日本を捨てた男たち の商品レビュー
2011年 開高健ノンフィクション賞受賞作品。 登場する男性は、フィリピンバーの女の子に財産を入れ込み、フィリピンまで渡ったり、借金で日本に居場所がなくなりフィリピンに逃げたりの訳ありの人たち。そしてみな困窮生活を送っている。 本に登場する人たちが、なぜフィリピンで困窮邦人にな...
2011年 開高健ノンフィクション賞受賞作品。 登場する男性は、フィリピンバーの女の子に財産を入れ込み、フィリピンまで渡ったり、借金で日本に居場所がなくなりフィリピンに逃げたりの訳ありの人たち。そしてみな困窮生活を送っている。 本に登場する人たちが、なぜフィリピンで困窮邦人になったのか。その経緯を読むと、身近におこるのか、おこらないのかは紙一重だと思った。彼女たちには、ちょっとした心の透き間に すっと入り込める魅力があるのだと感じた。 著者は巻末で「困窮邦人は日本を捨てたのではないだろうか」という文脈でまとめているが、この部分にだけ僕は違和感...というか、無理にまとめようとした感じをおぼえた。確かに日本が捨てられたのかも知れないけれど、もっと複雑なものが同時にからみ合っているいると思うからだ。 ところで、この本を読んで「途上国(後進国)で財産を失うと、日本への帰国が極めて難しい」ということに僕は気がつきました。 労働単価の安い国では、航空チケット代を稼ぐのが難しい。合法的に滞在できる期間で、それだけの収入を得ることは難しいし、長期間働いてしまえば不法滞在になり、その罰金も発生するし。僕にとっては 目からウロコ でした。
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