女ひとりの巴里ぐらし の商品レビュー
憧れの街、巴里に惹かれて古本屋で購入。買って良かった!!!三島由紀夫の前書きの言葉を借りれば、本当に下町の人々の『息いきれ』を感じた。 パリへの憧れは尽きないが、華やかな面だけでなく『横道に逸れたパリ』も知ることができた。 生き生きと、生々しいほど描写が巧みで、歌を商売とする女、...
憧れの街、巴里に惹かれて古本屋で購入。買って良かった!!!三島由紀夫の前書きの言葉を借りれば、本当に下町の人々の『息いきれ』を感じた。 パリへの憧れは尽きないが、華やかな面だけでなく『横道に逸れたパリ』も知ることができた。 生き生きと、生々しいほど描写が巧みで、歌を商売とする女、体を売る女…様々な女性たちの生きる姿にページを捲る手が止まらなかった。 著者は謙遜して書いているようだが、時代が時代なだけに海外で一流の歌手として生計を立てることができた女性は本当に凄い。 藤田嗣治はじめ有名な人々の名前も多く出てくる。
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スラスラと読めた〜最高だな〜 リアルなミッドナイトインパリみたい キャバレー憧れてるからかな… 大物めっちゃ来てたんだな〜 そんな中日本から1人で頑張ってたなんて凄すぎる こういうリアルなストーリーなかなか読めないから貴重
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石井好子再読月間となっているけど、これと『いつも異国の空の下』を続けて読む喜びを発見。パリを中心に世界のあちこちを旅暮らした1950年代を、のちの違う時期に振り返って書かれているので、街も人物たちも、より生き生きと立体的に見えてくるのだ。 フェアで透徹した視点と、人とものに寄せる...
石井好子再読月間となっているけど、これと『いつも異国の空の下』を続けて読む喜びを発見。パリを中心に世界のあちこちを旅暮らした1950年代を、のちの違う時期に振り返って書かれているので、街も人物たちも、より生き生きと立体的に見えてくるのだ。 フェアで透徹した視点と、人とものに寄せる深い愛情ってそうそう両立しない。尊敬をおぼえつつ、読めば読むほど味わい深い。おいしい描写もたくさんあるしね
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著者はシャンソン歌手。パリのミュージック・ホール≪ナチュリスト≫でアルティストとして勤めた1年間の日々の暮らしぶりが綴られている。歌の勉強に励み、毎晩四公演もの舞台をこなす奮闘ぶりや、ミュージック・ホールの踊り子やマヌカンたちとの舞台裏など、華やかな舞台の光と影を、上品かつ小粋な...
著者はシャンソン歌手。パリのミュージック・ホール≪ナチュリスト≫でアルティストとして勤めた1年間の日々の暮らしぶりが綴られている。歌の勉強に励み、毎晩四公演もの舞台をこなす奮闘ぶりや、ミュージック・ホールの踊り子やマヌカンたちとの舞台裏など、華やかな舞台の光と影を、上品かつ小粋な言葉で穏やかに語る。パリの風に吹かれたかのような読後感。
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シャンソン歌手石井好子さんの、パリでの暮らしを綴ったエッセイ。 ナチュリストというキャバレーでの一年間を中心に描かれています。 料理を中心に書かれた巴里の空の下~、東京の空の下~、が面白かったので続けて購入。 キャバレーで働く仲間が一癖も二癖もある。 こんなに個性が強いのは、一...
シャンソン歌手石井好子さんの、パリでの暮らしを綴ったエッセイ。 ナチュリストというキャバレーでの一年間を中心に描かれています。 料理を中心に書かれた巴里の空の下~、東京の空の下~、が面白かったので続けて購入。 キャバレーで働く仲間が一癖も二癖もある。 こんなに個性が強いのは、一昔前だから?外国だから? 現代の日本でここまで強烈な人はなかなか見ないので、どこか小説を読んでる気分にもなりました。 戦後すぐのパリのショービスの雰囲気が味わえてワクワクします。 まだテレビが主流じゃなく、劇場に足を運んで生のステージを観る。 お金のある人じゃないとできない娯楽だったんですね。 サラッと有名人との交流が出てきたりして、時代の最先端だったんだなあと。 一方で演者や裏方の人間は、生活に困窮していることも多く…。 確かにその時代にパリを生きていた人たちのリアルが感じられてのめり込むように読みました。 石井さんの描写力が凄い!客観的でいて、上品でもあるので読んでいて心地良いです。 パリの雰囲気にウットリしたり、世間の厳しさにしんみりしたり、盛りだくさんな一冊でした。
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1950年代のパリ ーー 60年も前に書かれた文章、セピア色の写真で見るようなレトロな世界が描かれているだろうと思い手に取った一冊。良い意味でその期待は裏切られた。生き生きと描かれた筆者を囲む登場人物達は、全く時代の流れを感じさせない魅力に溢れている。本物のセンスの良さとは、時が...
1950年代のパリ ーー 60年も前に書かれた文章、セピア色の写真で見るようなレトロな世界が描かれているだろうと思い手に取った一冊。良い意味でその期待は裏切られた。生き生きと描かれた筆者を囲む登場人物達は、全く時代の流れを感じさせない魅力に溢れている。本物のセンスの良さとは、時がたっても古くならないものなのだろうと感じた。
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1950年代のパリで、歌手として過ごした日本人女性。 歌手や踊り子たちの舞台裏での様子など、その世界に入り込み、暮らした人にしか書けない部分が多くあるような気がする。 旅行ではなく、「生活した」様子をよく伝えている。
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50年以上も前に、パリのミュージックホールで、歌手としてきちんと自立して生計をたてていた(というか、むしろ人気スター的ポジションにいた)日本人女性がいたなんて。まずはそこが驚き。 そして、その当時の楽屋での煌びやかででもドタバタで人間らしい毎日が、こんなにもイキイキと、日常の香...
50年以上も前に、パリのミュージックホールで、歌手としてきちんと自立して生計をたてていた(というか、むしろ人気スター的ポジションにいた)日本人女性がいたなんて。まずはそこが驚き。 そして、その当時の楽屋での煌びやかででもドタバタで人間らしい毎日が、こんなにもイキイキと、日常の香りを伴って文字と共に目の前に出現することの楽しさ。これはハマる。 誉れ高き文化とファッションの都パリ、ではなくて、生活する場としてのパリ、しかも、その生活基盤が「歌うこと」にあった芸人の日常風景を、こんなに素敵に調理して見せてくれたエッセイがあったろうか。(ないよね!) 同部屋のダンサー達とのつかず離れずの関係や、忙しい毎日にふっとしのびこむ人間ドラマや、コミカルで喜劇的なドタバタ話まで、はちきれんばかりの宝箱を開けた時のように、色とりどりのエピソードがぽんぽんと飛び出してくる。その合間に、作者の感性が優しく練りこまれていて、楽しさと郷愁と思索とを感じさせてくれる。 久々に良いエッセイを読んだ。読み終わると、しばらくはこの本の持つ世界へトリップしてしまう。そしてそれがまた快感なんだな。
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料理エッセイとは全く違って、歌い手としてパリのキャバレーで働いていた1年のこと。その時代に外国で働く、しかも歌手として働くことはどのようなことだったのだろう。逞しい日本女性がいたんだ。 2014.4.26 再読。また読んで、またおもしろい。 2017.11.19
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「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」の人ですが、そういえばオムレツ専門家ではなくてシャンソン歌手でいらっしゃいました。 1950年代のパリの街で、一人、キャバレー(日本で言うキャバレーとは違う)の歌手として1年働いた記録。 文化史的な史料価値も高いんじゃないかと。面白かった。
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