フランシスコ・ザビエル の商品レビュー
日本史リブレットシリーズ 分かりやすくて良い資料だと思う 西欧がどういう状況だったのか、日本はどのような状況でどう受け入れられたのか。 ザビエルの人生はこの二つを解説して初めて理解できると思うのだけど、 両方ともきちんと書いている本はなかなかないので貴重
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学生時代にぼちぼち読んだ「日本史リブレット」もテーマ史から人物評伝へ切り替わり、「日本史リブレット人」のシリーズでの刊行が進んでいる。その中のフランシスコ=ザビエルである。 本書を手に取ったのは年初の島原・長崎旅行、5月の連休に神戸で見た南蛮屏風展を目にするにつけ、イエズス会の...
学生時代にぼちぼち読んだ「日本史リブレット」もテーマ史から人物評伝へ切り替わり、「日本史リブレット人」のシリーズでの刊行が進んでいる。その中のフランシスコ=ザビエルである。 本書を手に取ったのは年初の島原・長崎旅行、5月の連休に神戸で見た南蛮屏風展を目にするにつけ、イエズス会の布教活動、織豊期のキリシタン受容に興味を寄せたからだった。 そして、神戸市立博物館の物販コーナーで本書を手に取ってみた。 内容は至極シンプルで、ザビエルの生い立ちからゴア赴任、日本への布教開始と早世までをざっと紹介している。 日本での布教当初に神を「大日」と意訳していたが、仏教の一派と勘違いをされたために後に「デウス」と言い換えたという点は面白い。 それに、キリスト教布教以前に帰依していなくとも、十戒の自然法部分さえ守っていれば、現在の信徒だけでなく亡くなった人までも、神の加護を受けられるということを説明しようとする理屈とその矛盾点など、ヨーロッパから遠く離れた異国の地での布教活動ならではである。 史実と伝説が入り交じるザビエルのエピソードの中から、史実を抜き取っていくことの難しさを何となく感じられた。
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