冬の夢 の商品レビュー
「その火花の片鱗は、その少女の中に既にほの見えていた。彼女が微笑むと、唇の両端がぐいとねじれたように下がるところや――」 ラストの言葉 「ずっと昔、僕の中には何かがあった。でもそれは消えてしまった。それはどこかに消え去った。どこかに失われてしまった。僕には泣くこともできない。思い...
「その火花の片鱗は、その少女の中に既にほの見えていた。彼女が微笑むと、唇の両端がぐいとねじれたように下がるところや――」 ラストの言葉 「ずっと昔、僕の中には何かがあった。でもそれは消えてしまった。それはどこかに消え去った。どこかに失われてしまった。僕には泣くこともできない。思いを寄せることもできない。それはもう二度と再び戻っては来ないものなのだ」 図書館で借りたが、他の作品を読む必要があり、「冬の夢」だけ読んだ。
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およそ100年前の小説。美しい少女が女性になり、翻弄される主人公の物語。といってしまえばそれまでなのだけれど、自然現象や生き物の営みの中で現れる、ほんの一瞬のきらめきを捉えて、それが失われたことを知る心の動きが描かれていた。男女のことに限らず、人生のほんの短い間でしか出会えない理...
およそ100年前の小説。美しい少女が女性になり、翻弄される主人公の物語。といってしまえばそれまでなのだけれど、自然現象や生き物の営みの中で現れる、ほんの一瞬のきらめきを捉えて、それが失われたことを知る心の動きが描かれていた。男女のことに限らず、人生のほんの短い間でしか出会えない理解できない出来事がある。それに遭遇できただけでも、この主人公は幸運だったのかも。
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面白い。表題作『冬の夢』は、まんま『グレートギャツビー』の原型のような作品。 『リッツくらい大きなダイヤモンド』は、意外と大衆的な、ロマンチックなお話。 全体的に『ギャツビー』の要素が散りばめられたような作品が多く、これを読んだ後また『ギャツビー』を読みたくなった。
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五つの短編が収録されておりそれぞれに村上春樹さんからの注釈が付けられている作品。表題作とメイデーはとても読み応えがあり満足感も高かったが、残りの罪の赦し、リッツくらい大きなダイアモンド、ベイビーパーティーは時代背景や私の理解力のなさもあるだろうが十分面白かったもののいまいち要領を...
五つの短編が収録されておりそれぞれに村上春樹さんからの注釈が付けられている作品。表題作とメイデーはとても読み応えがあり満足感も高かったが、残りの罪の赦し、リッツくらい大きなダイアモンド、ベイビーパーティーは時代背景や私の理解力のなさもあるだろうが十分面白かったもののいまいち要領を得なかった。 ただ、風景描写や心情描写はとても美しく訳者との相性も合っていたと感じた。描写の美しさのためだけにでも読む価値はあると思う。どことなく作者はメイデーのようなマルチプロットが得意なようにも思えた。また仕方ないことなのかもしれないが個人的には訳者が「華麗なるギャツビー」との比較やそれに向けてということをしつこいくらい書いていることに少し嫌気が差した。
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グレート・ギャツビーしか読んだことなくて、それも10年以上前。 この短編集を読んで、もう一度読んでみようと思う。他の作品も。 「メイデー」を読んだのが偶然にもメイデーだったことに驚きつつ。
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自分にもジュディー・ジョーンズのような人がいた。若さゆえの一時的な感情の彩りだったのか、今はわからないし、きっと確かめたくはない。僕は失ったことで得た彩りを"更に"は失いたくないから…(でも死ぬ前に一度会いたい、いややっぱりやめとく、、 でも、、)
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『グレート・ギャツビー』の前あたりにかかれたものをあつめた短編集。フィッツジェラルドの全盛期にあたる作品集とのこと。表題作「冬の夢」は主人公とヒロインにギャツビーとデイジーが重なる。
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冬の夢 ★4.5 メイデー ★4 罪の赦し ★2.5 リッツくらい大きなダイアモンド ★4 ベイビー・パーティー ★3
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表題作を含む5つの中・短篇を収録。いずれもフィッツジェラルドの初期、概ね『ギャツビー』に先行するもの。この時期、フィッツジェラルドは既に流行作家となっていたが、ここに収められたのは商業誌に「売られた」ものではなく、彼が作家として書きたかったものが集められている。ことに「冬の夢」と...
表題作を含む5つの中・短篇を収録。いずれもフィッツジェラルドの初期、概ね『ギャツビー』に先行するもの。この時期、フィッツジェラルドは既に流行作家となっていたが、ここに収められたのは商業誌に「売られた」ものではなく、彼が作家として書きたかったものが集められている。ことに「冬の夢」と「メーデー」には、作家の生い立ちの影が濃い。ミネソタからニューヨークへ、そしてまた東部の(「メーデー」ではイエール大学)エリート子弟たちの生活と、そこに至ろうとする夢。あるいは、そうした世界から排除された者たちを鮮やかに描く。 私は表題作よりも、当時の社会と痛切にリンクする「メーデー」こそが、この時期のフィッツジェラルドを代表する作品だと思う。
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カポーティとフィッツジェラルドが、僕の中では、最も美しい文章を書く作家である。そしてフィッツジェラルドは、このうえなく乾いた、美しい文章を書く。
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