ミレニアム3(上) の商品レビュー
ミカエルに好意を持つという、リスベットにしてはそれまでありえなかった感情が生まれ、少し周りに対しても新たな”キヅキ”が彼女の認識に加わる。 このあたりでリスベットの中身を著者が変えずに貫いて描いたのは良かったと思う。 この物語の良さでもあるダークな雰囲気が消えずにすんだから。 ...
ミカエルに好意を持つという、リスベットにしてはそれまでありえなかった感情が生まれ、少し周りに対しても新たな”キヅキ”が彼女の認識に加わる。 このあたりでリスベットの中身を著者が変えずに貫いて描いたのは良かったと思う。 この物語の良さでもあるダークな雰囲気が消えずにすんだから。 登場人物は悪であれ善であれ、皆執拗に諦めない。 本当に諦めない。まさに仁義なき戦い。
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アスペルガー症候群の天才ハッカー、リスベット・サランデルは因縁の父を追い詰め、次には国家的陰謀の犠牲者として狙われる。一方のジャーナリスト、ミカエルは殺された 同僚のための調査を続けるうちに「ザラ」に行き着く。両者の行き着く先は? 先日読んだ「ドラゴンタトゥーの女」が面白くて続...
アスペルガー症候群の天才ハッカー、リスベット・サランデルは因縁の父を追い詰め、次には国家的陰謀の犠牲者として狙われる。一方のジャーナリスト、ミカエルは殺された 同僚のための調査を続けるうちに「ザラ」に行き着く。両者の行き着く先は? 先日読んだ「ドラゴンタトゥーの女」が面白くて続編を読んでいったのですが、ミレニアムの2,3は続き物の話として読んだ方がよさそう。しかし(スウェーデンでは)一世を風靡したミステリだけあって読ませます。 2の「火と戯れる女」では主人公、リスベットが因縁の父を追い、その過去が少しずつ明らかになってきます。ここら辺はもう、この親父こそミレニアムシリーズのラスボスだろう、という展開なのですが、3「眠れる女と狂卓の騎士」ではあっさり殺されて本当の黒幕が明らかになってきます。リスベットをめぐる陰謀の輪や父親との因縁もここで明らかになり、最後は息もつかせぬ法廷合戦で盛り上がり、痛快な読後感を楽しめました。まあその先の読めなさとダイナミックな展開で本当に描きたかったことを見事に書き切ったのだな、という印象でした。面白かったです。 しかし本当に、作者がここまで書いて若くして亡くなってしまったのが残念でなりませんね。作者のスティーグ・ラーソンは元ジャーナリスト。スウェーデンとその周辺の社会が抱えるさまざまな問題を、本作を通して暴き出していきます。特に女性に対する暴力や差別がそのメインテーマとなっていて、全編を通じてマッチョな男性社会を告発していきます。細部に至るまで描写が行き届いたこれらの社会問題は、作者が綿密に取材を重ねてきたことを思わせて、ジャーナリストではできなかった仕事を小説という形で結晶化させたのでしょうか。根底に人としての自由と尊厳を簡単にカタに嵌めようとする国家や社会という集団への怒りが熱く流れているのがよく伝わってきました。 ということで読み応えも面白さも抜群の北欧ミステリーは一応ここまで。この先は別の作者が続きを書いていますが、読むかどうかは悩みどころです。 あと、ミカエルくんが特に必要性もなくモテモテなのは鼻につきます。
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どんどん スケールが大きくなってくる 善玉 悪玉 はっきりしてきた 3-4つのシナリオが同時にすすむ 常に どこか一つは クライマックス
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前作で頭に銃撃を受け瀕死の状態で病院に搬送されたリスベット。リスベットによって重傷を負わされたザラチェンコも同じ病院に運ばれた。 なんとかリスベットを亡き者にしたいザラチェンコ。 元スパイのザラチェンコをめぐり動き出す公安の秘密部隊。 真実を明るみにしてリスベットを助けたいミカ...
前作で頭に銃撃を受け瀕死の状態で病院に搬送されたリスベット。リスベットによって重傷を負わされたザラチェンコも同じ病院に運ばれた。 なんとかリスベットを亡き者にしたいザラチェンコ。 元スパイのザラチェンコをめぐり動き出す公安の秘密部隊。 真実を明るみにしてリスベットを助けたいミカエル。 圧力により捻じ曲げられた事件に翻弄される警察。 まさに陰謀が渦巻いて次から次へと事件が起こりハラハラした。 迎え撃つべき敵がザラチェンコという個人から公安、政府とスケールアップして、はたしてミカエルがどうやって対抗するのかとても楽しみ。 また、『ミレニアム』から(落ち目の)大手新聞社にヘッドハンティングされたエリカの活躍も気になるところ。 大手新聞社であることに胡座をかいて時代に取り残されている経営陣や部下に翻弄され、嫌がらせまで受けて疲れ切った所にさらなる厄介ごとがミカエルから投下されて、エリカがどんな決断をするのか… 男尊女卑(というか古い価値観の男に抑圧される女性像)の描写が多いシリーズだが、エリカやリスベットに限らず、本作に登場する女性は皆強いから、嫌な男の鼻っ柱をどうへし折ってくれるんだろうという期待感も本シリーズの楽しみだと勝手に思っている(笑
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「2」のラストから続くため、前2作のような長い前振りは無し。それでも登場人物がどんどん増えていくが、それぞれに役割と個性があるので苦にはならない。徐々に国家の暗部が明らかになっていくスピード感が程よい。
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映画化されアカデミー賞編集賞も受賞した作品。 世界的に売れに売れた本の一つだが、著者は最後まで見ることなく死去。 嘘には嘘を塗り固めるしかないのは万国共通らしい。 塗り固めて高さが出てくると、それを支えるのにも一苦労することになる。 その倒壊に巻き込まれることは、ただ事故以上の...
映画化されアカデミー賞編集賞も受賞した作品。 世界的に売れに売れた本の一つだが、著者は最後まで見ることなく死去。 嘘には嘘を塗り固めるしかないのは万国共通らしい。 塗り固めて高さが出てくると、それを支えるのにも一苦労することになる。 その倒壊に巻き込まれることは、ただ事故以上のインパクトを受けることになる。 以下抜粋 - ふつうは百パーセントよい決断もまうずい決断もりはしない。きみが下す決断は、エリカ・ベルジュが下すものとは違うかもしれない。決める人間がぼくだったら、また違ってくるだろう。でもいまはきみの決断が雑誌を動かすんだ(P.192)
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上下一括感想下巻にて やっぱり最初の200ページが辛かった。 前作の続きだからか、やたら登場人物は多いし、前作までの振り返りが大変だし、リスベットはずっとベットで寝たきりだし…… でもあと、500ページ。
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いやいや、クソ面白い。読みながら、何度思ったかしれないその月並みな感想を、ここでもまた繰り返したくなるほど、ただひたすらに面白い。まだ上巻だけど圧巻。一切飽きさせることのない場面展開の速さと、ちょうど良い具合の焦らせ方がもう絶品で、とにかく読み進めたいという欲求に、ひたすら突き動...
いやいや、クソ面白い。読みながら、何度思ったかしれないその月並みな感想を、ここでもまた繰り返したくなるほど、ただひたすらに面白い。まだ上巻だけど圧巻。一切飽きさせることのない場面展開の速さと、ちょうど良い具合の焦らせ方がもう絶品で、とにかく読み進めたいという欲求に、ひたすら突き動かされる。重傷でICUに閉じ込められたリスベットの出番は、さすがにここでは抑え目だけど、それでも後半、何かやってくれそうな予感は満点。父親が早々に退場するというかなり予想外の展開もあり、その他登場人物もそれぞれに魅力的で、非の打ちどころ無し。早く後半を!
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パート2からの続きってことで、今回はリスベットさん休憩中 カッレくんが頑張るんだけど、なんだか公安とか出てきてちょっとげんなり ポリティカルミステリーのようなので、日本人にはちょっと・・・ まあ、日本も最近こういうミステリー多いし感じはつかめますが 今までのクール&ヴァイオレンス...
パート2からの続きってことで、今回はリスベットさん休憩中 カッレくんが頑張るんだけど、なんだか公安とか出てきてちょっとげんなり ポリティカルミステリーのようなので、日本人にはちょっと・・・ まあ、日本も最近こういうミステリー多いし感じはつかめますが 今までのクール&ヴァイオレンスな世界がちょっと影を潜めて・・・ どうやら下巻はグイグイ行くみたいなんで、期待しております。
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シリーズ3作目。ひと段落したと思われた2作目は全然終わりじゃなかった。リスベットもザラチェンコも死なずに病院に送られることに。そして新たな陰謀が動き始める。しかし、ミカエルたち、リスベットを守ろうとする人々もいる。どうやって陰謀に立ち向かうのか。事件は政府も巻き込んでいく。面白過...
シリーズ3作目。ひと段落したと思われた2作目は全然終わりじゃなかった。リスベットもザラチェンコも死なずに病院に送られることに。そして新たな陰謀が動き始める。しかし、ミカエルたち、リスベットを守ろうとする人々もいる。どうやって陰謀に立ち向かうのか。事件は政府も巻き込んでいく。面白過ぎて分厚い小説だが、読むのが止まらなくなる
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