悪い本 の商品レビュー

宮部みゆき【作】,吉田尚令【絵】,東雅夫【編】

2023/06/21

「はじめまして　わたしは悪い本です
この　よのなかの　悪いことを
この　よのなかで
いちばんよく　しっています」

語りかけてくるのは、悪い本。
悪い本と言いつつ、描かれているのは本ではなくクマ。もうすでにそこにゾッとする。
「いちばん　悪いことを　おぼえたら
あなたは　いちばん　悪くなる」
一体何がいちばん悪いことなのか具体的に書かれていないのに、悪いことの本質を、描いている。そんな気がする。
「あなたが　わたしを　わすれても
わたしは　あなたを　わすれない」
そう締め括られるラストは、大人だからこそ、悪いものの存在を知っているからこそ怖いと感じるのかもしれない。
普段悪いこととは無縁な気でいても、「わたしはあなをわすれない」のだ。
わすれてくれないし、いつも悪い本はわたしたちの傍らにある。
真実を簡潔にひらがなで書いているからこそ、ああ、こわいこわい。

2023/06/10

まず表紙に驚いちゃうよね。
最後のクマのぬいぐるみの絵と文が
頭から離れない。
この本を読んだら自分の脳内が
おかしくなってしまいそう。

2023/06/02

悪い本は、悪いことをかいてある。
だれもほしいと思わない。
だけど　だれかをきらいになったり
なにかが　なくなればいいとおもったら
ページをめくるかもしれない
悪いことをしれば　なんでもできる
まっている
わすれない

大人が読んでもぞぉっとする。
悪いことから離れなくなるような気がして、
悪い本が追いかけてくるようでこわいのかもしれない。

2023/04/16

「なぜ人はイヤミスを読むのか」みたいな？
難しかったので、また間を置いて読んでみたい。
絵はそれほどこわくなくてきれい。

なんでこの本を読もうと思ったか…『はるとあき』の絵の人で、別の本も読んでみたいと思ったからだ。全然タッチが違って、すごい！

2022/12/17

「悪」という目に見えないものをぬいぐるみという目に見える形に喩えている。悪はずっと自分を見ているのが、誘惑のように見えて恐ろしい。

2022/12/11

人を嫌いになり、いなくなってしまえとか・・・誰しも思ってしまう。
そんな悪意が悪夢のように描かれている「怖い」「怖い」悪い本

2022/11/02

「この世の中でいちばん悪いこと」が書かれている本が、無垢な少女に語りかける
将来あなたは必ず私を必要とする
その時まで、私はあなたを忘れない……と

幼いときには知る由もなかった悪いことを、私たちはどうやって覚えるのだろうか
例えば、嫌いな食べ物をこっそり残して捨てるとき
例えば、やりたくない掃除当番を誰かに押し付けるとき
例えば、好きな人の好きな人を貶めるとき
それは、誰かに教えを乞うわけでも、そうしろと強いられるわけでもなく、成長と共に自然と知るものだ
言うなれば、悪を知ることは、健やかな心身の成長の一端だ
作中の「悪い本」とは、そんな成長を迎えつつある少年少女の、悪の芽生えを暗喩しているのではないだろうか
または、汎ゆる悪いことを知っている、少し先の未来の自分自身かもしれない
もし後者だとすれば、その自分が、まだ何も知らない自分に語りかけるのだ
あなたの知りたいこと、私が全部教えてあげる
あなたはいつか必ず、必ず私(悪)が必要になるのだから…
それまで私は、ずっとあなたをそばで見ているよ

これ以上の恐怖を私はいまだ知らない

2024/06/06

宮部みゆきさんって絵本も書くんだ…。
確かに怖いわこれは、「絶対悪いことしません！」って言いたくなる
悪い人間になるって怖いね

2022/02/26

【あらすじ】
この世の中のどこかに存在する悪い本。そんな本いらない?でもきっとほしくなる。宮部みゆきと吉田尚令が贈るこの世でいちばん悪い本。

・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆

じわじわ来る系の怖い話。おそらく、子どもはこの本を読んでも意味がよくわからないと思います。誰も彼も「悪い本」からの誘惑には抗えません。。。

2021/11/14

あなたには悪い心がある。もちろん良い心もあるだろうが、どうしようもなく醜く目を塞ぎたくなるような汚れた心を持っている。そしてそれはあなただけではない。みんな悪い心を持っている。

きっとその悪い心は暴かれる。
きっとその悪い心はあなたを蝕む。
きっとその悪い心は別の誰かに見抜かれている。

恐怖すること自体に恐怖するという珍しい体験を得られました。割と本気で怖い絵本です。
ホラー好きな方におすすめ。