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透明人間の告白(下) の商品レビュー

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2022/09/17

「H・F・セイント」のSF作品『透明人間の告白(原題:Memoirs of an Invisible Man)』を読みました。 たまにはSF作品もイイなぁ… と思い、本書をセレクトしました。 -----story------------- 35歳の平凡な男性「ニック」は科学研...

「H・F・セイント」のSF作品『透明人間の告白(原題:Memoirs of an Invisible Man)』を読みました。 たまにはSF作品もイイなぁ… と思い、本書をセレクトしました。 -----story------------- 35歳の平凡な男性「ニック」は科学研究所の事故に巻き込まれ、「透明人間」になってしまう。 その日からCIAに追われることに…… 〈本の雑誌が選ぶ30年間のベスト30〉第1位に輝いた不朽の名作。 解説:「椎名誠」 〈上〉 三十四歳の平凡な証券アナリスト「ニック」は、科学研究所の事故に巻き込まれ、「透明人間」になってしまう。 透明な体で食物を食べるとどうなる? 会社勤めはどうする? 生活費は? 次々に直面する難問に加え、秘密情報機関に追跡される事態に…  〈下〉 「透明人間」になってしまった「ニック」は、彼を万能のスパイとして利用しようとする秘密情報機関に追われ、ニューヨークを放浪する日々。 もはや平凡な幸せは手に入らないのか?… ミステリ、SF、冒険小説、ロマンスの面白さを凝縮したエンタテインメントの新たなる古典、堂々の完結編。 ----------------------- 平凡な人間が、突然、「透明人間」になってしまったら!? というテーマに真面目に取り組んだ作品でしたね、、、 証券アナリストの「ニック・ハロウェイ」は、科学研究所の事故に巻き込まれ「透明人間」になってしまう… 「透明人間」になって、無限の自由を手に入れられるかと思われたが、現実では、無限の自由どころか、「透明人間」であるが故の難問に次々と直面する。 秘密情報機関に追われ、「透明人間」であることを誰にも告白できない… 会社に勤めることができず、食料を買うこともできず、安全な部屋もなく、そして、お金を稼ぐことすらできない、、、 道路を歩けば、クルマに轢かれそうになったり、歩行者とぶつかったり、雨の日に気配を感じられ腕白な子ども達に襲われたりと危険なことばかり… 電車やバス、エレベーターに乗ることも困難になり と、大都会ニューヨークでサバイバルな生き方を選択せざるを得なくなる。 そして、一緒に事故に巻き込まれた建物や道具、服や靴は「ニック」と同様に透明になんですが、その他のモノを身に着けると、当然、存在がバレて(見えて)しまうので着替えもできないし、冬服はないし、、、 何かを食べると食べたモノ(吐瀉物と同等なモノ)が食道や胃を通過して消化される様が見えてしまい、食事すらまともに摂れない状況… 「ニック」が知恵と工夫で逃亡生活(サバイバル生活)を乗り切る展開を、「ニック」に感情移入しながら読み進めた感じでしたね。 SF作品なんですが、アクションあり、冒険要素あり、そして、ラヴロマンスあり… と多くの要素が詰め込まれていて、愉しめる作品でした。 でも、「椎名誠」の評価が物凄く高かったので期待し過ぎてしまいましたね、、、 面白かったけど、そこまででの傑作ではなかったかな… という感じです。

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2022/08/02

上下巻に分かれてますが、下巻に入ってからの展開が特に面白く後半はあっという間に読み終わってしまいました。 透明人間という題材で、喜劇/悲劇のどちらかに針を振り切るのでもなく、透明人間として生きる孤独や辛さといったシリアスな面と、何というか「大真面目であるが故にかえって生じるある...

上下巻に分かれてますが、下巻に入ってからの展開が特に面白く後半はあっという間に読み終わってしまいました。 透明人間という題材で、喜劇/悲劇のどちらかに針を振り切るのでもなく、透明人間として生きる孤独や辛さといったシリアスな面と、何というか「大真面目であるが故にかえって生じるある種のバカバカしさ(空腹に耐えかねて物を食べると胃の中のものが透けて見えちゃうとか)」みたいなもののバランス感覚が終始素晴らしいです。 自分は元々この小説の存在を知っていた訳ではなく、「高見浩さんが翻訳したもの」という探し方でたまたま出会ったのですが、話の面白さに純粋に没頭させてくれる期待通りの名訳でした。

Posted byブクログ

2021/12/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

上巻の半分ぐらい読んでこれは久々の脱落本か?と、思いつつも読み進めて正解。 でも、それもアリスが登場するまで。 アリスは特異すぎてやや都合のよいキャラにしか見えない。 退屈な部分はあれど全体としては楽しめました。 透明人間になったならと読みながら考えてみたが、それほどしたいことがないことに気づく。 確かに本編の主人公もただ生き延びることに終始。 楽しめないものなんだなぁ。 SF小説でこういう大変な目に合う主人公が経済的に安定するには株に手を出すのは定番なのね。 それはこの国ならではなのかな?

Posted byブクログ

2020/12/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやぁ〜面白かった。 何らかの理由で透明人間になってしまった人間と、政府の諜報機関との攻防も興味を惹かれるのだが、透明人間になってしまったときに困ることが実に現実的に語られるところも、面白さの一つでした。 透明人間がほうれん草のおひたしを食べたとします。 歯の間にほうれん草が挟まったら、どうなると思いますか? 食べたものは食道を通って胃袋へと移動するとき、どうなっちゃうの? がわかります。 誰にも見つからずに過ごすことが、いかに困難なのかも。 こんなに苦労をしている主人公なので、最後はご褒美的な終わり方にしたくなる著者の気持ちと同じ思いで最後のページを読みました。

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2019/05/07

透明人間にここまでハマるとは思わんかった。上巻でもそうだけど、通常なら透明人間は無敵感満載でお送りされるところを、本作ではむしろ圧倒的不利な条件として設定されているところが面白い。実際に透明になったら(なれんけど)、本主人公みたく、大変なことの方が盛り沢山なんだろうなってのは、深...

透明人間にここまでハマるとは思わんかった。上巻でもそうだけど、通常なら透明人間は無敵感満載でお送りされるところを、本作ではむしろ圧倒的不利な条件として設定されているところが面白い。実際に透明になったら(なれんけど)、本主人公みたく、大変なことの方が盛り沢山なんだろうなってのは、深く納得させられた。まんまと逃げおおせたけど、この後の展開も凄く気になる。良い終わらせ方だと思うけど、続きも読みたいという、そんな満足度の高い物語でした。

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2018/03/12

1987年発表作。翻訳された当時は大いに話題となり、2005年には「本の雑誌が選ぶ30年間のベスト30」第1位に選ばれている。今も「名作」として読み継がれているのだが、数多の熟練批評家/作家/読者らの絶賛コメントに、私が共感できることは多くない。着想はともかく、物語の展開が実に単...

1987年発表作。翻訳された当時は大いに話題となり、2005年には「本の雑誌が選ぶ30年間のベスト30」第1位に選ばれている。今も「名作」として読み継がれているのだが、数多の熟練批評家/作家/読者らの絶賛コメントに、私が共感できることは多くない。着想はともかく、物語の展開が実に単調と感じたからだ。 本作を要約すれば、「ニューヨークで透明人間として暮らすことがいかに大変か」という一文で事足りる。主人公ニック・ハロウェイは、予期せぬ科学研究所の事故によって透明人間となり、国家の「秘密情報機関」から追われる身に。〝見えない人間〟故に、逃走は容易と考えるところだが、その存在を知る者らには、逆に探知しやすい痕跡を残すことが分かる。しかも、他人に見えない身体は、人や車が行き交う大都会の街中では生命の危険に直結し、さらに突然の〝失踪〟は社会との関わりを失うばかりではなく、群衆の中での孤独を浮き立たせた。この逆転した見方によって、透明人間の生き辛さを痛感させる挿話はアイロニーに満ちており、着眼として優れている。 だが、透明化した体内で食べ物の消化過程が見えてしまうなど、諸々のエピソードはユニークだが、長いストーリーの中で同じような描写を繰り返すのは余分。そもそも、透明となった眼球で物を視ることが可能なのか、という大前提が解決されていないため、細部でこだわるリアリティーに違和感しか残らない。 ハロウェイは極めて常識人で、「逃げ隠れる」毎日を送る一方で、常人に迷惑を掛けない生活を続けていくことを試みる。俗人であれば思い付く〝悪業〟に染まることなく、元エリート証券マンとしての知恵を活かし、出来る限り真っ当な手段で日々の糧を稼ぐ。つまり、この男は透明人間となる前と変わらぬ人生を送ることを望むのである。追跡を振り切りたければ、ニューヨークから離れればいい話だが、追跡者の予想通り住み慣れた街にこだわり続ける。この生き方がどうも焦れったく、終盤に至ってようやく追っ手への反撃の構えをみせはするのだが、結果的に大きく変転させることもなく、自らの境遇を受け入れていく。 要は、さらなる冒険へと結び付くこともなく、透明人間の不可思議な日常を綴ることに終始したまま、「告白」は閉じられていくのである。荒唐無稽では興醒めだが、〝等身大の透明人間〟にもさっぱり魅力を感じない。

Posted byブクログ

2013/06/04

やっと読み終わった。敵陣へ偵察へ行くスリルあり、食事やトイレの心配もあり、透明人間のサバイバル生活どきどきしながら楽しんで読めた。 いいラストで読後感も良し、でした。

Posted byブクログ