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聖書男 の商品レビュー

4.3

22件のお客様レビュー

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2013/05/24

ニューヨークに住んでいる筆者が、1年の間、聖書に書いてあることをほとんど文字どおりに忠実に実践していくノンフィクション。 この筆者は、一応ユダヤ人だが、不可知論者(神がいるかどうかはわかりようがないと思っている人)で、いわゆる敬虔な人々を見るとちょっと引いてしまう、という感性の持...

ニューヨークに住んでいる筆者が、1年の間、聖書に書いてあることをほとんど文字どおりに忠実に実践していくノンフィクション。 この筆者は、一応ユダヤ人だが、不可知論者(神がいるかどうかはわかりようがないと思っている人)で、いわゆる敬虔な人々を見るとちょっと引いてしまう、という感性の持ち主で、日本人には感情移入しやすいと思う。 簡単に聖書の教えを守る、といっても並大抵ではない。有名な「汝の隣人を愛せ」のようなものもあれば、「十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ」「二種の糸で織った衣服を身に着けてはならない」など、なんで?と聞きたくなるような教えも、筆者は忠実に守ろうとする。 ところで、アメリカではこのような教えを守ろうとする人のために、通販やらなんやらが充実していて驚いた。 そんな日々が過ぎ、1年間の最後の月、二つの事件が起こる。 筆者はその時、聖書から何を得るのか? 一見してどんなにバカバカしく思える掟や信条、信徒たちに対しても、この筆者は誠実に向き合おうとし、何かを得ようとする。そこにとても好感が持てる。 全編ユーモア(アメリカンジョーク?)にあふれているので、とても読みやすい。くどいと思う人もいるかも?

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2013/04/19

聖書に慣れ親しんだ無宗教の私にとっては、彼の根性と気づきにはかなり笑わされた。電車でたまに思いだし笑いが出て、毎日がラッキーに感じるよ

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2012/07/27

ニューヨークに住む、ごく一般的な感性を持った人間が、率直に思ったことを(しかもちょっと面白く)書いているので、面白く読めました。 現代社会の仕組みに宗教がどのように関与しているのか、宗教がどのように対応しているのか、その一端が分かったような気がします。 著者自身が変化していく様子...

ニューヨークに住む、ごく一般的な感性を持った人間が、率直に思ったことを(しかもちょっと面白く)書いているので、面白く読めました。 現代社会の仕組みに宗教がどのように関与しているのか、宗教がどのように対応しているのか、その一端が分かったような気がします。 著者自身が変化していく様子が時を追ってリアルに描かれていて、興味深かったです。 周囲の人間の意見が多様なので、面白かったし、きっとそれは普通の生活の仕方だと分からない部分だと思いました。 宗教にも本当に色々あるのだなあと、そして宗教の教えだけでなく信者の性質にもいろいろあるのだなあと感心しました。 そんなにいろいろの考え方の人がいる世界…広くて、深いです。難しくて、おもしろいです。 著者の人が、自分の頭で考えて日々を送っているのがよかったです。面白半分でない感じがして。

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2012/05/27

やっと読み終わった。主にアメリカ人と話してると、ノンフィクションが好きなのが分かると、「何がいい?」って聞かれるんだけど、当面はこれでしのげそう。イスラム圏の配慮もまあまああるし、悪くはないと思う。アメリカの宗教構造が思ったより複雑なことがよくわかったのも意外な成果。

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2014/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

≪県立図書館≫ P374、P570~Last 途中で飽きた。 わかったことは、いくつもある。 思いのほか、キリスト教も面倒くさい宗教なんだな、と。 意味不明なキマリとか、そりゃ無理でしょというキマリもいっぱいなんだな、と。 自由の国の宗教、というイメージが強かったけれど、そうでもないのだな。 不可知論者、というよりは、消極的無神論者である私。 聖書の教えを忠実に守ることに、どれほどの意味があるのか 半分以上読んだ後も、疑問が残る。 よりよく生きること、幸せに生きることが宗教の目的ではないのだろうか。 信じることによって、強く生きることができる。 それも、行き過ぎると客観性を欠くのだろうけれど。 食べて生きていくことに精一杯で、字も読めず、それほど考える訓練もなされていない人たちに宗教を広めていくためには、規則や見た目といった、わかりやすい制度が必要だったんだろうな。 と、私は思った。

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2012/03/24

これも、体験もの。 『ぼくはお金を使わずに生きることにした』 に続いて、似たような傾向のものを手に取ってみたり。 最近は、こういうちょっと極端な体験型ルポがはやっているのだろうか? 現代版のロビンソン・クルーソーが増えるのは 個人的にも面白いし、頼もしい。 さて、これも『ぼくは...

これも、体験もの。 『ぼくはお金を使わずに生きることにした』 に続いて、似たような傾向のものを手に取ってみたり。 最近は、こういうちょっと極端な体験型ルポがはやっているのだろうか? 現代版のロビンソン・クルーソーが増えるのは 個人的にも面白いし、頼もしい。 さて、これも『ぼくは…』にたがわず面白かった。 タイトル通り、聖書の掟に従って一年間生きる、というそこだけ抜き出すと めっちゃファンダメンタリストな感じがするが、さにあらず。 ちなみに著者はユダヤ教なので、ここで言う聖書とは専ら旧約聖書(著者が言うところのヘブライ語聖書)のことだ。 新約の掟についての体験は後半の四カ月ほど。 600ページ以上ある本なので、手にとって読み始めるまでには非常にハードルが高いと思うけど、決して読んで損はしない。 考えさせられること大。 クリスチャンが言うのだから、間違いない。 p.317 「パイ生地にラードを使っているかどうかわかる?」 「使っていないと思いますが、確認します」 「ありがとう。ラードはだめなんだ」 「アレルギーですか」 「いや、レビ記にあるから」  そこで会話がぷつんと切れる。 p.381  聖書を自己啓発の書としてみるのはやめるようにといわれた。たしかに、そういう見方をすることが多い。宗教はいかにより多くの喜びをぼくに与えてくれるのか。ぼくの人生をより意義深いものにしてくれるのか。いかにぼくの子育てに役立ち、息子が将来、横領やゆすりたかりをしないように導いてくれるのか。  でも、宗教はそれ以上のもの。神に仕えることだ。 p.416  けれど、イスラエルは危険もはらんでいる。ぼくたちの中に眠っているファンダメンタリストが目を覚ます恐れがある。だれもが内に秘めているグル・ギルが表に出てきて、独善的な面が増す。ニューアーク空港でタクシーに乗ってすぐ、それを実感した。携帯電話で声高に話している歩行者を見て思った。どうせひとの悪口か自慢話だろう。うう、やだ。ぼくはああいう連中とは違う。聖書に従って生きている。あんな不信心なやつらよりずっとまし……。  そう、わかっている。こんな風に考えるのは全然聖書的じゃない。

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2012/03/11

新聞の書評欄から興味を持って。不可知論者なNYに住む著者が、一年間【聖書の教え】を忠実に守って生活した記録。普通にどん引くと思うものも素晴らしく思えていく結果とか「何故?!」と思わず何度か突っ込みいれてしまいました。神を感じるとかも「トランス状態…?」と思う自分には到底理解不能の...

新聞の書評欄から興味を持って。不可知論者なNYに住む著者が、一年間【聖書の教え】を忠実に守って生活した記録。普通にどん引くと思うものも素晴らしく思えていく結果とか「何故?!」と思わず何度か突っ込みいれてしまいました。神を感じるとかも「トランス状態…?」と思う自分には到底理解不能の世界です。でもひとつ思ったことは「聖書が記さなければそんなこともしないの?」空気読む日本人には普通にしていることを、聖書で法にし、それによって守るって…え?となりました。あ、でも文章は面白いです。忍耐強い奥さんがホント素晴らしい。

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2012/01/29

前作で百科事典を読破したNY 在住ライターが、今度は「聖書の教え通りに生活する事」に挑戦する話。 よくここまでやるよなあ、と思う。個人的には筆者の隣人の話が興味深かった。

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2012/01/22

これは、ユダヤ人だけどほとんどユダヤ人らしく育たなかったリベラルなニューヨーカーのライターが、聖書に書いてあることを実践していく体験本である。 本書にあるように、聖書とか宗教って知りたいけど近づきすぎたら怖い感じだ。 宗教に異常にはまっちゃって、誰でも彼でも勧誘するようになっちゃ...

これは、ユダヤ人だけどほとんどユダヤ人らしく育たなかったリベラルなニューヨーカーのライターが、聖書に書いてあることを実践していく体験本である。 本書にあるように、聖書とか宗教って知りたいけど近づきすぎたら怖い感じだ。 宗教に異常にはまっちゃって、誰でも彼でも勧誘するようになっちゃったらちょっといやだと考える著者の感覚はよくわかる。 その聖書を言葉通りに実践しようとするのだが、現代のニューヨークという最も進んだ都市では困難がいっぱいだ。聖書に書かれる無理難題をゲームのようにクリアしている様子はとても面白い。 興味深かったのは、かなり保守的な人たちへのインタビューだ。 たとえば、進化論を信じず、聖書の創世記をそのまま信じ、博物館を作っている人たちが、一方では、人種差別をしないというのは意外だった。神は人間を作っただけだから人種の優劣などはないのだというのだ。 そういえば、進化論って確かに優性劣性という考え方も持ち込んだといえることに気づかされる。 また、過激な発言でしられる宗教家の教会に行ってみても、その日は特に過激な発言はなく、ありきたりな説教を聞かされるだけだったりして拍子抜けしたりしている。 著者は、自分と相容れないだれかを聖書や宗教を理由に否定する考えに、嫌悪を示しながら、一方で、先入観で保守的な人々をとらえていた自分の考えと、議論が巻き起こっていること(同性愛とか)以外のところでは、同じような考えをもっていることを知って驚きをみせ、読者(多分著者と同じようなリベラルな人が多い)もその驚きを同じようにうけるようにしている。 好きなシーンは、ユダヤ教のお祭りをやってみて、そこに招いた親戚が、自分の子供の頃のそのお祭りのことを書いてきて、朗読するシーンだ。お母さんが大きな魚を買ってきて、浴槽に入れ、お祭りのときに調理して、一族みんなで食べるのだ。 その祭りには宗教心はもちろんあるが、基盤には、家族であったり母親であったり人と人との結びつきが描かれている。ユダヤ教徒でない私も懐かしい気持ちをもつし、暖かい心になる。 宗教がクローズアップされるが、現代社会では、本当は、著者のように宗教から遠ざかっている人のほうが増加しているのではないだろうか。 だから宗教に基づいて何か言われると、違和感をもったり怖かったり、狂信的だと思ってしまうのだろう。昔はもっと宗教は身近で、よく信じている人もそうでない人も、自分はどう信じるのかを考えていた。 今は、前よりも、先入観をもって判断するだけになってしまい、信じる人の言い分と自分たちとは相容れないものとしてすましてしまうのではないだろうか。 信じない側の人も、まずは、著者のように訪れてみる、聞いてみることをしてみると、本当の危険や相容れないものとをつかむきっかけになるのではないだろうか。

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2011/11/27

 文藝春秋でみつけて、この本を購入。  A・Jは、世俗的なユダヤ教徒で、奥さんと一人の子持ち。ジャーナリストで本をだすネタとして、旧約新約聖書の教えてをまもって生活して、その日記で一冊の本を書いた。  聖書のどっかにひげを切ってはいけないとかいてあるらしく、その顔がひげに...

 文藝春秋でみつけて、この本を購入。  A・Jは、世俗的なユダヤ教徒で、奥さんと一人の子持ち。ジャーナリストで本をだすネタとして、旧約新約聖書の教えてをまもって生活して、その日記で一冊の本を書いた。  聖書のどっかにひげを切ってはいけないとかいてあるらしく、その顔がひげに覆われていく写真が一こまずつのっている。  それだけでもおかしい。しかし著者はしごくまじめに悩みながら旧約、新約聖書のきまりをまもろうと努める。  でも、だんだん著者が敬虔な思想の持ち主にかわっていくプロセスがみえておもしろい。また、著者が納得していく聖書の言葉は、よんでいて自分も納得できる。 ①コヘレトの言葉の第六章第二節「短く空しい人生の日々を、影のように過ごす人間にとって、幸福とは何かを誰が知ろう。人間、その一生の後はどうなるのか教えてくれるものは、太陽の下にはいない。」(p412) ②個人主義をやみくもに崇拝するのはやめて、むかしに戻るべきかもしれない。いいことじゃないかな。なんだかんだいって徹底的な個人主義の時代は終わりに近づいている。(p391) ③神意は測りがたく、望んでも無駄。善い人間にも悪いことは起こる。愚か者も賢者も、聖人も罪人も人は皆死ぬ。ぼくたににできるのはせいぜい神に与えられた恵み、食べ物、飲み物、誠実に働く喜びを大切にすることぐらい。(p217)  だんだん、普通の世俗的なユダヤ人が聖書的になっていきます。  キリスト教国であるアメリカでこういう本がうれるというのは、やはり、戒律への疑問とか、宗教への回帰とかいろいろな要素があるのかと思う。  あまりにも厚い本で手でもって読みにくいのが玉に瑕だが、表紙をながめるだけでも楽しい本。

Posted byブクログ