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突然、僕は殺人犯にされた の商品レビュー

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34件のお客様レビュー

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2021/03/10

 突然、僕は殺人犯にされた  スマイリーキクチ (以下、赤字部分は本に書かれていないが明らかなこととして私が補足している部分です) お笑い芸人である著者が、東京で1988年に起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の犯人の一人だと、ネット上でデマを流されて苦しみ、闘っていった...

 突然、僕は殺人犯にされた  スマイリーキクチ (以下、赤字部分は本に書かれていないが明らかなこととして私が補足している部分です) お笑い芸人である著者が、東京で1988年に起きた「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の犯人の一人だと、ネット上でデマを流されて苦しみ、闘っていった10年にわたる様子が書かれた本。 あの事件は少年犯罪で犯人の名前が出なかったものの、実名を出しているサイトはいくつもあり、そうしたサイトの中にスマイリー氏の名前を見かけました。本人は否定しているとしか書かれていないので、意に介していなのかと思っていたけど、大変に苦しみ、人生が変わるほどの事態だったことがこの本を読んで分かりました。 本人は若い割にネットに疎く、1999年に自分が殺人犯にされていることを人から教えられた時にも、それほど重大には考えていなかったようです。しかし、次第にエスカレートし、事務所のHPで事実無根だと否定しても収まらず、いったん、事務所のHPの一部を閉鎖することに。 しかし、2005年になって、テレビによく出てくる北芝健という元警視庁刑事が、「治安崩壊」なる本を出し、かの事件について、犯人の一人が刑務所から出てきてお笑いコンビを結成していると、でたらめなことを書いたためにスマイリー中傷が再燃。彼にとって地獄のような日々が続くことになる。 殺す、などの脅しを連日受け、夜は寝られず、帰宅する道順を変えて警戒する。ライブに来る客から不審の目を向けられ、テレビ局やスポンサーにも脅しの電話やメールが入る。 警察には、山のようなプリントアウト資料を抱え、何度も何度も足を運ぶが、たらい回しにされ、そのたびに1から説明させられ、挙げ句の果ては「こんなの誰も信じませんよ」「あなたがネットをやめればいい」の決まり文句で終わり。その中で、やっとネットに精通した警部補に出会え、その人が熱心に取り組んでjくれたお陰で捜査が始まる。 最初に浮上したのが、本には書いてありませんが、京都大学だと思われる大学の職員。大学からも書き込んでいる。 そして、次々に容疑者が浮かび上がり、立件され、検察に書類送検される。もちろん、全員検挙などできるわけないが、かなりの数になった。ところが、検察で彼らは不起訴、または、起訴猶予となる。 その理由は、とうてい納得できるものではない。 ただ、警察での立件があり、報道もされたことで、急速に彼への中傷は収まった。きっと、去年、この本を出すことで気持ちにも生活にも区切りをつけたかったのでしょう。 印象に残ったのは、1999年に発覚した最初の騒ぎの後、彼はネットを見ると気になるから見ないでおこうと決意した時のこと。仕事で調べごとがあると図書館へ行き、電車の時間は時刻表で調べ、という生活をする中で、人に尋ね回ることで新たな人脈ができたと書いていることなど、考えさせられるものがありました。暫くの間でもネットをやめ、リアルの関係を取り戻せた体験がとても素晴らしかったというような感じが、本から漂ってきました。

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2019/11/26

警察、弁護士、検察にもアタリ・ハズレがあって、ハズレを引くと人生狂うくらいのダメージを貰うっていう話。 黎明期のインターネット上での無茶苦茶も酷いけど、現実世界でも新しい物事についての法律がないので対応出来ない、無法状態というのは本当に怖いと思った。

Posted byブクログ

2018/11/12

ネット中傷被害に遭ったとき、非常に参考になる本と思う。10年に及ぶ苦悩を我がことのように感じることができる。警察が力になってくれたという話しを読めたのは収穫。残念なのは検察。インターネットに詳しい人というのは、やはり少ないのだろうなと思った。

Posted byブクログ

2017/08/10

ネットで突然事実無根の悪い情報を流される。流したもの勝ちの理論、被害者は泣き寝入りのあべこべな現実。9年間戦った人にしかわからない苦しさを感じた

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2017/04/15

インターネット上には膨大な情報が氾濫している。 利用法によってはとても便利で有意義だ。 けれど、諸刃の剣のように使い方によっては怖ろしい存在にもなってしまう。 中傷をする人たちの特徴として次のようなことが書かれていた。 ・他人の言葉に責任を押しつける。 ・自分の言葉には責任を持た...

インターネット上には膨大な情報が氾濫している。 利用法によってはとても便利で有意義だ。 けれど、諸刃の剣のように使い方によっては怖ろしい存在にもなってしまう。 中傷をする人たちの特徴として次のようなことが書かれていた。 ・他人の言葉に責任を押しつける。 ・自分の言葉には責任を持たない。 何が真実で、何が虚偽なのか。 判断するのはとても難しいことだとは思う。 利用者本人が見極めていくしか対処法はないような気がする。 本書でも取り上げられているけれど、インターネットに書かれていたから…本に書かれていたから…などという理由で間違った情報を信じてしまった人たちもいた。 警察が介入し事件が公表された後も、大手新聞社の記事の一部が間違っているにも関わらず信じてしまった人たちが多かったようだ。 雑誌に載っていたから。 テレビで言っていたから。 新聞に載ったから。 本に書かれていたから。 メディア媒体を通した情報は、まるで真実のようにひとり歩きしていく。 けれど、本当に真実なのだろうか? けっして少なくはない販売数をほこる雑誌に間違った情報が載っていたことが何度あることか。 多くの視聴者がみるテレビ番組で間違った情報があたりまえのように流されているのを何度見たことか。 メディアに対して100%信頼する気持ちは、いまはもうない。 故意であれ、過失であれ、そこに人が介在すれば必ず間違いが起こる可能性があるからだ。 10年間という期間。 大変な思いをしたことだろう。 読んでいるだけで、その苦しみややりきれなさ、怒りが伝わってきた。 当時とは比べものにならないほどインターネットは身近なものになった。 警察の対応もいくぶんは良い方向へと変わってきていることだろう。 インターネットの知識がある警察官も増えているにちがいない。 それでも、いまもインターネットのトラブルで悩んでいる人はたくさんいるはずだ。 本書の後半部分は、そういった人たちへの対処法が詳しく書かれている。 【批判】 ものごとの善悪を批評し、判断すること。 【中傷】 事実でないことを言って他人の名誉を傷つけること。 【脅迫】 ひとい目に遭わせるぞ、と脅すこと。  ※本書より抜粋 インターネットはけっして匿名ではない。 自身が最初に書き込んだものでなくコピペして貼り付けたものでも、貼り付けた者が処罰対象となる。 インターネットは誰もが気軽に楽しめるものだ。 だからこそ、リアルよりも多くの自制が必要なのかもしれない。

Posted byブクログ

2016/04/20

なんとなく題名に惹かれて以前購入したものをやっと読破 かなり読みやすかった 私自身はこの手の被害にあったことは現段階ではないが、友人に被害にあったことがある人がおり、育った時代的にもこういう事件が当たり前のように起きている環境だったように思う。 しかし、これらのことが刑事告訴でき...

なんとなく題名に惹かれて以前購入したものをやっと読破 かなり読みやすかった 私自身はこの手の被害にあったことは現段階ではないが、友人に被害にあったことがある人がおり、育った時代的にもこういう事件が当たり前のように起きている環境だったように思う。 しかし、これらのことが刑事告訴できるレベルだというのは初めて知った。 筆者は芸人という特殊な職業故に被害なども一般の人よりも大きかったのではないかと思う。 やはりスポンサーさんなどに迷惑をかけられると明らかに仕事への影響も出るだろうし、難しい問題なのだろうな。 あとはやはり精神的な問題 これはまさに現代のネット社会では切り離して考えることのできない問題だろう ほとんどの人がネットにアクセスすることを日常的に行っている今、難しいだろうな

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2013/07/06

正直に言うとこういうことが起きていることを知らなかった。 ある日突然こんな根も葉もない話が自分の身に降りかかってきたらどうするだろう? 相手に言い返してやろうとか、説得してやろうなんてことしてもムダなのはわかっている。 「わかってる人はわかってる」「そんな噂で去って行ってし...

正直に言うとこういうことが起きていることを知らなかった。 ある日突然こんな根も葉もない話が自分の身に降りかかってきたらどうするだろう? 相手に言い返してやろうとか、説得してやろうなんてことしてもムダなのはわかっている。 「わかってる人はわかってる」「そんな噂で去って行ってしまうのなら、そんな友だち最初からいなくていい」という信念のもと、スルーするに限る。 しかしお上のIT弱者ぶりが痛々しい。基本的には自分で何とかしなければならないということがわかる。でも、こういう動きで徐々に良くなって行けばいいな、と思う。 スマイリーキクチがもしももっとメジャーな芸能人だったら、検察の動きが変わっていたのではないかと思えてならない。

Posted byブクログ

2013/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

掲示板記事+書籍による示唆的記述。ネットを知らない警察の対応。刑事告訴できちんと捜査。名誉毀損と脅迫罪、不起訴処分。謝罪なし。 ネットの情報は鵜呑みにせず、自分で調べて考えて使いましょう、だけど、調べるのも考える素も結局ネット。書籍は今はまだ編集者が入ってるけど、それも今後は変わるだろうし。

Posted byブクログ

2013/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

開成高校で教材として使用されていると言うのを聞いて、興味を持ってよみました。 10年もの間ネットに殺人犯として中傷され続けたスマイリーキクチの長い戦いの日々をつづった作品。 国民の生活の安全を守ってくれるはずの警察も最初はなかなか相手にもしてくれず、絶望と希望との繰り返し。 やっと落ち着いてきた今、キクチさんには是非幸せになってもらいたいと心から思います。先日テレビで見かけました。笑顔が見られてよかったけど、ちょっと年をとった感じがしました。応援しています。

Posted byブクログ

2012/09/29

キクチが女子高生コンクリート詰め殺人の加害者だったと、事実無根の嘘を、2ちゃんねるなどインターネットで激しく罵倒され続ける。キクチは、自分を犯人だと決めつける男女と闘う。インターネットに詳しい警部補と出会えたのがすばらしかった。

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