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東京バラード、それから の商品レビュー

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2015/05/13

東京では空はしっかり目をつぶってないと見えない… 東京では夢はしっかり目を開けてないと見えない……谷川先生が半世紀に渡って詠み続けた東京の街を自ら切り取った風景の写真とともに編纂されたアンソロジー。 憧れをトランクに詰めて夜汽車で目指す街でもなく花の都でもないただただ誰にでもある...

東京では空はしっかり目をつぶってないと見えない… 東京では夢はしっかり目を開けてないと見えない……谷川先生が半世紀に渡って詠み続けた東京の街を自ら切り取った風景の写真とともに編纂されたアンソロジー。 憧れをトランクに詰めて夜汽車で目指す街でもなく花の都でもないただただ誰にでもある故郷としての東京がシャープなコントラストの「ことば」でページに焼き付けられる様は圧巻で最早感想云々を語るのが愚に思えてくる程の存在感。 文壇の巨人が街を見ることば、街を想うまなざしを存分に堪能し給へ

Posted byブクログ

2013/12/15

「東京」という題材で著者が書き連ねた(主に昭和時代の)詩を集め、編集した作品。本作品には著者自身が撮影した東京の写真や、この本を刊行するにあたって書き下ろした「東京リミックス」という新作の詩も掲載されている。詩を読み終えると次のページに写真が、章をごとの締めくくりに「東京リミック...

「東京」という題材で著者が書き連ねた(主に昭和時代の)詩を集め、編集した作品。本作品には著者自身が撮影した東京の写真や、この本を刊行するにあたって書き下ろした「東京リミックス」という新作の詩も掲載されている。詩を読み終えると次のページに写真が、章をごとの締めくくりに「東京リミックス」の詩が現れる。多くの詩に句読点がないように著者の詩にも句読点はない(ちなみに僕も詩に句読点は必要ないと思う)のだが、写真がこの本全体においての「読点」、「東京リミックス」が「句点」のように詩集全体にリズムを与えている。普段、詩集を読まない人でも、東京、昭和、モノクロ写真が好きな人は心惹かれる詩がいくらかあるはず。僕にもありました。

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2013/08/11

谷川俊太郎さんは、著者の写真を見て相当な頑固者だろうな(失礼)と思っていたけれど、やっぱりなんだかこじらせているような気がする。 怒りと失望と期待とをない交ぜにして、思いを書き連ねる。ショートショートよりも短く、俳句よりも長く、形にとらわれないその詩は、坦々と思考を言語化し、言葉...

谷川俊太郎さんは、著者の写真を見て相当な頑固者だろうな(失礼)と思っていたけれど、やっぱりなんだかこじらせているような気がする。 怒りと失望と期待とをない交ぜにして、思いを書き連ねる。ショートショートよりも短く、俳句よりも長く、形にとらわれないその詩は、坦々と思考を言語化し、言葉は谷川俊太郎のフィルターを通した世界を形作る。 小さな愛があり、大きな世界の変化があり、その中の中途半端な人間模様は、モノクロのフィルムが良く似合う。 東京という箱は変わっても、中にいる人の思いはあまり大して変わらない。昔から怒りや失望や期待は変わらず、そしてそれらが氏の世界に永遠性を持たせる。ただ時の流れだけは、どんどん速くなって、人はそのスピードについていけなくなっているからこそ、時を切り取った写真や詩をもう一度見返す余裕というか気持ちがとても大切なことなのだろうと思う。

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2016/05/21

谷川俊太郎さんの詩集です。 40年前の「東京バラード」に その後のものを加えて、 「それから」になる。 昭和20年代~30年代に 自ら撮影したモノクロ写真が 多数掲載されています。 詩とモノクロ写真、 ゆっくりと読み、 じっと写真をみる。

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2012/02/01

ことばのファインダーで一瞬の情景を切り取る ここに描かれる東京は、いつか住んでいた大都会。 詩人の言葉を道連れに自分の記憶の内奥に潜っていく。 あの日、すれ違ったまま忘れていた、かすかな思いの横顔を探しに。 希望に燃えていたばかりではない、かといって暗く沈んでいたばかりではな...

ことばのファインダーで一瞬の情景を切り取る ここに描かれる東京は、いつか住んでいた大都会。 詩人の言葉を道連れに自分の記憶の内奥に潜っていく。 あの日、すれ違ったまま忘れていた、かすかな思いの横顔を探しに。 希望に燃えていたばかりではない、かといって暗く沈んでいたばかりではない、青かった日々。 新作と旧作を取り混ぜて、1950~60年代に谷川さん本人が撮った写真と組み合わせて収録した1冊。 新作は各章最後に1編ずつの緩やかな連作のみで、大半は旧作である。 手持ちの駒を使った形だが、パッチワークのように組み合わせることで、この本でしか醸し出せない味わいが生まれている、というところなのだろう。 詩人の撮るモノクロ写真はやはり詩の一節のよう。 というよりは、詩と写真は似たものなのかもしれない 情景が切り取られるところも、それによって想いや記憶が引き出されてくるところも。 そんなことを思いながら読んでいたら、巻末に谷川さん自身の、詩と写真についての考察があった。 写真の中では日本アンテナの写真が一番好きだった。 詩の中で一番好きだと思ったのは、「でんしゃ」だった。あとで出典を見たら、自分が持っている『はだか』の中の1編だった。『はだか』もついでに読み直した。 どこか斜めで尖った谷川さんのことばたち。 きわめて個人的でありながら、読むものにまるで自分のことが描かれているように思わせる普遍性。それこそが類い希な詩人の強烈な個性なのかもしれない。

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2011/11/21

谷川俊太郎さんの写真(しかも50年代、60年代の!)と詞がなんとも素敵な感じをかもし出しています。 詞は写真と同年代のものもあれば、いつの時代か分からないものもあり、なんとも不思議な気持ちになります。 離婚届っていう詞が、記憶にしっかりと残りました。

Posted byブクログ

2011/11/08

若い頃にみた東京への憧憬がこの詩集にはあふれている。夢も絶望も共存しているということも。谷川さんは写真のセンスもあるんだなあ。

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