ミレニアム3(下) の商品レビュー
面白かった、ですが、いささかやりすぎ、できすぎ感は否めません。リスベットとその仲間たちのハッキング能力とか過大評価というかそれはそれで怖いし。一気に解決していく感じはすっきりしますが、うまくいきすぎでしょう。全体的に必要だから書いているとは思うものの、新しく人物が出てくるたびに説...
面白かった、ですが、いささかやりすぎ、できすぎ感は否めません。リスベットとその仲間たちのハッキング能力とか過大評価というかそれはそれで怖いし。一気に解決していく感じはすっきりしますが、うまくいきすぎでしょう。全体的に必要だから書いているとは思うものの、新しく人物が出てくるたびに説明しすぎです。なんというか、小説というより小説の企画書を読んでいる気分…といったらさすがに言い過ぎですが。ここまで読んでこそのミレニアムシリーズではあると思いますが、最初の作品が一番よかったと思います。
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シリーズ最高傑作だと思う。 特に最後の裁判シーンの痛快さは旬逸! ミカエルのモテモテっぷりに腹が立つものの彼のアタマの良さは畏敬の念を抱かせる。
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文句なしの大団円と言っていいのでは。しかしもうリスベットやミカエルに逢えなくなるのがこれほどまでに寂しいとは… リスベットの強さにあこがれる。
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作者が亡くなっているので続きが読めないのが残念。リスベット不器用ながらも心を許せる人ができてきてそれがこちらもうれしくなる。ミッケの妹が大活躍!
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スウェーデン語のなじみにくささえなければほんとに文句なし!笑 一部から三部にかけて、孤島、一族、見たて、暗号、サイコキラー、サスペンス、暴力、社会派、陰謀、ハードボイルド…これでもかと詰まったジャンルの要素が贅沢。しかもすべてが本格的。 リスベットの正直で歯に衣きせぬ物言いと、過...
スウェーデン語のなじみにくささえなければほんとに文句なし!笑 一部から三部にかけて、孤島、一族、見たて、暗号、サイコキラー、サスペンス、暴力、社会派、陰謀、ハードボイルド…これでもかと詰まったジャンルの要素が贅沢。しかもすべてが本格的。 リスベットの正直で歯に衣きせぬ物言いと、過激でかっこいい復讐や懲らしめは最高にスカッとする。読んでいけばいくほど愛着がわく。不器用さがかわいい。 そんな不器用で過激な彼女だから、憶測の報道を鵜呑みにする世間や国や、女を蔑視し暴力を振るったり見下したりする「女を憎む男たち」がリスベットの敵になるが、リスベットときちんと向き合った人たちは彼女を救おうとする「狂卓の騎士」たちになる。このチームワークもお見事。最後の法廷場面はとても気持ちいい。
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もう終わってしまうのかと名残惜しみながも、読了。三部作それぞれテイストが異なるのにすべてが面白いのがお見事。女性が活躍するのもかっこいい。
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本国スウェーデンで記録的な販売部数となり、世界中そして日本での翻訳もヒットしている小説、『ミレニアム』。 その3部作の最終巻です。 前作で事件に巻き込まれ、大きな怪我を負って病院に収容された主人公、リスベット。 副題にある通り、「眠れる女」となった彼女のまわりで、前作の事件を誘引...
本国スウェーデンで記録的な販売部数となり、世界中そして日本での翻訳もヒットしている小説、『ミレニアム』。 その3部作の最終巻です。 前作で事件に巻き込まれ、大きな怪我を負って病院に収容された主人公、リスベット。 副題にある通り、「眠れる女」となった彼女のまわりで、前作の事件を誘引とする、さらに大掛かりな事件が展開していきます。 その事件を、雑誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルが、解決すべく奮闘する・・・というあらすじ。 この第3部を読むと、第2部は大きな物語の序章だったのだなと、感じます。 そしてこの第3部の物語で中心的役割を担っているのが、国家という大きな権力・ルールからはずれ、独自の組織規範で動く、スウェーデン公安局「特別分析班」のメンバーたち。 その行動を描くことで、「国民の総意で作成した”法律”というルールを無視して動く集団の危険性」というのを、作者は訴えたかったのかなと、受け取りました。 また、主人公リスベットをはじめとする「戦う女性」を印象的に描いているというのも、この第3部の特徴かと思います。 このシリーズは、ミステリーとして謎解きを楽しみながら、主人公の魅力を味わったり、さらにはスウェーデン(そして世界の)問題に思いを寄せたりと、さまざまな角度から「読書の楽しみ」というものを読者に与えてくれる作品ですね。 作者の急死によりこの第3部でシリーズが終わったのは残念ですが、読み応えのある作品を読了した後の満足感を得られたことに、感謝したいと思います。
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1のときは、全然乗れなかったのに、なんとか1を読み終え、しばらくして2を読み始めたら俄然面白くなり、3は、もう楽しいまま読み終えました。筆者の筆力すごい!(翻訳本だけど・・・)4もよみたい、5も読みたい、もう読めないということが、すごく悲しいですね。
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目次:第3部 ディスク・クラッシュ 5月27日-6月6日、第4部 システム再起動 7月1日-10月7日、解説/池上冬樹
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リスベットがネットのできるパソコンを手にしたらいろんな不可能が可能になる。 ミレニアム3では、ザラチェンコ・グループを探る側の話、リスベットを陥れようとする側の話、そして、SMPの編集長になったものの面倒に巻き込まれるエリカ・ベルジェの話が進行していく。 ミレニアム編集部は班のち...
リスベットがネットのできるパソコンを手にしたらいろんな不可能が可能になる。 ミレニアム3では、ザラチェンコ・グループを探る側の話、リスベットを陥れようとする側の話、そして、SMPの編集長になったものの面倒に巻き込まれるエリカ・ベルジェの話が進行していく。 ミレニアム編集部は班のちょっかいを防げるのか、裁判はどう決着し、下司野郎共はとっちめられるのか、怒涛の展開に息を切らせて着いていく、という感じの下巻である。 リスベットはまだやっと基本的人権が保障されたばかりで、彼女の人生の新たなステージがはじまったところでミレニアムが終わるのは、非常に惜しいことだ。そんなのミレニアムファンは皆思っているだろうが、スティーグ・ラーソンの急逝はあまりに重大な損失である。だが、素晴らしい読書体験をさせてもらったことを心から感謝したい。 三作通して、リスベットのあまりに不遇な過去を知った我々読者は、余裕面ぶっこいてリスベットを侮っている奴らの鼻をあかしてやるシーンを心待ちに読み進めるはずだ。リスベットの名誉が回復される時のこの上ない爽快感を待ちながら班の描写を読み、長く実践を怠っていたばかりに稚拙で油断が過ぎる班の工作を、イタズラをしかけてわくわく待っているような気持ちで見ていたはずだ。 だが、裁判でテレボリアンの主張をアニカが完璧に打ち崩した時のような爽快感は、班のメンバーが逮捕された時には湧かなかった。 クリントンがモニカに逮捕されたシーンにはむしろ痛々しさを感じた。前時代の班の亡霊のごときクリントンは、ミカエルを追い詰めることはまったくできないまま、若く有能な女性警官に捕まえられて終わる。糖尿病を患い、がりがりの身体で、ひとりの若い女性を拘束するために働いた老いた男。 また、ペーテル・フレドリクソンを捕まえたシーンも痛々しい。 スサンヌの視点から見たエリカでさえ、友人にも恋人にも仕事にも恵まれ、性生活も充実している、魅力的な女性であるエリカだ。地味な同級生の男子にはどう見えていたか。そんな彼女と仕事ができることをどう思っていたか。 フレドリクソンが行ったことは許しがたく不愉快だが、そうしてしまう心理は、何となく分かってしまうから苦いのだ。特に、リスベットの味方をしてミレニアムを読み進め、エリカヘの苛立ちに同調してしまった覚えのある読者には。 裁判が終わり、巧妙に組み立てられた計画が実を結び、524ページに進むまで、大事なことをすっかり忘れていたことに気付いていなかった。 すごい物語を読んだ。
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