ガフールの勇者たち(14) の商品レビュー
<とある時代のとある場所で、フクロウたちが、高度な文化をはぐくんでいた> ソーレンの末娘のベルを助けた<中の国>の青フクロウのストリーガは、カブールの神木に迎えられていた。 ストリーガたち青フクロウは、本当は悪の魔術を使える黒フクロウなのだが、数百年前の僧侶により、華美で虚栄に彩...
<とある時代のとある場所で、フクロウたちが、高度な文化をはぐくんでいた> ソーレンの末娘のベルを助けた<中の国>の青フクロウのストリーガは、カブールの神木に迎えられていた。 ストリーガたち青フクロウは、本当は悪の魔術を使える黒フクロウなのだが、数百年前の僧侶により、華美で虚栄に彩られた生活を送ることによりその魔術を封じられていた。 ストリーガは、そんな見栄えだけ飾るが鳥なのに飛ぶこともできずに生きる意味もない日々が嫌になり、自分で自分を律する善のフクロウになろうと思って脱走したのだった。 そんなストリーガは、飾ること、贅沢なことを極度に嫌い、他のフクロウたちにも「謙虚な生き方」を推奨するのだった。 カブールの若き王のコーリンは、ストリーガを友達と思いやりたいようにやらせていた。 そんな折、コーリンの叔父であるソーレンを中心としたカブールの勇者たちは調査旅行に出かける。 ソーレンたちの留守中の神木で、ストリーがの教えは段々過激になり、飾りや祭りをすべて否定し、余計な知識として本を焼き払い、抵抗するフクロウを捕縛して挙げ句には火炙りにかけるという恐ろしいものへと変わっていった。 そしてコーリンはストリーガに操られ、カブールの神木はすっかり青フクロウたちに占拠されてしまうのだった。 ストリーガは、ソーレンたちを反逆者として捕縛、処刑を企む。 だがあるきっかけで目が覚めたコーリンは、密かにカブールの神木を抜け出し、叔父のソーレンたちと合流し、カブールの神木の奪還を目指すのだった。 === 出てきたときは内省的かと思ってた青フクロウストリーガが新興宗教の煽動家のようになっていた。この本は私と次男とで読んでいるんだけど、「引きこもり君がはっちゃけちゃったー」と言っている 笑 いままでにも、洗脳、魔術、虚像崇拝などが書かれて来たけれど、今度は新興宗教による焚書坑儒や思考能力の剥奪、そして火刑にまで行き着いてしまった。いやコワイよ、児童文学でこれはコワイよ。 焚書に反対するフクロウの言葉がこちら。 <今は国中のフクロウたちが危険にさらされているの。彼らの言う”よけいなもの”を捨てるだけでは済まないわ。考える権利を捨てない限り、危険にさらされ続けるでしょう。でも本は燃やせても、考えや知識を消し去ることはできないわ。 彼らが考えや知識をおそれるのは、臆病だからです。わたしには家族への愛、知識への愛があるけれど、あの人達にあるのは憎しみだけ。わたしは本を読んで生きる力を得るけれど、あの人達は恐怖から本を焼くの。 わたしのほうが勇気もあるし、知恵もある。だって考える力を持っているから。P163より抜粋>
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前の巻とこの巻とで、ストリーガさんの立場が正反対な気がするんだけど。何が彼をそうさせたのか。 単純に承認欲求なのかもしれない。 余計なものを捨てることを強要する彼が、何よりも承認欲求という、どうしても捨てられない余計なものを求めているのではないだろうか。
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神木で暮らすようになった青いフクロウ。しかし彼は謙虚に生き方に反する「よけいなもの」としていろんなものを捨てるようにと、まわりの洗脳しはじめた。コーリン王も様子がおかしい。 そんな中ソーレン達4人組が調査の旅にでかけた先で本が焼かれてたり、またフクロウまでもが焼かれていた姿を知...
神木で暮らすようになった青いフクロウ。しかし彼は謙虚に生き方に反する「よけいなもの」としていろんなものを捨てるようにと、まわりの洗脳しはじめた。コーリン王も様子がおかしい。 そんな中ソーレン達4人組が調査の旅にでかけた先で本が焼かれてたり、またフクロウまでもが焼かれていた姿を知る。 この本は怖いですね。どの巻もそうなんですが、物語に引き込まれます。おだてて気力をなくさせて自分のいいなりにする、言葉だけなのに洗脳するなんて、現実にもある。そんなことしたらいかんよ。 次巻でシリーズ完結らしい。
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次から次へと問題が起こる神木周辺。いつになったら平和は訪れるのでしょう…。それにしても頭のおかしいフクロウ多いな。
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平和になった世界のはずが・・・ いつもにぎやかな収穫祭が、今年はなくなる? ガフールの神木に何が起きているのか? 青いふくろうのストリーガ 前回ソーレンたちを助けてくれた大恩人ですが、なにやら不穏な動き。 今回は最初から、コーリンが情けない状態になっています。でも最後にはようやく...
平和になった世界のはずが・・・ いつもにぎやかな収穫祭が、今年はなくなる? ガフールの神木に何が起きているのか? 青いふくろうのストリーガ 前回ソーレンたちを助けてくれた大恩人ですが、なにやら不穏な動き。 今回は最初から、コーリンが情けない状態になっています。でも最後にはようやく砂嚢が働きだして、逆襲します。さすがガフールの王! 「常に謙虚でなくてはなりません。謙虚に生きるためにはよけいなものは捨てなくてはいけない」ともっともらしいことのように思いますが・・楽しみも喜びも全て捨ててしまって生きていけるでしょうか? なかなか今回は完全なる悪との対決というよりは哲学的な内容で、考えさせられますね。子供たちにもいい勉強かも さて、 最後の章は「オツリッサの幸せ」という題です。抜群の頭脳を持つ教授オツリッサですが、戦いですごい傷を負ってしまいますが、最後にはこんなに幸せになれて・・・よかったよかった。
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前作で懸念された通り、ストリーガはよろしくない存在になってしまいましたね。 実に狡賢い。 でも、心を豊かにする物をなんでもかんでも《よけいなもの》だと言って、弾圧することしか出来ないストリーガはちょっと可哀想。 このシリーズを読んでいると、偏狭なのは良くないとつくづく感じます...
前作で懸念された通り、ストリーガはよろしくない存在になってしまいましたね。 実に狡賢い。 でも、心を豊かにする物をなんでもかんでも《よけいなもの》だと言って、弾圧することしか出来ないストリーガはちょっと可哀想。 このシリーズを読んでいると、偏狭なのは良くないとつくづく感じます。 ガフールの勇者たちの精神が、読んでいて小気味よくて好きなんだ。 間違いを認めたら、赦して、励ましあうしね。 にしても、今回、コーリンは思い悩みすぎ。(毎回か?) カロが出てきたので、友達がいればコーリンもまた変わってくるかな。続きに期待。 あと!! 良かったね!!オツリッサ良かったね!!ちょっとウルウルしてしまった。 しかし、ストリーガとナイラが手を組んだ所で続くっていうのがまたねー。 悪と悪が手を組んで、これからの展開も目が離せない!!
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