新自由主義の復権 の商品レビュー
既得権益の打破という視点で社会経済問題を考察している。個人的に期待していたような、マクロ経済におけるマネタリズムの話がメインとなっているわけではなかった。労働経済学、行政改革、医療改革などにも触れており、日本の経済の諸問題に幅広く触れている。著者の博覧強記ぶりに驚いた。
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新自由主義とは国による公共サービスや福祉を減らし、民営化と規制緩和で自由競争を広めようという考え方。1980年代の日米英はこれを経済政策に取り入れ、アメリカは大幅減税と規制緩和を謳うレーガノミクス、イギリスは金融引き締めと規制緩和によるサッチャリズムを断行。日本では中曽根政権によ...
新自由主義とは国による公共サービスや福祉を減らし、民営化と規制緩和で自由競争を広めようという考え方。1980年代の日米英はこれを経済政策に取り入れ、アメリカは大幅減税と規制緩和を謳うレーガノミクス、イギリスは金融引き締めと規制緩和によるサッチャリズムを断行。日本では中曽根政権による行政の民営化が大きく進み、NTT(日本電電公社)やJR(国鉄)などが発足した。しかし2000年代から始まった「構造改革」は社会に格差を広げ、行き過ぎた自由主義が2008年のリーマンショックを招いたなどと、最近では多くの批判に晒されている。本書は労働格差の是正に取り組む経済学者の八代氏が、このところ何かと悪し様に言われる新自由主義の功罪を分析し、社会保障改革や新しい産業の提案など、停滞が続いている日本経済を再生させるためのビジョンを示す。
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新自由主義という定義は曖昧な部分もあるが、政府による規制を最小化し民間による自由競争を重んじる考え方。 この本が刊行された2011年当時、「新自由主義が市場競争を煽って格差を拡大させた」とか「リーマンショックを引き起こした元凶」とか新自由主義が叩かれた。 著者はその論調に異議を唱...
新自由主義という定義は曖昧な部分もあるが、政府による規制を最小化し民間による自由競争を重んじる考え方。 この本が刊行された2011年当時、「新自由主義が市場競争を煽って格差を拡大させた」とか「リーマンショックを引き起こした元凶」とか新自由主義が叩かれた。 著者はその論調に異議を唱える。新自由主義自体が問題ではなく政府のセーフティ・ネットの構築が不十分だったことを指摘する。新自由主義が失敗した=市場任せではいけないだろうという論調を牽制する。 門外漢の私見だが、新自由主義=政府&民間のハイブリッドで世の中をよりよくしようとするものだと理解する。ただし一個人としては政府も民間も頼りにできず、かといって目の前で生じている日常に精神的余裕もなく日々を送っている。
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民主党政権下の2011年に書かれた本ですので、やや古くなっておりますが、政権交代後にまた復活してきたタクシー規制など社会主義的政策はどう評価しているのでしょうか。 先に「日本経済論・入門」を読んだのですが、記述が何箇所かで重複して同じことを書いております。 著者の主張はわかりまし...
民主党政権下の2011年に書かれた本ですので、やや古くなっておりますが、政権交代後にまた復活してきたタクシー規制など社会主義的政策はどう評価しているのでしょうか。 先に「日本経済論・入門」を読んだのですが、記述が何箇所かで重複して同じことを書いております。 著者の主張はわかりましたので、あとは別な方の本を読んでいこうと思います。
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新自由主義は市場原理主義に基づく『弱者の切り捨て』ではなく、福祉制度の効率化も大きなテーマとしている。
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読了。これほど分かりやすい一冊は久しぶり。資本主義・市場主義を様々な具体例から解説していく。おせっかいですが、一読する事をお勧めします!
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八代尚宏著「新自由主義の復権」中公新書(2012) *問題なのは市場競争の行き過ぎなのではなく、それと対になるべき、政府による生活の安全網の構築が不十分であったこと。企業が従業員とその家族の生活を守り、その企業を国から守る。そんな企業依存型の福祉社会が高い経済成長期の終焉とともに...
八代尚宏著「新自由主義の復権」中公新書(2012) *問題なのは市場競争の行き過ぎなのではなく、それと対になるべき、政府による生活の安全網の構築が不十分であったこと。企業が従業員とその家族の生活を守り、その企業を国から守る。そんな企業依存型の福祉社会が高い経済成長期の終焉とともに弱体化している。また、企業に守られない層が拡大したにも関わらず、過去の制度がそのまま意地されている事が格差拡大の真の要因となっている。 *経済学の思想史をひもとくとアダムスミスに代表される、市場を尊重する古典的自由主義は、ケインズが唱えが不況期には政府が積極的なマクロ経済政策を行うべきという思想によって、いったん否定された。しかし、そのケインズ政策も1970年代のインフレと失業の併存という状況で、政府に肥大化をもたらしたと批判された。その批判の主体となったのが本書の中心的なテーマである「新しい自由主義」の思想だ。この経済学の主流の考え方の思想家としては、ハイエク、フリードマン、ベッカーなどがあげられる。
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新自由主義は、市場原理主義と同じものであると誤解されることが多い。 このような誤解が実際には異なることと、イメージ先行で新自由主義を毛嫌いすることがないように、日本でも織田信長の時代や大阪商人の時代から新自由主義が行われていたことを指摘しつつ、政府の役割等がどの程度必要なのかな...
新自由主義は、市場原理主義と同じものであると誤解されることが多い。 このような誤解が実際には異なることと、イメージ先行で新自由主義を毛嫌いすることがないように、日本でも織田信長の時代や大阪商人の時代から新自由主義が行われていたことを指摘しつつ、政府の役割等がどの程度必要なのかなどをわかりやすく書いている。 具体的には、歴史に見る新自由主義、サブプライムローン問題、格差が広がったどうか、小泉改革は行き過ぎだったのか、社会保障、労働市場、新産業、TPPと復興、のそれぞれの課題についての分析と新自由主義の点からの解決策を書いている 議論の文化があまりない日本では、二項対立、イメージ論からの議論になることが多いが、どのような主義・主張であるかと差異を聞き、そのうえで対話をすることが大切であると思う。その意味でも、著者の主張は聞く価値があると思う。
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オールクリア。唯一の疑問点は非正規雇用者数、特に派遣社員数の増加に関するくだり。データ上はかなり増えてる様に見受けられるが、筆者曰く非正規雇用者数全体が増えており、それに比べれば大した増加ではなく問題視する必要はないとの事。要検証。
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この本の主張をひと言でいえば、「日本経済を救うのは新自由主義だ!」ということ。近ごろ完全に悪者扱いされている新自由主義の誤解を解き、本当の新自由主義による日本経済の再生を提言している。 「新自由主義は決して自由放任主義のことではない」「小泉改革は『やりすぎ』だったのではなく『...
この本の主張をひと言でいえば、「日本経済を救うのは新自由主義だ!」ということ。近ごろ完全に悪者扱いされている新自由主義の誤解を解き、本当の新自由主義による日本経済の再生を提言している。 「新自由主義は決して自由放任主義のことではない」「小泉改革は『やりすぎ』だったのではなく『中途半端』だった」「派遣法の規制緩和は、本来労働者のためのものだった」等今までの固定観念をひっくり返す主張が次々に飛び出してくる。そして、その主張には論理的な裏づけがされている。著者の言うことを鵜呑みにするわけにはいかないけれど、この本を読んだことで、新自由主義に対する僕の見方が大きく変わった。
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