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僕はしゃべるためにここへ来た の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2018/08/13

被災地取材の厳しさ、倫理的ジレンマが生々しく、でも、笠井アナの語り口は親しみやすく読むことができた。 同じ東北でも、人的被害が少ない地域では、東日本大震災の持つ意味合いは全く違うものになることを実感している今日この頃。私は内陸部に住み、津波も原発事故もリアルに体験してはいないが、...

被災地取材の厳しさ、倫理的ジレンマが生々しく、でも、笠井アナの語り口は親しみやすく読むことができた。 同じ東北でも、人的被害が少ない地域では、東日本大震災の持つ意味合いは全く違うものになることを実感している今日この頃。私は内陸部に住み、津波も原発事故もリアルに体験してはいないが、あの時のこと、その後出会った被災者らの話は忘れない。今も、生活再建に、精神的に、困難を抱えている人がいる。忘れない。

Posted byブクログ

2013/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これまでに読んできた震災関連の域を出るものではなかった。本書の中で本人も触れていることだが、TVで映像とともに物事を実況するという仕事に慣れているためか、事物への描写が時に不鮮明なことがあった。 また、私はこの本を読んで、この笠井氏についてどうしても「業界屋」の域を出る印象を受けなかった。どこと言うわけではないが、言葉の端々に「TVだから何とかなる」とか「TVだから許される」という考え方が見え隠れする気がしたのだ。 そもそも、被災地を巡りながらその特番をどうしても小倉・中野アナのどちらかにやらせようとする笠井アナ。この緊急時にこだわる点としては理解に苦しむ。 本書の中で被災地の中での己(報道人)としての立ち位置について葛藤する場面が幾度とあるが、そこまで複雑なことなのだろうかと私のような一個人は思ってしまう。要は多くの場面において、踏み込み過ぎな取材姿勢がその葛藤の一因となっていると思われるが、ならば踏み込まなければ良い。自分達で被災地に支援活動を行い、そこで体験したこと、そこで通じた人達のことを記事にする、ではいけないのか。そういったことに笠井アナが参加している映像が「英雄気取り」と取られるなら、他の社員、または他社で支援活動をしている人ではだめなのか。そもそも、被災地の支援活動を「英雄気取り」と取るならそれは情報を受け取る方が歪んでいるだけであって、そんなことは支援活動をしたこともない人たちには非難する権利すらない。そういう考え方をすると、「英雄気取り」と取られるから支援活動をしないというのはいささか筋違いな論な気もしてくる。 「映像を撮る」ということは報道においてそこまで重要視されることなのか。現地の人の感情を逆なでする危険まで冒して・・・。 遺体の確認中の家族の様子を撮ろうとした笠井以下スタッフに「撮るなー!」と激高した警察官の気持ちは良くわかる。逆になぜ撮る側はそれがわからないのか。なぜカメラを回そうとするのか、それはどんな時に用い、誰に見せたい映像なのか、いやそもそも、公共の電波に乗せる前提のカメラで撮るべきものなのか。 何らマスメディアへの不信が払しょくされるものではなかった。

Posted byブクログ

2013/02/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

市図書館。 被災地取材中に「報道に携わる人間としてどうあるべきか」と「人としてどうあるべきか」という意識が交錯する彼の胸中が飾らない言葉で書かれている。

Posted byブクログ

2012/05/17

営業していない真っ暗な店内から泥だらけの食料を笑顔で“運び出す”自分たち。異常な行為だと分かっていても、飢えていたからみんな何も躊躇っていなかった。あの日の店内の光景はたぶん一生忘れない。

Posted byブクログ

2012/05/05

先日、自分の目で見る決心がやっと固まり、石巻へ行ってきた。 桜満開の日和山の下には、鳥の声しか聞こえない静寂につつまれた時間の止まった街があった。言葉には出来ない感覚だった。 その帰り、偶然、仙台駅の本屋でこの本を見つけた。報道をする人がどんな感覚で、あの街をみたのか?が知りたく...

先日、自分の目で見る決心がやっと固まり、石巻へ行ってきた。 桜満開の日和山の下には、鳥の声しか聞こえない静寂につつまれた時間の止まった街があった。言葉には出来ない感覚だった。 その帰り、偶然、仙台駅の本屋でこの本を見つけた。報道をする人がどんな感覚で、あの街をみたのか?が知りたくなり、読んでみた。 震災当時、テレビで繰り広げられるリポートを見て、何が起こっているのか?を世間に知らせることは大事。情報は途切れてはいけない物。だとは思いながらも、「そこまでやるのか?」「行くのに食料ぐらいは当然積んでいるよな?」と、やや非難の目で見ていた。 その後、偶然、震災当時のマスコミの方の葛藤がわかるドキュメントを見て、ものすごい狭間に立っている人たちなんだとわかった。 そして、今回の笠井さんの本。 マスコミの方々がどんな風に被災地ですごしたのか?どんな風に葛藤していたのかがすごいわかった。 私が想像していた以上に葛藤されている姿。葛藤の連続で成り立っている職業という感じを受けた。 自己弁護に走っているという評論も見かけたが、そうやっていかないと耐えられない現実を見てきたのだと思う。だから、私は自己弁護とは思わない。 この本の中で登場する何人かの被災者の方の言葉に、被災者ではない私が勇気づけられた。自分も自分なりに頑張って生きなきゃなと思う。 辛い話も目に入ってくるけど、私はこの本に出会えて良かった。

Posted byブクログ

2012/05/05

個人的に、情報番組もその内容もそれに対する司会者や出演者の発言もあんまり好きではない。 でも、報道に関わっている人が何を考え、何を思い、現地で取材を続けていたのか(いるのか)を知りたくて手にとった。「何をしたのか」ではなく、「何を伝えたのか」、それこそがテレビに関わる人々が大切に...

個人的に、情報番組もその内容もそれに対する司会者や出演者の発言もあんまり好きではない。 でも、報道に関わっている人が何を考え、何を思い、現地で取材を続けていたのか(いるのか)を知りたくて手にとった。「何をしたのか」ではなく、「何を伝えたのか」、それこそがテレビに関わる人々が大切にすべき姿勢なのだなと思った。様々な葛藤の中で取材をしていたという、実は「当たり前」のことに気づかされた。 計画停電の情報がトップニュースになっていた去年の3月。あの時、私は何を考えていたのだろうか。

Posted byブクログ

2012/03/19

報道関係者の人たちがどんなことを考えて、被災地に入っていたかがわかった本。そこまで理由付けしなければならないのかという思いもあったが、でも「なぜここにいるのか」を問い続ける笠井アナウンサーの姿勢はとても共感が持てました。 震災後すぐ被災地入りしたこと、お風呂にも入らなかったこと...

報道関係者の人たちがどんなことを考えて、被災地に入っていたかがわかった本。そこまで理由付けしなければならないのかという思いもあったが、でも「なぜここにいるのか」を問い続ける笠井アナウンサーの姿勢はとても共感が持てました。 震災後すぐ被災地入りしたこと、お風呂にも入らなかったことなど、とてもよい姿勢だと思いました。また、震災後の生々しい様子もよくわかった。被災者の略奪行為や、避難所の細かな様子(避難所でいちばん生活が厳しそうなのが小学校の体育館という話や、学校のカーテンがなかったと思ったらそれを使って毛布にしていたとか、避難所格差の原因は情報格差など)など、実体験に基づいた話なので、とても話に説得力があった。

Posted byブクログ

2012/01/27

[2012.その6]フジテレビの笠井信輔アナの東日本大震災の被災地取材での苦悩が綴られている。 就活でも何度も聞かれた質問「被災地にいってリポートするとすれば、何をどんな風にリポートしますか?」、「被災地の取材で大切にしなければならないことはなんですか?」正直そんなこと分からなか...

[2012.その6]フジテレビの笠井信輔アナの東日本大震災の被災地取材での苦悩が綴られている。 就活でも何度も聞かれた質問「被災地にいってリポートするとすれば、何をどんな風にリポートしますか?」、「被災地の取材で大切にしなければならないことはなんですか?」正直そんなこと分からなかった。この本をよんで笠井アナもこの問いに苦しんでいたのがよくわかったし、被災地取材に関わらず、取材し視聴者に伝えるということについてもっともっと考えないといけないと感じた。

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2012/01/19

この本を読んで良かった、知ることができて良かったな、と思う。 震災の時、テレビでマスコミの人たちを見ては「後ろに瓦礫を片付けている人がいるんだから手伝えばいいのに」と簡単に思っていたけれど、何も知らなかったんだなあと思い知らされた。 笠井アナが自分の行動を決して正当化していない...

この本を読んで良かった、知ることができて良かったな、と思う。 震災の時、テレビでマスコミの人たちを見ては「後ろに瓦礫を片付けている人がいるんだから手伝えばいいのに」と簡単に思っていたけれど、何も知らなかったんだなあと思い知らされた。 笠井アナが自分の行動を決して正当化していないのも、人柄だなと思う。 印税は全額寄付されるし、多くの人にぜひ一冊買って読んで欲しい。

Posted byブクログ

2012/01/15

フジテレビ・笠井アナウンサーの東日本大震災 体感記。 朝の「とくダネ」で見た内容がほとんどでしたが 改めて文字になったものを読み返すと その場面がまざまざと蘇ってきて 辛い部分もありました。 震災から10カ月経ち ともすれば忘れがちになる今 この本を読んで よかったです。

Posted byブクログ