部屋 の商品レビュー
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5才の子の視点で書かれているので、ひらがな多様で漢字が音読みか訓読みなのかが、分かりづらい。 例えば「高そうびる」タカソウと読んで、ビルまできてからコウソウビルと分かるみたいな箇所は読んでいてまごつく。 しかし、読みにくくても “ジャックの視点” で書かれていることにより、彼の心理が読み手にグイグイ伝わってくる。 ジャックがママのむし歯チュウチュウする度に「止めて〜」と全力阻止に駆られた 後半、クリニックでジャックがシャワーを嫌がり、ママだけが一人でシャワー室に入る時、ドアを閉めたら「ママが中でぼくが外は、やだ!」涙腺崩壊・゚・(ノД`)・゚・。 ママが “かしこのできる子” で、ほんとよかった 映画「ライフイズビューティフル」を思い出した
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友人に進められて読み始める。最初のうちは、子供言葉で書かれている文章に違和感を覚えて内容に入っていきづらかったが、ある事実が判明してからは逆に子供言葉で語られることが状況の異常さを際立たせていて、文章の世界に没入していく。上巻の脱出劇から下巻の再生への道のりというような内容まで、...
友人に進められて読み始める。最初のうちは、子供言葉で書かれている文章に違和感を覚えて内容に入っていきづらかったが、ある事実が判明してからは逆に子供言葉で語られることが状況の異常さを際立たせていて、文章の世界に没入していく。上巻の脱出劇から下巻の再生への道のりというような内容まで、ジャックの愛らしさと、世界の厳しさ、どちらも感じながらあっという間に読了することができる。新年最初に読むには悪くない最後に希望を美しく見せてくれる本。
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一体どんな感想を述べていいのか上手く文章にできず、読了してから大分時間が経ってしまったが、本の内容を忘れることなくたまに思い出す。 それだけ心に残ったものがあるようだ。 小さな男の子の頑張り、少女だった男の子の母の苦悩。 5歳の子供視点でずっと語られている本は始めて。難しい言葉を...
一体どんな感想を述べていいのか上手く文章にできず、読了してから大分時間が経ってしまったが、本の内容を忘れることなくたまに思い出す。 それだけ心に残ったものがあるようだ。 小さな男の子の頑張り、少女だった男の子の母の苦悩。 5歳の子供視点でずっと語られている本は始めて。難しい言葉を並べた文章よりも何とダイレクトに伝わることか。
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誘拐監禁されていた母子の物語。 語り手は5歳の男の子。 ただ息苦しいと思うのは、それはわたしたちが「外」の世界にいるから。 実際に起きた事件や、今後のこと、色んなことを考えるとやっぱり唸っちゃうけど答えは出ない。感想はとても、むずかしい。 ただ読んだ後は、ジャックに「じょう...
誘拐監禁されていた母子の物語。 語り手は5歳の男の子。 ただ息苦しいと思うのは、それはわたしたちが「外」の世界にいるから。 実際に起きた事件や、今後のこと、色んなことを考えるとやっぱり唸っちゃうけど答えは出ない。感想はとても、むずかしい。 ただ読んだ後は、ジャックに「じょうだんじゃないわよ〜」って思われないように、頑張って生きなくては、と思った。
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架空の拉致監禁事件の中で、その監禁されていた女性が子供を産み、一人で育てていたらと言う話。中盤で脱出してからの、外の世界と部屋の中の二人での暮らしとの違いに戸惑う様子がメインでした。明るい終わり方で良かったです。五歳児の視点で文章も文法間違いや表記の揺らぎ(漢字、ひらがな混在)が...
架空の拉致監禁事件の中で、その監禁されていた女性が子供を産み、一人で育てていたらと言う話。中盤で脱出してからの、外の世界と部屋の中の二人での暮らしとの違いに戸惑う様子がメインでした。明るい終わり方で良かったです。五歳児の視点で文章も文法間違いや表記の揺らぎ(漢字、ひらがな混在)が最初は読みにくいけど、入り込むとあっという間でした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
目次が子どもの筆跡であること、ひらがなの多さ等、この物語が子どもの目線から語られるのだということが窺えました。 監禁事件は日本でも、またよその国でも実際におこった事です。痛ましく思いながら読み始めたのですが、語りがジャックいとう5才になったばかりの男の子だからか深刻さが無く、むしろママと二人の生活を「普通」に楽しく送っている様子でした。 読み手が「異常」に気づくのはテレビのこと。ジャックはテレビの中のことは現実ではないと思っていて、ジャックにとっては「部屋」の中にしか現実がないのです。その普通でないことを知らないままジャックは成長してきて、母親もこのままではいけないと思いつつ、どうにも出来ないまま今まできている、ということがジャックを通して伝わってくるのです。 母子は無事に脱出するのですが、だからといってそれで終わるはずもなく、彼らはさまざまなことに対処していかなくてはならなくなります。むしろ脱出後の方が母子にとっては大変なのかも…。 母子のこれからの幸せを祈らずにはいられません。 そして、この物語にここまで入り込めたのは訳者さんのおかげもあるということを、訳者あとがきを読んで 感じました。 印象に残る本です。
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5歳の誕生日を迎えたジャックとその母親。 監禁。 でも怖いのはその後。 あたしたちは自分の価値観で生きている。それを他人に押し付けて。 苦しかった。 辛かった。 怖かった。 アメリカの幼児向け番組のキャラクターなど実在する物がリアルさを更に感じさせる。 小説なのに、彼らの今...
5歳の誕生日を迎えたジャックとその母親。 監禁。 でも怖いのはその後。 あたしたちは自分の価値観で生きている。それを他人に押し付けて。 苦しかった。 辛かった。 怖かった。 アメリカの幼児向け番組のキャラクターなど実在する物がリアルさを更に感じさせる。 小説なのに、彼らの今後の前向きで着実な一歩一歩を願わずにはいられない。 訳者さんも素晴らしい。 ワイルドスワンも訳された方で。 原書ではどんなふうに5歳児が表されているんだろう。
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5才になったジャックは、ママと二人部屋の中で陸上競技をしたり、ゲームをしたり仲良く暮している…、と思いきや、なんだか変! 読み進めていくうちに、ママは男に拉致され部屋の中に閉じ込められ、そこでジャックを産み育てていることが分かってくる。 そして、ジャックの脱出とママの救出。中盤からは、閉鎖された世界からTVの中でしか知らなかった世界へ出られたジャックの戸惑いと、ママの現実との衝突。 似たような事件は日本にもあったし、世界のあちこちで本当に起きている。この小説は、そこに部屋の中とママと拉致した男しか知らずに育った子どもの存在がポイント。 ママは、閉鎖された世界の中でジャックのために賢く生きてきた。そんなママが、世間の興味の的となり、精神のバランスを崩していく過程は、現実的であり哀しい。 ジャックは生まれて初めて会った祖母と祖母の新しいパートナー「ぎりじい」とともに、ママの回復を待つ。 無責任な世間の興味の眼に耐えながら、ママとジャックは再生の道を歩みだします。 なかなかヘビーな内容だけれど、賢いジャックを応援しながら、ぐいぐい読ませる。語り手をジャックにした事で、5才児らしい言い方や疑問で書き進む手法が成功している。
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■日本の作品ではこういうストーリーになかなか出会えない。洋書ならではの作品。 ■長い時間を抑圧された環境で過ごしてきた母親と男の子がその環境から脱出して再生していくストーリー。抑圧による影響と周囲の(余計な)外乱。きっと現実世界でもこうなんだろうなぁ。
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最高で大好きなママと一緒に5歳の誕生日を迎えたジャック。 彼の毎日は、幸せでドキドキで充実していたのだけど、 世界はソコが全てじゃなかった・・・・ 5歳のジャックの視点で語られる物語。 普通というのは、どういうことで、何をもって幸せというのか? 色々と考えさせられてしまっ...
最高で大好きなママと一緒に5歳の誕生日を迎えたジャック。 彼の毎日は、幸せでドキドキで充実していたのだけど、 世界はソコが全てじゃなかった・・・・ 5歳のジャックの視点で語られる物語。 普通というのは、どういうことで、何をもって幸せというのか? 色々と考えさせられてしまった。 新聞の書評で設定を知って興味を持った本だったけれど、 なんの予備知識もなく読んだ方が、更に面白かったと思う。 しばらくジャックの世界について考えてしまいそう。 ショッキングで辛い部分も多いのだけど、本当に面白かった。
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