レヴィナスと愛の現象学 の商品レビュー
著者にとって、あるいは世界にとって、レヴィナスがどのような意味を持つのかを説いた前半は猛烈に面白い。興奮する。捉まえられた気がする。 レヴィナスの思想を説いた後半は(正直に言って)理解できなかったし、呼ばれている気がしなかった。 全体を通して伝わるのは、レヴィナスはどのようにして...
著者にとって、あるいは世界にとって、レヴィナスがどのような意味を持つのかを説いた前半は猛烈に面白い。興奮する。捉まえられた気がする。 レヴィナスの思想を説いた後半は(正直に言って)理解できなかったし、呼ばれている気がしなかった。 全体を通して伝わるのは、レヴィナスはどのようにして世界を受け取り、理解し、差し出そうとしていたのか、という態度あるいは眼差し。 一般に属性だと思われていることは状況であるとか、不変の性質だと思われていることは運動だとか、前は後とか、常識をひっくり返し問い続けることの豊かさを示してくれる。
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内田樹節全開です。 人間関係のあり方としての『師弟』関係について、恋しく思える方、興味がある方、懐かしく思える方、理解不能な方々は必読かと。 レヴィナスの思想を理解できる事よりも、人と人の関係について理解・了解・脱解するために読みたい。
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個人的な召喚を受けた…というか、自分に向けて書かれたという気が、というか後書きにあったように、「これを読めばちゃんとした人間になれるんじゃ」のような気にさせられた本だった。人としてなくてはならないが自分にだけはポッカリ抜けてるようなそんな部分を埋めてくれるんじゃないかと…まぁ誰が...
個人的な召喚を受けた…というか、自分に向けて書かれたという気が、というか後書きにあったように、「これを読めばちゃんとした人間になれるんじゃ」のような気にさせられた本だった。人としてなくてはならないが自分にだけはポッカリ抜けてるようなそんな部分を埋めてくれるんじゃないかと…まぁ誰が読んでもそう思うようになっているそうです。 一切の共感も理解も出来なく言葉も通じない、共通の故国を持っていない存在こそが「他者」、と規定しておきながら、そんな絶対的な孤独感を理解しておきながら、なんなんでしょうこの全編にわたって溢れる愛は。読みながら、こんなに「全て」の人を愛せる人がいるのか、と驚愕。キリスト教の博愛ともまた違うような。これこそ「他者」をどう置くかの違いか。 そしてビックリしちゃうね、まさかこんなフランスの思想家の本を文庫で出すとは。文庫なら読む人もそれなりにいるんでしょう。日本も捨てたもんじゃないですね。
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