平等 喪失≒忘却

作者は話の軸に沿って登場人物達を動かそうとしない。それぞれの作品に出てくるキャラクター達は作者によって役割を与えられ、それに従い動き続ける。それゆえ教訓に意味はなく、結末もまとまりにかける。

嶽本作品は初めてだが、この作品でこの作者を判断してはいけない気がする。