テレビは余命7年 の商品レビュー
テレビという箱の話ではなく、テレビ業界、テレビ局のお話。 普段目にするとても身近な業界の実態を、今まで何も知らなかったと思い知らされた。 最近よく耳にするようになった、電波オークションの話。電波使用料のうち、テレビ局が支払っているのはたったの4.5%。81.6%は携帯電話会社、...
テレビという箱の話ではなく、テレビ業界、テレビ局のお話。 普段目にするとても身近な業界の実態を、今まで何も知らなかったと思い知らされた。 最近よく耳にするようになった、電波オークションの話。電波使用料のうち、テレビ局が支払っているのはたったの4.5%。81.6%は携帯電話会社、すなわち、利用者が支払っているという事実を知ると、確かに諸外国のようにオークションで適正価格を取り決めて欲しいと思う。 また、アメリカのテレビ業界は、日本と違って制作会社が主に番組を制作、販売し、テレビ局はいずれも生放送の朝のモーニングショー、夕方の全国ニュース、深夜のトークショーのみ制作し、ジャーナリズムに徹しているというのも面白い。 圧巻だったのは、テレビ業界における田中角栄氏の存在感の強さだ。田中角栄氏と言えば、ロッキード事件ぐらいしか知らなかったけれど、今のテレビ業界のビジネスモデルを構築したり、新聞社との関係を整理するなど、その功績は歴史に残るものだ。また、39歳の若さで郵政大臣に就任し、そういった施策を実現したと知り、やはりすごい人だったんだなと感じる。
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身近にあって毎日接してきたテレビだけど、知らないことばかりなんだ、というのが第一印象。やはり表面的であれその業界を知るというのはとても面白い。見方が変わる。 NHKのくだりや米国との比較など掘り下げが浅い部分の違和感はあるけどある程度網羅されていて俯瞰するにはよいと思う。それにT...
身近にあって毎日接してきたテレビだけど、知らないことばかりなんだ、というのが第一印象。やはり表面的であれその業界を知るというのはとても面白い。見方が変わる。 NHKのくだりや米国との比較など掘り下げが浅い部分の違和感はあるけどある程度網羅されていて俯瞰するにはよいと思う。それにTVに対しての思い入れを感じる。 あの頃感じたTVへのわくわく感というか刺激、もう一度感じたいよね。結局見る人がその価値を心でどう感じるかだと思うのだ。
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元来テレビっ子だったわたしも、最近はすっかりネット派。 テレビそのものの価値がネットに奪われはじめて メディア < コンテンツが主導な昨今です。 そんななか、業界に精通した著者が、業界のこれからというよりも 本質的に抱えている現状の問題点や歴史的背景、 ビジネスモデルの構造変化...
元来テレビっ子だったわたしも、最近はすっかりネット派。 テレビそのものの価値がネットに奪われはじめて メディア < コンテンツが主導な昨今です。 そんななか、業界に精通した著者が、業界のこれからというよりも 本質的に抱えている現状の問題点や歴史的背景、 ビジネスモデルの構造変化を解説してくれています。 初心者のわたしにはわかりやすい。 確かにテレビをはじめとするマスメディアは ネット、延いてはSNSといったソーシャルメディアに 置換される時が必ず来る(むしろ今がその真っ只中なのかも)。 でも、テレビ業界が瓦解するかというと、 わたしにはそうは思えないのです(もちろん衰退はする)。 テレビの余命、7年。 その根拠を示してほしかったな、というの減点ポイント。 ※業界をぶったぎっている本書ですが、 著者の、テレビへの切ないまでの愛情が溢れてますよ。
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タイトルは衝撃的だが、それ以上にテレビについて、真面目に書いているように思える。 内容は、テレビがつまらなくなった(見られなくなった)原因、kのビジネスモデルとお金の流れの限界、報道の公正性や日本のテレビの歴史や女子アナの問題、海外のテレビ事情などについて書いてある。 著者が...
タイトルは衝撃的だが、それ以上にテレビについて、真面目に書いているように思える。 内容は、テレビがつまらなくなった(見られなくなった)原因、kのビジネスモデルとお金の流れの限界、報道の公正性や日本のテレビの歴史や女子アナの問題、海外のテレビ事情などについて書いてある。 著者が言うように、このまま全てが流れるとは思わないが、少なくても常識さえ知らない私にとっては、勉強になることが多かった。
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C0095 かなり辛辣にテレビ業界を叩いていますが、テレビが好きでしょうがないみたいです。私は、つまらなければ観ないだけで、批判精神もないです。BSは視聴できないのですが、通販番組が多いのですね。せっかくの1980*1080iのスペックが泣きますよね。アニメが宮崎アニメだけしか言...
C0095 かなり辛辣にテレビ業界を叩いていますが、テレビが好きでしょうがないみたいです。私は、つまらなければ観ないだけで、批判精神もないです。BSは視聴できないのですが、通販番組が多いのですね。せっかくの1980*1080iのスペックが泣きますよね。アニメが宮崎アニメだけしか言及していないのは、ちょっとがっかりです。声優のキャスティングは、鈴木敏夫プロデューサーの影響も大きいと思います。ジブリ公式見解だと、自然な演技らしいです。
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大学でメディアを勉強しているのだが、恥ずかしながらこの本でやっとテレビの基礎知識を頭に入れることができた。しかし、この本を読んでからゼミでの議論や講義の内容がすっと頭に入るようになったから不思議。共感するところもできないところもあったが、とにかく読んで良かった。テレビについて感じ...
大学でメディアを勉強しているのだが、恥ずかしながらこの本でやっとテレビの基礎知識を頭に入れることができた。しかし、この本を読んでからゼミでの議論や講義の内容がすっと頭に入るようになったから不思議。共感するところもできないところもあったが、とにかく読んで良かった。テレビについて感じていた疑問が詰まっていて、本当に面白い。
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余命7年。人のことではない、TVのことである。 副題の「ずっとテレビがつまらない」に興味をもったので買ってみたが、著者の指南役はTV業界の第一線で活躍してきただけあってその語る言葉に説得力があり、また興味深い事例がたくさん記載されている。 視聴率低迷によるTV局の危機はインタ...
余命7年。人のことではない、TVのことである。 副題の「ずっとテレビがつまらない」に興味をもったので買ってみたが、著者の指南役はTV業界の第一線で活躍してきただけあってその語る言葉に説得力があり、また興味深い事例がたくさん記載されている。 視聴率低迷によるTV局の危機はインターネットの台頭だけが理由ではない。 たとえば、バラエティ番組一本作るのにスポンサーから支払われる額は1億、しかし実際にその番組を作っている制作会社に支払われる金額は860万。一億のわずか9%にしかすぎない。 大半のお金は高額な給料を貰っているTV局の正社員や系列局の社員に流れていく。 その一方で著者はアメリカの例も紹介。 大ヒットドラマを連発する制作会社の裏舞台やその仕組みを説明する。 徹底した自由と成功に応じた巨額の報酬、TV局側との対等な関係。 ヒットすれば億単位の収入が制作会社に入り、それを活用してさらに質の高い面白い番組を制作できる良い循環ができている。 その仕組みはあまりにも日本とは正反対だ。 どんなビジネスモデルも時代に合わなくなれば退場を迫られるが、今日本のTV業界を取り巻く環境がその選択を迫っているのではないだろうか。 視聴者の側につき変革するか、TV局で働く社員の立場を守る為だけに働き、滅ぶのかを・・
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戦前からテレビの開発があったのは知らなかったなあ・・・ それから、テレビ局のネットワークの形成についても、 コンパクトにまとめられていて、とてもわかりやすかった。 余命7年であるというのも、切実だな、と。 最後の章のメッセージはテレビマンの心のなかをつまびらかにしていると思う...
戦前からテレビの開発があったのは知らなかったなあ・・・ それから、テレビ局のネットワークの形成についても、 コンパクトにまとめられていて、とてもわかりやすかった。 余命7年であるというのも、切実だな、と。 最後の章のメッセージはテレビマンの心のなかをつまびらかにしていると思う。
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「テレビの終わりが、今、始まった」(p.167) とある。内容としてはテレビの将来よりもこれまでのテレビの歴史と現状の問題点の分析にその価値がある本。業界の内側からの視点で課題を指摘していて面白い。 番組製作の話、視聴率の話、系列TV局の話、連ドラ制作の話、「女子アナ」の話...
「テレビの終わりが、今、始まった」(p.167) とある。内容としてはテレビの将来よりもこれまでのテレビの歴史と現状の問題点の分析にその価値がある本。業界の内側からの視点で課題を指摘していて面白い。 番組製作の話、視聴率の話、系列TV局の話、連ドラ制作の話、「女子アナ」の話、ニュース番組の話、TV局資本の映画製作の話、「テレビタレント」の話、についてなぜ今のような形になっているのかを過去の象徴的なエピソードも交えて教えてくれる。 更には戦前の実験的放送も含めた日本のテレビの歴史、NHKと民放の位置付け、海外のテレビ(といってもアメリカだけ)について解説が加えている。ここでのNHKに対する見方も独特だ(視聴者というよりも民放よりの立場か)。ニュースステーションから始まった、司会者が印象を操作する「コメント」を入れるスタイルや、メジャーなアニメ映画の声優として本職でなくタレントを起用すること、など課題の捉え方も多様で参考になる。 本格的なテレビ放送が始まったのが1950年代初め。自分の生まれが1970年なので、よく考えるとその時点ではまだ20年しか経っていなかったわけだ。テレビの時代にどっぷりとつかってその半分以上を世代として共有していることになる。意外に短い歴史。ビジネスモデルも今のモデルが絶対ではないし、技術や市場も変わってそろそろ制度疲労を起こしてもちっともおかしくない。 生まれたときからインターネットがあった新しい世代はインターネットのことをいつかこういうふうに振り返る日が来るんだろうか。そしてその次の世代はSNSを似たような素振りで振り返ることになるのかもしれない。それらはつながって、その前の新聞も連ねて「メディア」の歴史として分析されることになるんだろう。 最後にフジテレビのかつての深夜番組「カノッサの屈辱」の名前が出てきている。あれは、アイデアもセンスも素晴らしかった。毎週あのクォリティのものを制作するのも驚きだ。この番組の名前を敢えて出したのはある種のノスタルジーなのだろうか。 タイトルの「余命7年」というのは、7年内にはキー局のうちの少なくとも一つがなくなり、業界が再編されるとの予想。それを余命というのは大げさなようにも思えるが、単純に市場を縮小するに任せるのではなく、ビジネスモデルを調整していく必要があるのだろうな。
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煽動的なタイトルなので思わず手にとってみた。内容は、このまま視聴者をほったらかした番組ばかり作ってると、みんなテレビを見なくなりまっせ。とテレビ制作側にメッセージを伝えてる著者のテレビ愛が溢れている。私も昔はテレビっ子だったが今は一週間で二時間も見ない、とテレビ離れが激しいので頷...
煽動的なタイトルなので思わず手にとってみた。内容は、このまま視聴者をほったらかした番組ばかり作ってると、みんなテレビを見なくなりまっせ。とテレビ制作側にメッセージを伝えてる著者のテレビ愛が溢れている。私も昔はテレビっ子だったが今は一週間で二時間も見ない、とテレビ離れが激しいので頷けるところが多かった。最後は「マルモ」のような時代を反映させた誠実な番組を作ってると視聴者はテレビに戻ってくる、という希望的観測を込めた締めだったが、双方向情報時代に情報提供が一方的なテレビは相当の工夫をしないと無理だろうな。
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