遺体 の商品レビュー
3.11津波による死者、行方不明者1100人、遺体安置所のルポルタージュ、旧校舎に置かれた遺体が腐敗していく様子は、筆舌に尽くしがたい辛さがある。
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東北大震災の遺体に焦点をあてたノンフィクション。 日本人ならば必読の書である。 あの、大震災の中で、通常なら火葬で10万円程度するところが、「被災パック」なるもので、5万円ちょっとで火葬できるなんていうのは、まさにむき出しの現実というところだろう。 考え込ませる内容であったことは...
東北大震災の遺体に焦点をあてたノンフィクション。 日本人ならば必読の書である。 あの、大震災の中で、通常なら火葬で10万円程度するところが、「被災パック」なるもので、5万円ちょっとで火葬できるなんていうのは、まさにむき出しの現実というところだろう。 考え込ませる内容であったことは間違いない。
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津波の何もかもを破壊している恐ろしい映像が甦ってきました。多くの命が失われたことは、ほんとうに悲しくてやりきれません。いま、自然災害で毎年どの位の方が亡くなられているのでしょうか。災害の規模も死傷者の数もどんどん大きくなっていくような印象を持ちます。地震、噴火、竜巻、超大型台風、局地的大雨など異常気象が世界の至る所で発生しています。それらに対して人はなすすべもありません。いかに人は自然に対して、無力であるかを思い知らされます。
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東日本震災関連書籍は新刊本で買うと決めている。著者・版元に敬意を表すると共に、読む時期を失しないためだ。「救命」「石巻赤十字病院(中略)が救った命」に続き本書を選択した。民生委員、市職員、僧侶など様々な視点から被災遺体を通した人間模様を描いたルポで、カット割りのような構成で「彼ら...
東日本震災関連書籍は新刊本で買うと決めている。著者・版元に敬意を表すると共に、読む時期を失しないためだ。「救命」「石巻赤十字病院(中略)が救った命」に続き本書を選択した。民生委員、市職員、僧侶など様々な視点から被災遺体を通した人間模様を描いたルポで、カット割りのような構成で「彼ら」が語りかけてくる。著者の構成の妙を感じる。
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遺体安置所でこんなドラマが起こっていたなんて。現地の、被災した人たちがどれだけ活躍していたか。深く染み入る話ばかりで、今自分が何事もなく生きている有り難さと、災害などのいざという時に何にもならない仕事をしている自分の価値を考えてしまった。。 どの話も新しいものばかりだったけど、釜...
遺体安置所でこんなドラマが起こっていたなんて。現地の、被災した人たちがどれだけ活躍していたか。深く染み入る話ばかりで、今自分が何事もなく生きている有り難さと、災害などのいざという時に何にもならない仕事をしている自分の価値を考えてしまった。。 どの話も新しいものばかりだったけど、釜石仏教会の話がまるで想像し得ないもので興味深かったです。
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尊厳死とは人間が人間として尊厳を持って死に挑むこと…では尊厳を持つ間もなく一瞬にして死へと追いやられた場合はどうなのか?身元もわからぬまま水漬き草生す屍となってしまったら誰がその人の尊厳を保つのだろうか。 この本はあの日震災の津波によって引き起されたまさに死屍累々とした状況の中で...
尊厳死とは人間が人間として尊厳を持って死に挑むこと…では尊厳を持つ間もなく一瞬にして死へと追いやられた場合はどうなのか?身元もわからぬまま水漬き草生す屍となってしまったら誰がその人の尊厳を保つのだろうか。 この本はあの日震災の津波によって引き起されたまさに死屍累々とした状況の中で自身の被災も顧みずご遺体の尊厳を守り抜くために奮闘した人々のルポルタージュ。 自衛隊員や消防警察などの職業人ですら尻込みする惨状を物ともせずに自ら志願し対価を乞うこともなく黙々とご遺体に向き合うその姿にテレビ画面の文字でない真の「絆」を感じた。 すべてを見詰めた著者が「釜石で生まれてよかったですね」と不明者の遺骨に手を合わせるラストが感慨深い
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震災から5年を迎えて、改めて読みました。目を背けることなく、正面から未曾有の災害のもたらした現実を描き切る渾身のルポ。
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津波で亡くなられた方達の遺体処理に携わった人の記録 記録と感情が混ぜこぜに書かれていて読みずらかった ここまであえて「むごく」書く必要はなかったのでは?
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※このレビューにはネタバレを含みます
東日本大震災を忘れてはいけない、という戒めになる一冊。メディアでは放送されなかった凄まじい惨状がここに記されていました。 津波に流されまいと電柱にしがみついたままの遺体や、口や耳にいっぱいの泥を溜めた遺体、あるいは海に沈みサメに引きちぎられてしまった遺体。どれも一般のメディアでは惨過ぎて報道されなかった事実だと思います。 わたしも、本書を読むまで知らないことばかりでした。「被害者の甚大な数字を見て、東日本大震災を思い出す」だけでは、なんの意味も持たないと痛感しました。「実情を自分で知ろうとし、現実の今を見つめ、被害者遺族に思いを馳せること」それが、わたしたちにできることだと思いました。 痛ましい姿で次々と発見され、運び込まれた遺体は見た人に大きな大きな衝撃と想像もできないほどの深い悲しみをもたらしただろうと思います。そこから立ち上がり、支え合おうとする釜石の人々の姿に胸を締め付けられました。 震災から4年経った今でも、被災地ではまだまだ終わっていないということが、わかります。この本を多くの人が手に取り、被災地に思いを馳せるきっかけになることを願って止みません。 被災地、被災者遺族の方の一日もはやく平穏な日々を迎えられることをお祈りして。
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