独裁者の教養 の商品レビュー
「独裁者=悪」ではなく「独裁者=人」であることを感じさせる一冊 独裁政治についてなんとなく知りたい人にオススメ しかし一人一人の情報が少ないため、気に入った人物がいたら自調べる必要がある。
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独裁者を独裁者たらしめる背景があった。そう捉えれば独裁者も人間で身近に感じる。つか、著者の行動力が凄すぎる。。
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深い考察が足りないのが唯一物足りないが、筆者のワ州の独裁政権の現地調査の話も面白い。また、過去の独裁者(スターリンとか毛沢東とかポルポトとか。あとシンガポールのリクアンユーも)のストーリーもかなり面白い。自分が日本っていう民主主義の国で育ってるから独裁政権に批判的な見方でどうしても見ちゃってた感じを気づかされる。
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この本を読めば歴史に名を刻んだ独裁者といえども、「常識とは、18歳までに集めた『偏見』のコレクションでしかない」というアインシュタインの言葉にある「常識」に、自分の人生を左右されていると思わされるだろう。 スターリン・毛沢東・ポルポト・ニヤゾフ・フセイン・カダフィ。彼らのつくりあ...
この本を読めば歴史に名を刻んだ独裁者といえども、「常識とは、18歳までに集めた『偏見』のコレクションでしかない」というアインシュタインの言葉にある「常識」に、自分の人生を左右されていると思わされるだろう。 スターリン・毛沢東・ポルポト・ニヤゾフ・フセイン・カダフィ。彼らのつくりあげた統治手法は、多かれ少なかれ青年期までに触れた統治手法・思想の呪縛に絡め捕られている。
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「独裁者」と言われた人たちの背景が知れる一冊。 世界史が好きな人は面白いと感じてはず。 衝撃的だったのは、最後にでてきた、 日本は世界で最も発達した独裁体制の国である という一節である。 また、独裁者はあなた自身である。 という一節も 衝撃的だった。 日本的な空気を読むと...
「独裁者」と言われた人たちの背景が知れる一冊。 世界史が好きな人は面白いと感じてはず。 衝撃的だったのは、最後にでてきた、 日本は世界で最も発達した独裁体制の国である という一節である。 また、独裁者はあなた自身である。 という一節も 衝撃的だった。 日本的な空気を読むという行為。 それが招いているもの。 東日本大震災以降の私たちにはこの本の内容を否定できないはずだ。
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極悪人みたいな扱いを受けがちな独裁者が深く理解できる本。それこそポル・ポトなんか半端じゃなく極悪人として世界中で認知されているのだろうけど、案外そうでもなかったりもするってことがわかっただけでも収穫。
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(推薦者コメント) 独裁者というものをこれだけコンパクトにまとめていてしかも安価な新書というのは面白い。ワ州の話も読み物として良い。
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スターリンからヒトラー、フセイン、カダフィ等の成功者(歴史的には悪人)がいかにして育ったか、なぜ成功し、失敗したのか。 僕たちにとってのいい教養になる。 「日本は独裁者がいないかわりに「社会の空気」が人々を支配する国」
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地図にも載らないミャンマーと中国の国境地帯にある、 戦国大名の版図ワ州への密航記と8名の独裁者達の履歴書。 タイトルから言えば独裁者達の履歴書がメインだが、 とにかく面白いのはワ集密航記。 興味深い内容です。 終始、作者の勢いを感じた。 次回作が楽しみなノンフィクション作家だ...
地図にも載らないミャンマーと中国の国境地帯にある、 戦国大名の版図ワ州への密航記と8名の独裁者達の履歴書。 タイトルから言えば独裁者達の履歴書がメインだが、 とにかく面白いのはワ集密航記。 興味深い内容です。 終始、作者の勢いを感じた。 次回作が楽しみなノンフィクション作家だと思う。
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中国ネット掲示板の翻訳ブログで注目され,二年前に出版界デビューを果たした著者が,脱「中国ネットウォッチャー」を目指して取組んだ意欲作。ここ百年の独裁者の群像と,ミャンマーのアヘン軍閥統治下の町への潜入ルポ。 取り上げられる独裁者は,スターリン,ヒトラー,毛沢東,ポル・ポト,ニ...
中国ネット掲示板の翻訳ブログで注目され,二年前に出版界デビューを果たした著者が,脱「中国ネットウォッチャー」を目指して取組んだ意欲作。ここ百年の独裁者の群像と,ミャンマーのアヘン軍閥統治下の町への潜入ルポ。 取り上げられる独裁者は,スターリン,ヒトラー,毛沢東,ポル・ポト,ニヤゾフ,リー・クアンユー,フセイン,カダフィ。ほかに著者が密入国したワ州の軍閥,鮑有祥。主に彼らの若き日の肖像を中心に記述して,独裁者になる素質のほどを分析。歴史の専門家というわけでないにしてはよく書けてる。 スターリンがDV父をもち,閉鎖的な神学校での教育を受けて,それが権威主義的な管理体制構築に寄与した,みたいな話や,ヒトラーの歪んだ価値観は,実はドイツ社会の底に流れてて,知識人たちもそういう議論をしていたとか,一人の特異な人物が出るだけでは独裁なんて起こらないんだろう。 ポル・ポトが立ち居振る舞いは結構上品な人間で,「弱者の味方」として好意的に評価されていたというのも面白い。20世紀後半は共産主義にシンパシーを感じる知識人が多かったから,批判が盛り上がるのが遅れたのは確かなのだろな。金日成,ホーネッカー,チョイバルサン然り。 トルクメニスタンの独裁者,ニヤゾフはなんだかお茶目だ。自分の大好物メロンを讃える「メロンの日」を制定したとか,月の名前を変更して一月を自分の尊称に,四月を自分の母の名にするとか,お前はカエサルか?みたいな。 ワ州に密航した著者は,独裁は必ずしも悪でないとの感想をもつ。「政治や社会を論じる素地が根本的に存在しない環境では、最初から存在しない『言論の自由』なんかより、衣食住や身体の安全を保障してくれる政府の方が、庶民にとってはずっとありがたいはずだろう」(pp.254-255)実際そんなものかもしれない。そうでなければ独裁体制は起こらないし続かないんだろう。でも歪みを修正する機能に欠ける体制というのも事実で,終焉のときは破滅的にやってきたりする。ちなみに本書はカダフィが死ぬ前に書かれてるみたい。 あと「中国で最も有名な日本人」である加藤嘉一氏へのダメ出しが印象に残った。テレビ番組で同席した印象を「共産党の高官との交友を誇らしげにアピール」「身分の低い相手には視線も合わせず、権威を盾にして偉い相手にだけ握手を求める人間」「中共人という禽獣どもの仲間だ」とまで…!(p.106) 最終章「日本人」でうまくまとめたつもりのようだけど,あれはちょっと蛇足だった。日本には独裁者こそいないものの,「空気」に支配される雰囲気は巧妙な独裁だという。そこには日本版「阿Q」がうようよしている。原発震災で放射能の危険を否定する言説を例に出して論じてるけど,牽強付会な感じ。 どうでもいいことだけど,ルビにこだわりを感じた。「偏執」には「へんしゅう」,「遺灰」には「いかい」と振ってあって,正しい字音で読めってことらしい。「執」が「シツ」なのは,「立」が「リツ」とか「雑」が「ザツ」になったのと一緒で,本来「執」の字音は「シュウ」。フツ相通。
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