しあわせのパン の商品レビュー
次つぎ出てくる季節の食材を用いた料理やパンが何とも食欲をそそる。それが訪問客の心を動かしドラマを産むのだが、肝心のオーナー夫婦?りえと水縞の人間像と関係性がぼんやりとしているためホテルは何とも不思議な雰囲気を醸し出す。 特に終盤のテーマ、りえの「心の闇」がもう一つよくわからず。後...
次つぎ出てくる季節の食材を用いた料理やパンが何とも食欲をそそる。それが訪問客の心を動かしドラマを産むのだが、肝心のオーナー夫婦?りえと水縞の人間像と関係性がぼんやりとしているためホテルは何とも不思議な雰囲気を醸し出す。 特に終盤のテーマ、りえの「心の闇」がもう一つよくわからず。後半の水縞の日記では彼の生き方や葛藤、りえへの心情が表され、少し小説らしさが出てきたが、りえの闇がつかめない為それを必死に受け止めようとする水縞の思いもリアリティーを欠く。(りえは、いわゆる「自分探しの旅」と言う宛の無い旅路の迷い人?) 全体的に登場人物はイイ人ばかりと言うか言葉が薄っぺらく、皆さんあっさりお悩み解決されていく印象。そう言った意味では「しあわせのほん」かな。 とにかくパンは美味しそう。
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月がマーニに頼みました 太陽が眩しいので、太陽をとって欲しいんだ マーニは月に言いました そんなことしたら、君が消えてしまうよ 大切なのは君は照らされていて、 君が照らしているということなんだよ
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りえさんも水縞くんも無理に励ましたり語ったりしないのがいいなと思いました。 ゆったりした時間と温かくて美味しいものがちょっぴりあれば、人は自分で正解を見つけられるのかもしれないなと思いました。
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ほっこりとした気持ちになれました。 映画化されているようですが、私は見たことがありません。今、頭の中に描かれている月浦の風景を上書きしたくない気持ちでいっぱいなので、しばらくはこの余韻に浸りたいと思います。
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「しあわせのパン」 映画を勧められたので先ずは本から… 北海道の月浦で“夫婦“が営む 「cafe mani(マーニ)」 そこを訪れる人々との出会いや夫婦のかたちからしあわせとは何かを語りかけてくる物語。 読後はとても優しく穏やかな気持ちになれる。 やっぱり「あたたかい食べ物」...
「しあわせのパン」 映画を勧められたので先ずは本から… 北海道の月浦で“夫婦“が営む 「cafe mani(マーニ)」 そこを訪れる人々との出会いや夫婦のかたちからしあわせとは何かを語りかけてくる物語。 読後はとても優しく穏やかな気持ちになれる。 やっぱり「あたたかい食べ物」って大切で ほんとうの幸せって案外身近にあったりする。 丁寧にいれられた珈琲と心を込めて作られたパン…これもまた、たまらなく贅沢でしあわせな時間。 最後の章 水縞くんの「カラマツのように君を愛す」と、エピローグでりえさんが母に宛てたであろう手紙にジーンと来た。 小説では『月とマーニ』の絵本が巻末にあるので頁をめくりながら、ゆっくりと思いに耽る時間がもてた。 三島有紀子さんの作品は本作が初めてだった。 先に出された本作の映画も三島さん脚本だが、 どうやら小説とは内容が違うとか… それもまた素敵。 是非そちらも観てみようと思う。 以下、特に心に響いたフレーズ 「乾杯の数だけ人は幸せになれるそうです。 ヨーロッパのどこかのことわざらしいんですけど。 いいことがあったら乾杯して、何か残念なことがあっても乾杯して、1日の終わりを乾杯でしめくくれたら、それは幸せだ」 「やっぱり…私は、たまたま生き残ったんやと思います。 せやから、「もうええやろ、」と「まだまだ」の繰り返しですけど、とりあえず今日一日を、大切にがんばろうと思うてます。それだけです。」 「自分たちの信じることを、心を込めてやっていく、そんな地に足の着いた人間らしい暮らしが、ありました。 カンパニオ、仲間と一緒に。 それにこそ、しあわせがあるような気がいたします。」 「大切なのは 君が、照らされていて 君が、照らしている ということなんだよ。」
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優しい話しだった。 料理もとても美味しそうで、町の情景も何もかもすっとイメージが浮かんでくる、とても上手だなーと思った。 ただ、私に読解力が無いだけだと思うが、一番最後の章があまりよく分からなかった。手紙書いた相手って誰だった?出て来てた???
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やはり私は優しい感じの本が好きなようです。三島さんの本も初めて読みましたが、優しい感じのタッチが素敵でした。
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本書は、映画監督・脚本家である三島有紀子さんの初小説作品。自ら手がけた映画「しあわせのパン」の公開(2012)に先駆けて、同名小説を刊行したものだそうです。 北海道洞爺湖畔の「カフェ・マーニ」。訪れる人は、丁寧に淹れられた珈琲、丁寧に焼かれたパン、四季折々の食材を活かした食...
本書は、映画監督・脚本家である三島有紀子さんの初小説作品。自ら手がけた映画「しあわせのパン」の公開(2012)に先駆けて、同名小説を刊行したものだそうです。 北海道洞爺湖畔の「カフェ・マーニ」。訪れる人は、丁寧に淹れられた珈琲、丁寧に焼かれたパン、四季折々の食材を活かした食事、丁寧に接するりえさんと水縞くんに心をほぐされ、癒されていきます。でも、丁寧にお客様をもてなす2人も、ふと哀しい表情をすることがあるのでした‥。 本書の中に頻繁に登場する架空の絵本「月とマーニ」が、物語の大きな役割を担っているようです。りえさんの願い・カフェの理想像であり、この物語の重要なテーマなんだと思います。 この絵本、著者自身による非売品なのですが、巻末に収録されていて、とてもよい味を出していますね。子どもにとっても、大人にとっても奥が深いです。特に、傷つき悩んでいる人には響くでしょう。 お互いに照らし合う‥、そんな分け合える幸せを教えてくれる温かく優しい素敵な物語でした。 ゆったりと過ごす時間、美味しいパンと珈琲‥。好きな時に好きな事を。必要な分だけ。あ〜たまらなく贅沢です‥。
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--大切なのは 君が、照らされていて 君が、照らしている ということなんだよ-- なにが、とか、ここが、とか、じゃなくて、この本が良い。 押し付けがましくない優しさと、美味しそうな食べものと、それを彩る仲間たちの魅力が溢れ出る小説です。 心をふっと軽くしてくれるパンはいかが...
--大切なのは 君が、照らされていて 君が、照らしている ということなんだよ-- なにが、とか、ここが、とか、じゃなくて、この本が良い。 押し付けがましくない優しさと、美味しそうな食べものと、それを彩る仲間たちの魅力が溢れ出る小説です。 心をふっと軽くしてくれるパンはいかがですか?
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何回も読んだ本。 大自然に囲まれながら時を忘れられる。自由で好きなことをする。しかし、一見幸せそうに感じつつもそうでなもない深い悲しみを背負っている。都会から離れて暮らすことで人間らしさを取り戻し、珈琲とパンを通して前を向いて歩こうとする傑作作品。映画も大好き。
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