神様の女房 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
松下幸之助のことを書いた本はちまたに多々ありますが、この本は妻”むめの”の物語。 むめのはいくつもの縁談のなかから、資産家や良家からの縁談を断ってあえて最悪の条件であった松下幸之助を選ぶ。その理由が「自分の人生は自分で切り開きたかったから」というところにこの人の芯の強さみたいなものを感じます。 しつけに厳しく、人との縁を大切にする。この本にはそんなエピソード満載で、その筋の通った生き方には人を惹きつける魅力を感じます。 何度か衝突しつつも、常に夫のことを考え、立てていく姿勢には、昔の女性の生き方を踏襲しているというよりかは、松下幸之助の夢や人生観に本気で惚れ込んでるという感じで、幸之助の人物としての偉大さも感じることができます。 最近たるんでるなという時に再度読みたい一冊です。 最後に夫婦喧嘩に関する一節を紹介。 「新鮮味が湧いてくる。そんな喧嘩ならわるいことではない。ただ、最後の詰めまでいったらあかん。喧嘩をして、もうにっちもさっちもいかないところまでお互いに追い詰めてしまったら、おしまいや。」 「もし、喧嘩で決着をつけてしまったら、どっちが勝っても負けても、負けたほうが必ず意地になるもんなんや。そうなったら、もう夫婦もあったもんやない。決着をつけんでも、どっちが良いか悪いかは、もう二人ともわかっとるんやから。」
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便所の掃除も同様だった。きれいにしておかなかったなら不細工な子供が生まれる、と聞いて、みんなで一生懸命に掃除をした。 「できません、ではいけません。私はよういたしません、と言って教えを請うようにしないと」 「ええか、人生は誰かからもらうもんやない。自分で切り開くもんや。人から...
便所の掃除も同様だった。きれいにしておかなかったなら不細工な子供が生まれる、と聞いて、みんなで一生懸命に掃除をした。 「できません、ではいけません。私はよういたしません、と言って教えを請うようにしないと」 「ええか、人生は誰かからもらうもんやない。自分で切り開くもんや。人からもろたもんは、すぐになくなってしまう。自分で手に入れたもんは、簡単には失わん。その心構えをもっときや」 「苦労、いうのは、心の持ちようで感ずるものや。ものがない、お金がないというのは、苦労やなくて、難儀や。常に希望があったら、苦労になんかならへん。」 いつしか二人は朝夕、工場の入り口に立って出迎えだけでなく、見送りもすることが日課になっていった。 「他人が言うことを聞いてくれないのは、自分が至らないから。」 「人間としての筋が通ってない話しは、どんなに商売がうまいこといったかて、そんだけのこと。」 「こんなもんはあかんと頭から否定せんと、ちゃんと話しを聞いておくことが大事なんやな。あとは、他の人がしてないことをすることや。」 「喧嘩で決着をつけてしまったら、どっちが勝っても負けても、負けた方は必ず意地になるもんや。」 「日本の伝統には、心が入っとるんです。その心の意味を理解せんといかん。その心さえあれば、形ばかりの礼儀など、不要になる。」 「人やのうて、コトを叱るんです。」 「ほんまなら、普段を大事にすることが、大切やということや。たまにカッコええコトをしても、それはほんまもんやない。毎日しゃんとするから、それは意味を持って来るんや」
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まるでむめのさんから叱られてるような気持ちになりながらも 努力すること、誠実であること、利他であることの尊さを感じました。 泣きました
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