コシノ洋装店ものがたり の商品レビュー
次女を妊娠中にNHKのこだわり人物伝で知り、一目(?)でファンになった女性。 気になってはいたが、頭の中に留めるのみで、伝記等に触れることはなかった。 今月のある日、今放送中の連続テレビ小説「カーネーション」のモデルが彼女であることを知り、びっくり。彼女への好奇心に火がついた。 ...
次女を妊娠中にNHKのこだわり人物伝で知り、一目(?)でファンになった女性。 気になってはいたが、頭の中に留めるのみで、伝記等に触れることはなかった。 今月のある日、今放送中の連続テレビ小説「カーネーション」のモデルが彼女であることを知り、びっくり。彼女への好奇心に火がついた。 結果、amazonで早速注文した次第。 周囲がなんといおうと、自分の思うとおりに生き、恋をし、働き、遊んだ女性。 男尊女卑の風潮がまだまだ強い昭和の空気の中、今でいうワーキングウーマン、ワーキングマザーの道をひたすら突っ走る。 父との関係、夫とのこと、恋の話・・どれも興味深いが、私の興味をもっとも引いたのは子育てに関することだった。 彼女の3人の娘は、いずれも世界的なデザイナーになったが、そのための特別な教育は一切しなかった。 ただひたすら生活と遊びのためにミシンを踏み、接客をし、商品を売り、再び仕入れる毎日。 別の雑誌で目にしたことだが、めざし一本ポンと焼いて、あとは自分で勝手に食べなさい、という場面も珍しくなかったらしい。 生まれたばかりの子供を早々に父母や叔父に預けたり、 不倫相手との同棲生活のために子供と居を別にしたり・・と、 教育評論家が目くじらたてそうな事実の連続だが、 「子供には何もしれやれなかった」という彼女が唯一、誰よりも優れていたのが「子供を尊重し、信じること」であった。 長女ヒロコが進路に迷い、次女ジュンコが周囲の反発にうちひしがれ、三女ミチコが留学先のロンドンで貧窮しても、一切口も手も出さない。 ただただひたすら、見守るだけだった。 なぜなら「この子の人生だから、この子が決めてどうにかするもの」。 そして「この子ならできると信じていた」。 将来のためにはあれがいい、これがいい・・と盛んに育児論・教育論が騒がれる昨今だが、肝心要の「子を尊重し、信じること」をどれだけの親ができていることだろうか。 母親神話や三歳児神話など全部ぶっとばしてわが道を進むその豪快な人生に、私は親として一番見落としがちでもっとも大事なことを教わったように感じた。
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『カーネーション』、スタート! ヒロコ、ジュンコ、ミチコの三姉妹デザイナーの母・綾子による自伝。 …とはいえ、恐らく聞き取りをライターが起こしただけと思われ、痛快な人生の魅力に惹かれてグイグイ読んではしまうものの、文章自体は平板で奥行きは期待できません。 その逆に、この『カーネ...
『カーネーション』、スタート! ヒロコ、ジュンコ、ミチコの三姉妹デザイナーの母・綾子による自伝。 …とはいえ、恐らく聞き取りをライターが起こしただけと思われ、痛快な人生の魅力に惹かれてグイグイ読んではしまうものの、文章自体は平板で奥行きは期待できません。 その逆に、この『カーネーション』からいよいよ朝の連ドラにもフィルム撮影が採用されたようで、ドラマの方は(朝っぱらからムダなほど)グンと奥行きが増しています。
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