恥知らずのパープルヘイズ の商品レビュー
ストーリーの流れはとても『ジョジョの奇妙な冒険』らしく、本筋とは別のところで 出てくる設定も、著者がジョジョという作品を、5部以外の全編を通して大事に考えて おられるのが伝わってくる内容でした。 新しく出てきたキャラクターのスタンド能力もいかにもジョジョ! ただ、ジョルノに関し...
ストーリーの流れはとても『ジョジョの奇妙な冒険』らしく、本筋とは別のところで 出てくる設定も、著者がジョジョという作品を、5部以外の全編を通して大事に考えて おられるのが伝わってくる内容でした。 新しく出てきたキャラクターのスタンド能力もいかにもジョジョ! ただ、ジョルノに関しては理解の落としどころを見つけられません。 ラストであの口調と態度になるのは将来的にそりゃアリとして、でもこの本の中で 起こっている物語は5部本編から半年そこら。 そこでああ成ったのは彼にどんな心境の移ろいがあったのか? それとも実は5部本編から本質はああだったのか? 読んでいる自分にとっては、点から点に飛んだ感じ。 まだ自分の中でジョルノが線になりません。 詰まるところ、この本に出てくるジョルノはDIOの息子なのです。 5部うんぬんは関係なく、DIOの息子なのです。 この本に出てくるジョルノはあくまでも、「DIOの息子」がギャングのボスになったとしたら、というイメージの塊であり、それは5部本編のジョルノとは一線を画しているように思えます。 口調も態度も5部のそれとは大きく違い、それが好ましく感じられる人もいれば、 到底受け入れがたい人もいることでしょう。 個人的にですが、私は後者です。 これが公式として出されたからこれが正解、不正解、ではありません。 長年ジョジョを読んできた、いわゆる『ジョジョラー』にとって大事なのは 『公式の続編なのかどうか』じゃあないのです。 この一つの物語を書き上げた人の内側では、登場キャラクターにどんな時間の 流れや経験があったと考えているのか? その人物にどんな心境が起こり、それがどんなふうに言動に変化を与えたのか? 追求したいのはそんな部分なのです。 この物語はジョジョとしては素晴らしいです。 いかにもジョジョな人物、スタンド、展開です。 ただ、キャラクターの内面性についていうなら、5部からはスッとストレートに 繋がらない部分もある物語だと覚悟して読むことが求められると思います。
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エリエリエリエリエリエリエリエリエリ…!! 「ジョジョの奇妙な冒険 第五部」のノベライズで、主人公が、ある意味裏切り者のパンナコッタ・フーゴ。 中二病満載の匂い。 至る所にジョジョのオマージュが散りばめられていて、それを見つけて味わって行く。 ディ・モールト楽しい時間を過ごせ...
エリエリエリエリエリエリエリエリエリ…!! 「ジョジョの奇妙な冒険 第五部」のノベライズで、主人公が、ある意味裏切り者のパンナコッタ・フーゴ。 中二病満載の匂い。 至る所にジョジョのオマージュが散りばめられていて、それを見つけて味わって行く。 ディ・モールト楽しい時間を過ごせます! 原作の設定を覆すことなく、自身の解釈を加えてジョジョを書く上遠野氏のスタンドパワーに参りました! ただ、読んでいてドキッとさせられる箇所もありました。 「"あんたは現実を見ていない。理想だけでこの世界を生き抜く者はいない。この組織なくして、僕らは生きられない"」(p.17) 自分自身どうかな〜って、ちょっと考えさせられました。 組織にすがる。 楽で安全だけど、どこか不満。 けど今は一歩踏み出せない。 フーゴと同じです。 そんな自分といつかは 「アリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリ…アリーヴェ・デルチ!!(さよならだっ!)」
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荒木さん好き、上遠野さんはたぶん初読みです。 『ジョジョ』という大樹に寄生する宿木のイメージを持って臨んだのだけれど、オリジナルのキャラクター造形・スタンド能力とも原作世界になじむもので、思っていた以上に宿主にうまく一体化していてくれた。トニオさんなんかのくだりは遊び心なのだろう...
荒木さん好き、上遠野さんはたぶん初読みです。 『ジョジョ』という大樹に寄生する宿木のイメージを持って臨んだのだけれど、オリジナルのキャラクター造形・スタンド能力とも原作世界になじむもので、思っていた以上に宿主にうまく一体化していてくれた。トニオさんなんかのくだりは遊び心なのだろうけれど、その部分で「あれ、これ正史じゃあないんだよな?」とふと我に帰ったことで逆説的にこのお話がいかに『自然』であったかを認識できて楽しかった。 ・・・「上遠野、きさまこの漫画(ジョジョ)読み込んでいるなッ!」みたいなね。ブラボー。
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読み始めて1年近く経った気がする。ようやく読み終わった。 一気読みできなかったのは、イマイチ面白くなかったから。 amazonなんかのレビューを読むと、絶賛のコメントが書かれている。 「俺は漫画を読んでいるのかと思ったら、小説だった」とか、ポルナレフのあのセリフなんかも使いつつ。 まるでジョジョのコミックスを読むかのごとく、ジョジョの世界で話が進むのだと。 当たり前だ。 ジョジョ原作の内容が、随所に活字として散りばめられている。 それは回想シーンのような形であったり、いわゆるジョジョっぽいセリフ回しがそのまま引用されていたりと。終盤では、これみよがしに本編とはさほど関係のない、4部のトニオまで出してくる。 削れていない。 中途半端なオタクの話がつまらないのと同じように、根底にあるものを掴みきれずにジョジョっぽい雰囲気を表層的に撫でているように思えた。 作者がジョジョ好きなのはわかるが、薄っぺらい。 テレビ番組で「ジョジョが流行ってるらしいです!」とかゆって、ジョジョ立ちしてるアホに見える。 乙一のThe Bookが素晴らしいだけに、どうしても比べてしまいますね。 The Bookのように、ジョジョの世界をうまく作者の世界に引っ張りこんだ作品が読みたかったです。
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5部大好きジョルノ大好き人間にはたまらないですね…。とりあえずパッショーネに入りたい人続出する内容だと思いました。
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5部の後日談、フーゴ視点で描かれています。 承太郎や石仮面、SPW財団の繋がりまで補完されていて、完璧。ぜひ5部と一緒に読んでもらいたいな。 とても面白かったです。
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まずフーゴのその後というチョイスが素晴らしい。原作での空白を埋めるのが、こういう本の役目だと思う。それでいて全く蛇足になっていない。公式設定として受け止めている方も多いと思う。それぐらい面白い。 戦闘シーンはオリジナルキャラも含めて脳内で、荒木先生の漫画になって読めてしまう。凄すぎる。そしてカッコイイ。 承太郎が、ジョルノと石仮面の接触を警戒する辺りもさらっと織り込まれて、ポルナレフとの再会までは踏み込まず、絶妙な距離感で原作に触れる上遠野先生のセンスが冴えわたる。 グレードですよこいつは。
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ブチャラティたちとの離別のシーン以後、一切描かれなかったパンナコッタ・フーゴの後日譚ということで、期待して読んだ。が、その期待以上の面白さだった。 フーゴの心情描写はもちろん、『まだ全員が健在であった』ブチャラティチームの過去の回想は5部が好きなファンとしてはたまらないし、オリジナルキャラクターたちやスタンドも、ジョジョの世界観に合ったものばかりで、とても楽しく読めた。 ラスト、ジョルノとフーゴの会話のシーンは情景が目に浮かぶようだった。是非荒木先生の絵で見たいと思った。
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