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魔法の泉への道 の商品レビュー

3.7

10件のお客様レビュー

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2019/11/16

2人の視点双方から一章ずつ語られていく物語。視点の一方のサルヴァは内戦中のスーダン南部の村に住む11歳の少年。あと数分で授業が終わり家に帰るという時、突然、校舎の外で銃声がし、先生が「逃げろ!」と叫んだ。村へは行かず反対方向へ茂みに隠れて逃げろと。 もう一方はナーヤという同じく1...

2人の視点双方から一章ずつ語られていく物語。視点の一方のサルヴァは内戦中のスーダン南部の村に住む11歳の少年。あと数分で授業が終わり家に帰るという時、突然、校舎の外で銃声がし、先生が「逃げろ!」と叫んだ。村へは行かず反対方向へ茂みに隠れて逃げろと。 もう一方はナーヤという同じく11歳でスーダン南部に住む少女。日に2回の水汲みで1歩きずくめの1日が終わる。7ヶ月間1日の休みもない。乾季には湖の近くにあるキャンプに移り住むが、そこでも5ヶ月間泥を掘ってじわじわと湧き出てくる泥水をすくう水汲みが続く。キャンプでは、ナーヤ達のヌアー族とディンカ族との衝突も度々あり、死者が出ることもあった。 サルヴァは歩き続け、難民となり成長していくが、時系列はナーヤと同じではない。最後に2人が出会う事をまるで想像できない状態で物語は進んでいくが、最後に全てがはっきりとわかる。 食べ物飲み水の不便さを抱えながらも懸命に生きる2人が戦争の無慈悲さをより一層際立たせているようで、平和な日本に住む子どもたちに、読んでほしい物語だった。 章の形が不慣れで戸惑うかもしれないが、文章は読みやすく、高学年に薦めたい。

Posted byブクログ

2018/02/24

戦争に巻き込まれただけの人々。 その想像を絶する世界を想像する。 一方で、戦後も貧しい生活を続けている人々。 何も変わっていないという不毛さに、虚しくなる。 サルヴァがロスト・ボーイズになったからこそ、ナーヤの暮らしが変わったという、そんな皮肉なラストには、なんとも言えない気持...

戦争に巻き込まれただけの人々。 その想像を絶する世界を想像する。 一方で、戦後も貧しい生活を続けている人々。 何も変わっていないという不毛さに、虚しくなる。 サルヴァがロスト・ボーイズになったからこそ、ナーヤの暮らしが変わったという、そんな皮肉なラストには、なんとも言えない気持ちになる。 そこに、希望だけをみることはできない。

Posted byブクログ

2013/08/24

実話を元にした物語で、主人公はNPO「スーダンに水を」の設立者。 スーダンの内戦に翻弄される少年と、水が不足しているために時に死者まで出る苦境の中で暮らす少女の物語。 戦争を経験したこともなく、水不足に悩んだこともない私には想像もつかない世界の話ですが、これらは確かに現実に起こ...

実話を元にした物語で、主人公はNPO「スーダンに水を」の設立者。 スーダンの内戦に翻弄される少年と、水が不足しているために時に死者まで出る苦境の中で暮らす少女の物語。 戦争を経験したこともなく、水不足に悩んだこともない私には想像もつかない世界の話ですが、これらは確かに現実に起こっていることなのだなと再認識です。

Posted byブクログ

2012/12/15

民族間による内戦がおきたスーダン。ある日突然、主人公の少年の学校を、銃を持った大人が襲ってくる。 少年は家族の消息もわからないまま、命からがら見知らぬ人々と祖国を追われ、隣国に脱出するために歩き続けることになる。 彼が歩きながら見たもの・体験したもの、そしてまだ少年の彼が「なぜ生...

民族間による内戦がおきたスーダン。ある日突然、主人公の少年の学校を、銃を持った大人が襲ってくる。 少年は家族の消息もわからないまま、命からがら見知らぬ人々と祖国を追われ、隣国に脱出するために歩き続けることになる。 彼が歩きながら見たもの・体験したもの、そしてまだ少年の彼が「なぜ生かされたのが自分なのか?」と思い悩む姿に、大人として切なくなる。 希望あるラストにほっとするとともに、スーダンの子どもたちの幸せを祈らずにはいられない。

Posted byブクログ

2013/12/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 南スーダンの独立戦争の中で家族と離れ離れになり、難民となってしまった少年・サルヴァ(1980年代~の話)と、水汲みに追われ学校に行けない少女ナーヤ(2008~2009年ごろ)お話が交互につづられて最後に繋がる。なんとほぼ実話だった。  人間のみならず、ライオンやワニ、飢えにも苦しめられ、友や叔父を次々に失っていった難民時代はかなり救いのない話で、まったく月並みな感想ながら、日本やアメリカと同じ地球上にあるとは信じられないような世界だった。  しかしわたしは本当にアフリカのこととか知らないなあ。もっと世界に目を向けられるようになりたいもんです。 原題:A Long Walk to Water

Posted byブクログ

2012/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

平和に暮らしていたところに、無慈悲な銃弾が襲いくる。 どこへ向かえばよいのかわからないまま、やっとできた親友をなくし、力強かった叔父すらなくす。 ここで主人公は腹をくくり、生き延びることに貪欲になった。 キャンプでは学ぶことを諦めず、アメリカに養子となる。立派な若者だ。ほんとうに立派だ。 最後の部分がもしかたらファンタジーの結末なのかもしれないけれど、彼は くじけずに、というとほんとうに陳腐だけど、粘り強く、柔軟な姿勢でやりぬいた。でもきっとスタートラインに立てただけだ、というんだろうな。 戦争への怒りと生きる力を徹底的に子供の目から描いた作品。

Posted byブクログ

2012/05/22

南スーダン共和国が、まだ独立しない頃の話がメイン。 南スーダンに水を というプロジェクトをしている、 スーダン人の逃亡?生活と、 今を生きる女の子の話が交互に書かれている。 もっとリアルに、もっと現状を伝えてもよかったのではないかなぁ。 児童書だからか、いまいち物足りなかった...

南スーダン共和国が、まだ独立しない頃の話がメイン。 南スーダンに水を というプロジェクトをしている、 スーダン人の逃亡?生活と、 今を生きる女の子の話が交互に書かれている。 もっとリアルに、もっと現状を伝えてもよかったのではないかなぁ。 児童書だからか、いまいち物足りなかったなぁ。 でも、おとな向けの本だと理解不能になっちゃうんだろうな。 その中間の本がほしいなぁ。 今のスーダンを取り上げるきっかけとしてはいいのかもしれない。

Posted byブクログ

2012/01/22

少女の話と少年の話が並行して進むので、いつか話が交差するのだろうと思っていたけれど…。 この作者の「モギ」が好きだったので、期待して読んだわりにはいまひとつでした。 井戸を作る運動として、ノンフィクションでもよかったように思う。

Posted byブクログ

2012/01/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本では、ふたつの話が交互に語られる。 ひとつは、2008年のスーダン南部。11歳の少女ナーヤは家族のため日々水汲みに明け暮れていた。 もうひとつは、1985年のスーダン南部。11歳の少年サルヴァは、戦闘から逃れるため、村を去る。 やがて、2009年のスーダン南部。完成した井戸の前でサルヴァとナーヤが初めて出会う。 ふたりの異なる部族は仲が悪く長年争ってきたが、サルヴァは部族に関係なく井戸を掘る。 スーダンの内戦で家を失い、家族とはぐれ、さ迷ったすえに、難民キャンプにたどり着いた子どもたちを、ロスト・ボーイズと呼ぶそうだ。 内戦で故郷を追われたサルヴァは難民キャンプを転々とし、やがて国際的な支援を得てアメリカに移住する。 そしてアメリカの教育を受け、NPO「スーダンに水を」を設立し、井戸掘削の活動を続けている。 これは、彼の実体験を元に書かれた本だ。 困難にあっても決して希望を捨てず、粘り強く生き抜いた人生を、今は故郷のために捧げている。 努力を重ね、一歩ずつ着実に前進する彼の姿にも強く心を打たれた。 この本にこめられたメッセージを、ぜひ子どもたちに伝えたいと思う。

Posted byブクログ

2012/01/06

ロスト・ボーイ…戦争で家族を失った子供。 難民キャンプをあちこち彷徨いながらも、英語を学ぶチャンスがあり、そしてアメリカに渡り、養子として迎えられる。 「命」があったのが幸運なのか?アメリカに渡るチャンスがあったのがラッキーなのか?それは、考え方次第。 しかし、「命」があったので...

ロスト・ボーイ…戦争で家族を失った子供。 難民キャンプをあちこち彷徨いながらも、英語を学ぶチャンスがあり、そしてアメリカに渡り、養子として迎えられる。 「命」があったのが幸運なのか?アメリカに渡るチャンスがあったのがラッキーなのか?それは、考え方次第。 しかし、「命」があったので、実父に再会ができ、NPOの活動ができるのは事実である。「命」の生かし方・尊さを考えさせらた本である。

Posted byブクログ