グローバル恐慌の真相 の商品レビュー
ハイエク言うところの知の連続性は確実に分断されているんだろうな。知の構造図はそろそろ再構成されるべき。
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『TPP亡国論』の中野剛志氏と、その知己の柴山桂太氏による対談本。グローバル恐慌の真相を「政治経済思想」という観点から分析したもの。 私にとっては、2011年最大の衝撃作です。目から鱗というよりも、頭を後から殴られたような衝撃を受けました。私が日頃より疑問を抱いている世界経済の仕組みを理解するのに役立ちました。なお、評価を4にしたのは、私の中で本書を消化しきれていないためです。 それにしても恐るべきは、中野氏の洞察力と深い知識。TPPは、日本の抱える問題の一つに過ぎない。今後の同氏のご活躍を期待したい。
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世界経済が「グローバル化」に向けて加速している。 その「波」に乗り遅れれば、取り残されてしまう。 そんな「強迫観念」じみた考えから抜け切れていない日本人には、対処療法的な本。 世界を一元的なシステムで管理するなんて無理な話。 そういった「理屈」を、歴史や著名な経済学者の言葉や、...
世界経済が「グローバル化」に向けて加速している。 その「波」に乗り遅れれば、取り残されてしまう。 そんな「強迫観念」じみた考えから抜け切れていない日本人には、対処療法的な本。 世界を一元的なシステムで管理するなんて無理な話。 そういった「理屈」を、歴史や著名な経済学者の言葉や、各国の思惑・国柄などから紐解いていく。 頭でっかちになりがちな経済論だが、この本はより「人間側」にたった経済理論が展開されていて、読んでいて「そうだよなぁ」と一人ごちてしまった。
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若手の研究者ふたりによるグローバル経済を主題にした対談です。 著者の一人中野剛志氏はTPP反対派の急先鋒として有名になりましたが、この本を読むと本質は学究的な人なのだと分かります。 内容は経済学と言うよりも経済思想寄りで、リーマンショック後の世界的な不況をマネーの動きだけではな...
若手の研究者ふたりによるグローバル経済を主題にした対談です。 著者の一人中野剛志氏はTPP反対派の急先鋒として有名になりましたが、この本を読むと本質は学究的な人なのだと分かります。 内容は経済学と言うよりも経済思想寄りで、リーマンショック後の世界的な不況をマネーの動きだけではなくその裏にある思想から捉えようと言う試みと言えます。 グローバル化は過去何度も起きている、誤解されがちな保護主義の本質、自由貿易が帝国主義へとつながっている、と言った議論は刺激的で、ある種人間存在の本質を掘り下げるような深い分析には唸らされました。 ただ、著者二人は基本的な認識がほぼ共通していて、どの発言が中野氏のもので柴山氏のものかという点を意識しなくても読めてしまうぐらいに論旨が似ているので、対談の醍醐味という点ではやや弱いかもしれません。
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