虚栄の市(訳:三宅幾三郎)(4) の商品レビュー
かつて、こんなにもひどいヒロインは存在したでしょうか??? ベッキーさんが、卒業記念にもらった辞書を馬車から投げ捨てるシーンは、文学史上屈指の名場面?として是非とも殿堂入りして欲しいものです。(※一巻の表紙の場面) 次点として、カーテンの陰から悪魔のように微笑むベッキーさんの...
かつて、こんなにもひどいヒロインは存在したでしょうか??? ベッキーさんが、卒業記念にもらった辞書を馬車から投げ捨てるシーンは、文学史上屈指の名場面?として是非とも殿堂入りして欲しいものです。(※一巻の表紙の場面) 次点として、カーテンの陰から悪魔のように微笑むベッキーさんの姿を推します。(※四巻の表紙) ベッキーさん、ただ者ではありません。 それでもどこかベッキーさんを憎めないのはなぜでしょうか。 なんだかんだいって、作者の目線が人間愛に満ちた優しい眼差しだからかもしれません。 * * 本書を読んだきっかけは、北村薫さんの『街の灯』に出てきたからですが、読むまでに何十年もかかったことになります。 本にはたまにそんな時間が流れます。
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「虚栄の市(四)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2004.03.16 411p ¥840 C0197 (2017.11.06読了)(2017.07.02購入) 【目次】 第五十四章 戦い済んで日曜日 第五十五章 前章の続き 第五十六章 ジョージー、紳士となる 第五十七章 ...
「虚栄の市(四)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2004.03.16 411p ¥840 C0197 (2017.11.06読了)(2017.07.02購入) 【目次】 第五十四章 戦い済んで日曜日 第五十五章 前章の続き 第五十六章 ジョージー、紳士となる 第五十七章 東方紀行 第五十八章 われらが友、ドビン少佐 第六十章 再び上流社会へ 第六十一章 二つの灯が消える 第六十二章 ラインの畔 第六十三章 旧友との再会 第六十四章 さすらい人 第六十五章 忙しいやら嬉しいやら 第六十六章 恋人同士の喧嘩 第六十七章 出生、結婚、そして死 地図 解説 中島賢二 ☆関連図書(既読) 「虚栄の市(一)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2003.09.17 「虚栄の市(二)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2003.11.14 「虚栄の市(三)」サッカリー著・中島賢二訳、岩波文庫、2004.01.16 (「BOOK」データベースより)amazon 賭博場をさすらうベッキーとの予期せぬ再会。亡夫を追慕するアミーリアに旧友は15年前の手紙を突きつけ迷妄を醒ましてやる。しかし、ああ、空の空―虚栄の社会はなおも続き…人間絵巻ついに完結。“悪女”最後の疑惑を読者にのこして。新訳。
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稀代の悪女とか書かれているベッキーだが、ちっともそうとは思えない。この時代に金も後ろ盾も無く、自分の力だけでここまで伸し上がれたのは素晴らしい。
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全4巻読了。北村薫のベッキーさんシリーズから興味を持って読んだけど、予想外に面白かった。2004年の新訳だけあって、訳が古臭くなくて読みやすいのも◎ 善良で凡庸なヒロインアミーリアに対して才知に溢れる「悪女」ベッキー。でもこのベッキーがとても魅力的。自分に正直で目的のためには手段...
全4巻読了。北村薫のベッキーさんシリーズから興味を持って読んだけど、予想外に面白かった。2004年の新訳だけあって、訳が古臭くなくて読みやすいのも◎ 善良で凡庸なヒロインアミーリアに対して才知に溢れる「悪女」ベッキー。でもこのベッキーがとても魅力的。自分に正直で目的のためには手段を選ばず、だけど根っからの悪人ではなくて、自分に正面から敵対する人にかえって好意を感じたり、困難を笑い飛ばすことのできるベッキーは、今でも通用するキャラクターだと思う。
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