ブラック・スワンの箴言 の商品レビュー
■知的に恵まれすぎた著者が、巷の人間を鼻で笑いつつ、不都合な真実を突きつける■ タイトルの日本語訳は大げさで意訳のつもりだろうが飛躍させすぎだ。ありがたい言葉や格言・名言との出会いを期待するかもしれないが、そういった類の書ではない。全編にわたり、歯に衣着せぬタレブ節が貫き通され...
■知的に恵まれすぎた著者が、巷の人間を鼻で笑いつつ、不都合な真実を突きつける■ タイトルの日本語訳は大げさで意訳のつもりだろうが飛躍させすぎだ。ありがたい言葉や格言・名言との出会いを期待するかもしれないが、そういった類の書ではない。全編にわたり、歯に衣着せぬタレブ節が貫き通される。 知識人は自らの著作で他者批判はしないという暗黙の了解(そんなルール存在しないが)はタレブには通用しない。そこそこ有名人だからといって、いい子を演じる気は全くないようで、それが却って潔くもある。 トランプ元大統領に最高の知性を足し、ぜい肉を引いたらタレブが出来上がるのではないだろうか。 サラリーマンや被雇用者を小馬鹿にする言葉がしばしば登場するが、ここで腹を立ててはタレブの思うツボ。悔しいが、ヤツはきっと読者の多くはビジネス書好きのインテリぶったサラリーマンだとわかった上で書いたに違いない。 タレブはさらに、自らの著書(とその読者)もコケにしていると思われる。 “自分の主張を誰にも気付かれないように繰り返す。それが著作という芸だ” “要約ができない本(本物の文学や詩)もあれば、10ページに要約できる本もある。大多数はゼロページに要約できる” それ言っちゃっていいの?それで名前売ってるし、ガッポリ印税収入もあるんでしょ? タレブの代表作『まぐれ』、『ブラック・スワン(上・下)』は、いずれもかなりボリュームのある本だ。 前者は、トレーダー、経済学者、アナリストといった肩書きの人たちが常に運を実力と勘違いしていることについて、後者は、不確実性が支配する現実世界においは、予測などハナから成立し得ないにもかかわらず、したり顔で将来予測したり、後知恵で分かったつもりになっている懲りない知識人たちの馬鹿さ加減について、それぞれ冗長に書いた作品である。 あれ?3冊まとめて5行に要約できる!? 悔しいが読んだ当時は同じことの繰り返しであることに気づかなかった。さすがの詐欺っぷり、もとい芸達者ぶり! 著者の言葉はお世辞にもお行儀が良いとは言えない。楽しめるかどうかは読む人の姿勢次第か。「お上品で眠たいビジネス書に飽きたから時間潰しに戯言に付き合ってやるよ」くらいの態度で臨むのがいいかもしれない。 なお、自腹を切って買うのは精神衛生上、あまりお勧めできない。
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箴言集。 文字数も少ないので初見はサラッと読んでしまったが、読み返すとジワジワと分かってくるというか、自分の中で思い当たる節が出てくる。 常識を疑うキッカケになって自分にはとても面白い本だった。 こういった箴言集を自分で作って、自分で学んだことにしていきたい。
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中毒になったら一番ひどいことになるもの ヘロイン,炭水化物,給与 テクノロジー,サラリーマンと奴隷の違いは後者は自分が自由でないことをわかっていること 定期的に読み返したい
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あまりにもサラッと(ただしドキドキ、ビクビクしながら)読んでしまったが、箴言なので読み返したい本。と言うか、自分にとっては、タレブ自身があとがきで述べている通り、「一度読んだだけでは重要な真理だとは気づかない、そんなことを述べた箴言」だからなのか。
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ナシーム・ニコラス・タレブ氏による現代人への箴言集。ちなみに箴言とは教訓とか格言とか、そういう意味らしい。哲学、道徳、経済などのテーマごとに、約400の短い文章が綴られている。 タレブ氏の考えを勝手に要約すると、現代は矛盾に満ち溢れている、というかむしろ矛盾が作り出した創造物が...
ナシーム・ニコラス・タレブ氏による現代人への箴言集。ちなみに箴言とは教訓とか格言とか、そういう意味らしい。哲学、道徳、経済などのテーマごとに、約400の短い文章が綴られている。 タレブ氏の考えを勝手に要約すると、現代は矛盾に満ち溢れている、というかむしろ矛盾が作り出した創造物が現代なのである。しかし、その矛盾を指摘する者は殆どいない。なぜなら自分の生活や職業、趣味までも否定してしまう事になりかねないからなのだ。 って、そんな感じ… まさに冒頭のプロクルーステースのベッドの話のように、誰かが勝手に作った規則やルールに合わないものは、頭や脚を切り落とされてしまうと言う、ある意味非常に恐ろしい世の中が現代なのである。 作品の中にサッカーの三浦知良氏が語っていた言葉によく似た一節があり、何かを極めつつある人の境地に少し触れたような気がした。賢人は決して誰のせいにもしない、自分も学び続ける人間でありたいと思った。
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合理的思考の罠を嗤う392の言葉/ The bed of procrustes ― http://www.diamond.co.jp/book/9784478015407.html
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誰でもこの中から真を突くと思える言葉を見つけ出せると思う。 経験を積んで、さらに共感したいと思える本。
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日本語タイトルの付け方は上手い! タイトルはいいけど、中身は?マークが付いてしまいます。箴言だから、仕方ないかもしれませんが、意味がよくわかりませんでした。何の役にたつのだろうか?ビジネス書としてはお勧めできないです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
文字数少ないですね。そして、元々タレブのブラック・スワンを読んでいないせいか、イマイチピンと来ませんでした。所々「ほう」と思うところはあるのですが、よくわからない所の方が多かったかな...
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タレブ節全開の知的エンターテイメント。 「ブラックスワン」「まぐれ」等の著作があるナシーム・ニコラス・タレブさんと望月衞さん翻訳のコンビの本。 僕は色々迷った挙句、Facebookの好きな本(作家)にはタレブさんと荒木飛呂彦さんしかいれていない。 普段「合理的」だと考えている...
タレブ節全開の知的エンターテイメント。 「ブラックスワン」「まぐれ」等の著作があるナシーム・ニコラス・タレブさんと望月衞さん翻訳のコンビの本。 僕は色々迷った挙句、Facebookの好きな本(作家)にはタレブさんと荒木飛呂彦さんしかいれていない。 普段「合理的」だと考えている事がどれほどバイアスがかかっているか、ずっと複雑な事象に対して、たいしてわかってもいないフレームに当てはめようとする事で、誤謬を産んでいるかという事が「ブラックスワン」から続く氏のテーマだと思っていますが、それが凝縮されています。 2、3行(日本語)程度の短い文章が392本並んでいて、表紙に「合理的思考のの罠を嗤う」とありますが、、まさにその表現がピッタリ。 今回で印象深いのは、 博識な人とは、知っていることの方が表に出すことよりも多い人である。マスコミやコンサルタントはその逆。 私を激しく憎んでいる人は、私が他の人を憎んでいるのを知ったら嫉妬するのだろうかと思う。 人間には二種類いる。勝とうとする人間と、議論に勝とうとする人間だ。両者が一緒であることは決してない。 ビジネス本とは、本屋が作り出した消去法で定義されるジャンルのことである。深みもなく、流儀もなく、厳密な実証もなく、そして洗練された表現もない、そんな著作のジャンルだ。 あたりです。 この著者の本は通常の本以上に、「理解していると自分自身を説得している状態」と「理解して見識を高められている状態」の差異の罠が大きいように思っています。 しばらく読み続けます。
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