邪馬台 の商品レビュー
民俗学者・蓮丈那智シリーズ以外のキャラも登場する北森鴻の集大成。最後まで書けずに逝去したが、物語は書き継がれて完成し、歴史の大きな謎がその壮大な姿を描き出された。他の本で読んだ説で提出された手がかりをも矛盾なく総動員してやっと見えた邪馬台国。
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蓮丈那智シリーズの最終作品であり、シリーズ最高傑作だと思います。 北森氏の絶筆を婚約者の女性が完成されたというこの作品は、内容の面白さもさることながら北森氏の作品として何の違和感もなく、とても素晴らしい作品です。 同氏の『暁の密使』や冬狐堂シリーズの内容とも深く繋がっていて、そ...
蓮丈那智シリーズの最終作品であり、シリーズ最高傑作だと思います。 北森氏の絶筆を婚約者の女性が完成されたというこの作品は、内容の面白さもさることながら北森氏の作品として何の違和感もなく、とても素晴らしい作品です。 同氏の『暁の密使』や冬狐堂シリーズの内容とも深く繋がっていて、そのスケールにワクワクしました。 冬狐堂シリーズは最終作品しか読んでいないので、ぜひ最初から読んでみたいです。 長編で読み応えがあり、本当に面白い作品でした。
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北森先生の著作はある程度読んでおり、ひと通り先生の書かれる物語の持ち味やクセなどを好んでいた自分としては、最初こそ、「いくら著者に近い人物でも、未完作品、しかもシリーズ物の続きを別人が書いて完結させるなんて大丈夫なのかな…」と、あまり好意的に思っていませんでしたが、読了した今では...
北森先生の著作はある程度読んでおり、ひと通り先生の書かれる物語の持ち味やクセなどを好んでいた自分としては、最初こそ、「いくら著者に近い人物でも、未完作品、しかもシリーズ物の続きを別人が書いて完結させるなんて大丈夫なのかな…」と、あまり好意的に思っていませんでしたが、読了した今では杞憂だったと思っています。 連載当時の掲載紙は読んでいないので、どの辺りまでが北森先生が書かれていて、どこから浅野氏が書き継がれたのか答えはわかりませんが、 答えを当てたいという邪な考えで読んでも、なんとなくこの辺りからかな、でもわからないな…という感じでした。 短編集といえど3冊も作品が発行されていて、登場人物や世界観などもしっかりと固まっているシリーズだというのに、読んでいて少しも違和感を感じませんでしたし、むしろ浅野氏の北森先生に対するリスペクトや、作品に対する真摯な向き合い方、そして遺志を継がれた想いの強さがよく伝わってきました。 ただ、偽りないの本心を言えば、北森先生ご自身の手で完結された今作が読みたかったという気持ちも捨てられないままで、 評価の星をひとつ引いてしまいましたが、作品そのものに対しては最初から最後まで★5の評価こそが妥当だと思います。
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む〜ん...(- - 出だしはなかなか面白そうだったのだが...(- - 無駄な「引っ張り」が多すぎる印象。 謎解きも、つまらない暗号解読(読者にもすぐ分かる)を さも「世紀の大発見」のような扱いで... かなりな「水増し感」を覚えてしまった。 私は読書家ではないし、 まして...
む〜ん...(- - 出だしはなかなか面白そうだったのだが...(- - 無駄な「引っ張り」が多すぎる印象。 謎解きも、つまらない暗号解読(読者にもすぐ分かる)を さも「世紀の大発見」のような扱いで... かなりな「水増し感」を覚えてしまった。 私は読書家ではないし、 ましてや筋金入りの「ミステリ読み」でもなく 北森 鴻氏の作品は初めて読んだ(と思う)が... ことこの作品に関しては、 何やらものすごい特殊事情があるそうな(^ ^; まったく何の予備知識も無かったのですが、 この作品が未完のまま北森氏が急逝して、 共著者である「北森氏の婚約者」という方が 編集さんなどと相談して書き上げたという。 作品の舞台裏の方がよっぽどドラマチック(^ ^; ...という訳で、この作品一つをもって 「北森氏の作品は」というようなことは言えまいが。 でも、だからと言って「ぜひ他作も読んでみたい」と 思わせるほどの引力がなかったなぁ... 今作は、古本屋で見かけて衝動買いしたので、 またそういう「再会のチャンス」を待つか(^ ^;
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雑誌連載中に急死した北森鴻の後を受けて、パートナーであり婚約者であったという浅野理沙子が完成させた作品。同じみ蓮杖那智シリーズ初の長編でもある。 未完の遺作となった「暁英 贋説・鹿鳴館」といい、この作品といい、急死直前の著者の筆の冴えはすさまじいほど。邪馬台国という大きなテーマ...
雑誌連載中に急死した北森鴻の後を受けて、パートナーであり婚約者であったという浅野理沙子が完成させた作品。同じみ蓮杖那智シリーズ初の長編でもある。 未完の遺作となった「暁英 贋説・鹿鳴館」といい、この作品といい、急死直前の著者の筆の冴えはすさまじいほど。邪馬台国という大きなテーマに負けていない。明治初期に忽然と消えた村の謎を縦軸に、日本書紀や南北朝や近代史の暗部を縦横無尽に駆け巡る。神話の解釈などは正直よくわからない所もあるのだが、軽妙な筆力で読まされてしまう。邪馬台国がどういう国であったのか、についての解釈も説得力がある。 日本書紀はいわば時の権力者によって編纂された正史であり、正史とは時の権力者にとって都合の良い事しか書かれないもの。 「偽書でなくとも、世に伝わる古文書は大方この要素を含んでいる」 「日本書紀はしょせんは覇者の都合の良い歴史でしかありえない」 邪馬台国を記す唯一の文書魏志倭人伝についても 「少しでも魏に有利なように、微妙にゆがめられた形で残された古文書である」 このあたりの確かな歴史認識が、この人の真骨頂なのではないだろうか。 それにしても、終盤からラストが甘いのが少し残念ではあった。どのあたりからが浅野氏の筆によるものかは不明だけれど、やっぱり終盤は薄く感じてしまった。
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内容が圧巻でした。こちらの知識が足りなくて申し訳ない感じの小説です。知識があると、もっと楽しめたかもというところでしょうか。話の中心となる「書籍」が比喩が多いわけですが、登場人物の解釈で「あ~、そういうことか」となるのがちょっと悔しいですね。調査に相当な時間をかけられたことがわか...
内容が圧巻でした。こちらの知識が足りなくて申し訳ない感じの小説です。知識があると、もっと楽しめたかもというところでしょうか。話の中心となる「書籍」が比喩が多いわけですが、登場人物の解釈で「あ~、そういうことか」となるのがちょっと悔しいですね。調査に相当な時間をかけられたことがわかりますから、ちょっと興味を持って読んだ程度で、そんなに簡単に理解できてはね。というところでしょうか。 タイトルどおりの内容ですが、そこだけにとどまらないのが面白いところかも。とても造詣の深い一冊だったと思います。
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邪馬台国論争には興味があります。現時点では箸墓古墳や大型建築物の発掘により畿内説優勢のようにもなっていますが、ぼく的には福岡、佐賀あたりの九州説に可能性を感じています。 本書は、山陰の製鉄技術を主軸に邪馬台国出雲説によって書かれた小説です。大国主命と卑弥呼の関係にもやもや感が残...
邪馬台国論争には興味があります。現時点では箸墓古墳や大型建築物の発掘により畿内説優勢のようにもなっていますが、ぼく的には福岡、佐賀あたりの九州説に可能性を感じています。 本書は、山陰の製鉄技術を主軸に邪馬台国出雲説によって書かれた小説です。大国主命と卑弥呼の関係にもやもや感が残り、腑に落ちない点もありましたが、それは著者北村鴻の死去にともない浅野里沙子が引き継いだ形となっているため致し方ないと思いました。 南朝再興まで話が飛躍するのは面白かったです。 想像するのは人それぞれで自由だと感じる小説でした。
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北森先生の遺作。大好きな蓮杖シリーズなので手にした時は気合いすら入ってましたが、いまはもー残念だったとしか言えない(-"-;) 私が書き上げたい!って思いはよろしいと思いますが、それを自己満足のレベルで世に出すのってどうなの?…って思いました。もっと上手な人に書いてもら...
北森先生の遺作。大好きな蓮杖シリーズなので手にした時は気合いすら入ってましたが、いまはもー残念だったとしか言えない(-"-;) 私が書き上げたい!って思いはよろしいと思いますが、それを自己満足のレベルで世に出すのってどうなの?…って思いました。もっと上手な人に書いてもらいたかった… あと、あとがき。 苦労話とか、北森先生の名前出して誤魔化したりとか、そーゆうのいりませんよ。
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蓮杖那智シリーズ4作目。著者北森鴻氏が急逝後、パートナーの浅野理沙子氏が受け継ぐ。 北森作品の中で一番好きなシリーズ。ミクニの下僕根性が楽しい。更に冬狐堂こと宇佐美陶子や雅蘭堂の越名など他シリーズのキャラも登場していて嬉しい限り。シリーズ初の長編だから、ということでしょうが、結...
蓮杖那智シリーズ4作目。著者北森鴻氏が急逝後、パートナーの浅野理沙子氏が受け継ぐ。 北森作品の中で一番好きなシリーズ。ミクニの下僕根性が楽しい。更に冬狐堂こと宇佐美陶子や雅蘭堂の越名など他シリーズのキャラも登場していて嬉しい限り。シリーズ初の長編だから、ということでしょうが、結果的にこのオールキャストが最後の作品となってしまって、何とも寂しい、、、。 本作では、邪馬台国の謎を「阿久仁村遺聞」と絡めて解き明かされる。複雑怪奇な異聞に最後まで興味深く読めた。過去の作品の「狐闇」とリンクしているのはわかったが、「暁の密使」(未読)ともリンクしていたとは。本作を読む前に先に読んでおくべきだった。最後はミクニの安楽椅子探偵ならぬベッドディテクティブ。ミクニらしくてイイナ。まだまだシリーズ続編が読みたかったのに、残念だ。
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蓮丈那智シリーズ4、にして初の長編。冬狐堂に雅蘭堂、「狐闇」「暁の密使」も係わる邪馬台国の謎…ラストがなんか違うなと感じたが、完結で読めたのはありがたいと思う。
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